なんだかいろんなジャンルで80年代が復活している。こういうのは周期的に来るものなのだろうが、あの80年代だけはまずやって来ないだろうなんて思ってたのでちょっと驚く。
僕の場合、中学・高校・大学という多感な時期がそのまんま80年代なので、80年代ものは懐かしフィルター補正によって何でも輝いてみえるわけなのだが、違う世代の人たちにとってもそうなのだろうか?という疑問がいつもある。20歳年上の人や20歳年下の人たちにとって80年代のイメージはどうなんだろ?
昨日、丸の内のカフェに入ったらいきなりジャーニーが流れた。ナニゴトかと考える間もなくその後すぐにノーランズが流れる。べつにレトロが売りのカフェに行ったわけではなく、丸の内Kitte内にあるブックカフェのマルノウチリーディングスタイルでの話。ちなみにノーランズの後はホイットニー・ヒューストン、ホール&オーツ、サバイバー、フリオ・イグレシアス、シンディ・ローパーと80's洋楽が続く。僕なんぞは曲が変わるたびにいちいち懐かしい気分になって、中学生気分、高校生気分、大学生気分と何かと忙しくてニヤついてたわけなのだが、店内を見るとだいたい20代の客ばかりな感じで、それぞれ普通にしているようだ。BGMにいちいち反応したりしない。
一昨日なんか吉祥寺のベーカリー・カフェでボンジョビが流れてきたので、ギョッとして周りをキョロキョロ見てしまったのだが、みんな何事も無いかのように普通にパンを食べている。案外みんな冷静だ。80年代洋楽ポップスとはいえボンジョビまでカフェで流れるようになったのかと多少の目まいを感じながら、アリとナシの境目をちょっと考えてしまった。
また昨日、大手町の丸善に行くと雑貨売り場にポーチュガルのカタログがあったのだが、その表紙が永井博のイラストで、思わず手にとって見てしまった。ここ最近また永井博のイラストをあちこちで見かける。80年代に一世を風靡したあの絵柄はそのままなので(大瀧詠一のA Long Vacationのジャケットが一番有名か)、80'sの懐かしい雰囲気が満載なのだが、当時を知らない人たちにとってはどう見えるのだろうか。レトロに見えるのか、それとも新鮮に見えるのか、それとも現代でも違和感なく溶け込んで見えるのか。
永井博といえば、鈴木英人やわたせせいぞうも似たようなくくりで出てくるけれど、最近わたせせいぞうも立て続けに本を出している。しかもハートカクテルの続編みたいなものもあるし、本家ハートカクテルも先月だったかモーニングで一回だけ復活掲載している。文庫本の表紙イラストなんかも描いてるし(誰の小説か分からないけど)、またあちこちで見かけるようになった。80年代にハートカクテルを読んでたことを黒歴史として封印する人は多いと思うが、最近のこの復活劇についてはどう感じるんだろうかというのが気になる。また、80年代にハートカクテルを読んで無かったような人たちにとって、こういうのはどうみえるのかもちょっと気になるところ。あれは80年代だからこそ成り立っていたと思ってたのだが、今どきの価値観でもすんなりと受け入れられるのだろうか。
まあ、何はともあれこういう懐かしいものが復活してくるのは嬉しいんだけど。それでも一体どんなわけでそれらがまた受け入れられるようになったのか、その道筋が気になる。
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