先日、アナログレコード専門店のHMVレコードショップの目の前にあるカフェにいたら、中学生か高校生くらいの男子二人がそのレコード屋から出てきて、買ったばかりのビートルズの「リボルバー」のLPレコードを手持ちの袋に入れながら店を出ていった。それだけのことなのだが、なんだかいい光景だなと思ってしまった。
今どきアナログレコードで聴くというのもいいが、それがビートルズというのもいい。そしてそれが中学・高校生ってのがとてもいい。彼等はビートルズを気に入ってくれただろうか。いやもうすでにストリーミングなどでビートルズを聴いてて気に入ったからアナログ盤を買ったのかもしれない。
僕の中学・高校時代にはアナログレコードしか無かった。今はアナログとかヴァイナルとかいう言い方が一般的だけど、昔はLPレコードと言っていた。レコード屋に行って、棚にある大量のLPをしゃかしゃかと手早く捌いて目当てのLPを探すのだ。無い場合は他のレコード屋に行って探す。ネットの無い時代には足で探すしかないので、いくつもレコード屋をはしごして探し回った。面倒かもしれないが結構楽しいのだ。
僕も中学生のときにビートルズの「アビーロード」のレコードを買ったのだが、そのときに少し面白いことがあったので、そのことを学校の学級日誌に面白おかしく書いたら、担任の先生がそれを気に入り、学級日誌のよりぬき集のプリントに載せてくれた。そのおかげでそのときの記憶は強烈に刻印されてしまった。買ったときの状況まで覚えてるレコードというのはいくつかあるけど、この「アビーロード」は結構はっきり覚えている。LPを手に取ったときにはこれがあの有名な「アビーロード」かとちょっと感動したものだ。
HMVレコードショップから出てきた中高生の男子二人があまりにいい感じだったので、僕も店に入ってあれこれ見て歩いてみた。しかし情けないことにチェックするのは中古盤の値段ばかりなのであった。
酒の話。そもそも僕は酒が全く飲めないのだが、それでも大学生の頃まではバーボンのシングル1杯くらいまでは行けたのだ。行けたというのは、そこまでなら頭痛と吐き気を我慢できたという意味で。
高校生の頃は父親に無理矢理ワインを飲まされてたりして、その後の体調悪化によって自分が酒を全く飲めない体質であることが分かっていたのだが、大学生になると酒が飲めないと友達すら出来ないので結構がんばって酒も飲んだりしていたのだ。ビールならアルコール度も薄いから、見た感じたくさん飲んでるように見えるので、なるべくビールしか飲まないようにしていた。
大学生のころは、ひょっとして酒というのは頭痛と吐き気を耐え忍んだあとに気持ち良さが来るものなのではなかろうか?と考え、結構ギリギリまで耐えて頑張ったりしたものだが、あるときそんなわきゃないと気づき、無理に飲むのはやめることにした。それでもサークルとかの集まりでは他人の機嫌を損なわないように普通に飲んでるふりを毎回毎回していたのだが、飲むのはだいたいビールをコップ1杯。で、たいていは全然飲んで無いことがバレるわけで、酒を強要されるのだが、僕も頑なに断るので、ものすごく嫌がられる。ずいぶん嫌われたことだろう。
で、そのうちにまるっきり酒が駄目になった。ビールをコップ1杯でも具合が悪くなるので、結局酒は飲まないことにした。酒の場はすべて断るようにした。そんなわけで僕は昔から極端に付き合いが悪い。
「ルバイヤート」なんか読んでると酒の話ばかりだが、酒で気分良くなれない自分のような者にはこういうのは根本的には理解出来ないものなのだろう。「ペニーレーンでバーボン」という古い歌に『どうせ力など無いのなら 酒の力を借りてみるのもいいさ』という歌詞があるけど、やはりこれも自分には頭でしか理解出来ないことで、酒の力を借りるというのは実感としては全く意味が分からないことだ。
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