mixiユーザー(id:1742219)

2019年08月21日21:15

147 view

「荒野にて」

今回のギンレイは「荒野にて」と「運び屋」の2本。
「運び屋」も面白かったが、春にロードショウで観ているのでスルーした。

15歳のチャーリーは父親の仕事の都合でポートランドに引っ越してきた。
転居する前の土地では友達もいてフットボールも行っていたが、新しく住み始めた土地では学校に行くこともなく、家の周囲をランニングしていた。
ある日ランニング中にチャーリーは、競馬場を発見する。
そしてそこで、馬の世話をしていたデルに声を掛けら、デルの仕事の手伝いをすることになった。

デルは数頭の馬を所持していて、自分で調教もしていた。
ただ競走馬と言ってもサラブレッドではなくクォーターホースで、レースも直線で200〜400m程度の草競馬だった。
デルは泊まりがけで近隣に遠征し、チャーリーも一緒に連れて行った。

チャーリーの父は放任主義で、チャーリーが数日戻らない事にも何も言わなかった。
それどころか、恋人と出かけて家に戻らない事もあった。
その事でかつて父は伯母のマージと喧嘩をし、長い間疎遠になっていた。
そしてチャーリーの父はある日、恋人の夫に半殺しの目にあわされる。
病院に担ぎ込まれて一命を取り留めるが、チャーリーが遠征中に容体が急変して死亡してしまった。
伯母と連絡が取れないため、チャーリーは施設に送られそうになるが、家から逃げ出してデルの厩舎で寝泊まりを始める。

ところが今度は、チャーリーが面倒を見ていた馬のピートを、レースに勝てなくなったことを理由にデルが売りに出そうとする。
売却を思いとどまるよう、チャーリーは必死にデルを説得するが、デルは聞く耳をもたなかった。
説得を諦めたチャーリーは、ピートを車に乗せ競馬場から逃げ出してしまう。
目指すはワイオミングだったが、やがてガソリンもなくなり、チャーリーはピートとともに荒野をさまようのであった。

ジャンルとしては、青春ロードムービーと言ったところか。
ワイオミングを目指すチャーリーは、GSで地図を万引きしたり、他の車からガソリンを盗んだり、空き家で食料を調達したりする。
その中で、盗みを見逃してくれるもの、親切にしてくれる者、日雇いで稼いだカネを奪おうとする者などに出会う。

荒野をさまよっていくうちに、チャーリーはどんどん窮地に追い込まれていくのだが、その様子はなんとなく「ウィンターズ・ボーン」を思い起こさせた。
もちろん「ウィンターズ・ボーン」のようなヒリヒリとした危機感はないのだが、無力な若者がたった一つの希望を求めて突き進むさまは、観ている者の心に響く。

デルから逃げ出すまでがやや長いような気もするが、その後の放浪シーンはテンポもよく最後まで飽きずに観る事ができた。
まずまず悪くない出来の作品だった。


88.荒野にて
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する