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2020年10月21日19:09

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チャーハン!!

唯一無二の「金の豚チャーハン」

 今年6月のことである。愛知県一宮市にチャーハン専門店「金龍」がオープンした。正直、あまり期待していなかったものの、中華鍋をリズミカルに振る音や店内に立ちこめる香りに胸が高鳴った。

 注文した「金の豚チャーハン」を一口食べた瞬間、あまりのうまさに悶絶してしまった。口の中いっぱいに広がる香ばしさと複雑な味わい。そして、食感。しっとりとパラパラのちょうど中間、“しとパラ系”とも呼ぶべきか。瞬時にここの店主は筆者と同類のチャーハン好きに違いないと確信した。

 後日、詳しく話を聞きに行くと、店主の清水良太さんは筆者以上のチャーハン好きであることがわかった。何しろ、好きが高じて店まで開いてしまったのだから。しかし、チャーハンと一口に言っても、味付けや具材などさまざま。

 「店をオープンするにあたって、参考にしたのは『うま屋』のチャーハンでした」と、清水さん。この一言に大きくうなずいたのは筆者だけではあるまい。おそらく、愛知県在住の方は激しく同意するだろう。

 「うま屋」とは、愛知県春日井市に本店があるラーメン店「豚旨(とんこく)うま屋ラーメン」(以下、うま屋)のことだ。うま屋は愛知県を中心に岐阜県と三重県、滋賀県に展開するラーメンチェーンだが、ガツンとくる濃厚な味わいのチャーハンを目当てに来店する客もいるほど人気なのだ。

 「恥ずかしい話、うま屋のチャーハンを完コピして出せば売れると思ったんです。もう、何回通ったかわからないほど足を運びました。おかげでほぼ同じ味ができたのですが、何となく納得できなくて。うま屋のチャーハンと同様に、一口目からパンチを感じるものの、まったく違うタイプのチャーハンを作ろうと創作意欲が湧きました」

 こうして生まれたのが、「金の豚チャーハン」である。そのおいしさは冒頭に書いたとおりである。ほかにも味付けは塩のみ、具材は卵のみのシンプルな「すっぴん」なるチャーハンと、名古屋名物の「ひつまぶし」のように薬味やだし汁で味変ができる夜限定の「龍の鶏チャーハン」を用意している。

 サイドメニューには唐揚げとサラダ、そして、中華そばもある。しかし、あくまでもメインはチャーハンなのである。

 「ラーメンやつけ麺、まぜそばの源流をたどれば、町中華の中華そばに行き着きます。チャーハンもラーメンのように、これからいろんな“流派”に分かれていくと思うんです。ウチがその源流になれればと思っています」

■チャーハン専門店の潜在的な可能性

 店主の清水良太さんは、中華料理店やラーメン店で修業をして、店をオープンさせたわけではない。開店する前は、名古屋を拠点に全国展開する「がブリチキン。」の運営会社、ブルームダイニングサービス(以下、ブルーム)で取締役営業本部長として、経営企画やマーケティング、販売促進、広報などの部門を取り仕切っていた。

 ブルームへ入社したのは、2012年。大学卒業後に就職した食品会社からの転職だった。その頃は、「がブリチキン。」がまだ3店舗くらいしかなく、入社1年半ほどで名古屋駅の店を任された。その後、名古屋・栄や東京・高円寺店の立ち上げにも呼ばれた。

 「当時はマニュアルもなかったので、あいさつからテーブルセッティングの仕方まで、ブランドにおけるノウハウの構築を任せてもらえました。とてもやりがいを感じていましたね」

 よほど仕事ができたのだろう。入社してわずか4年で役員にまで出世した。しかし、清水さんは、サラリーマンで人生を終えることはまったく考えていなかった。飲食店を経営するだけではなく、「がブリチキン。」のようにチェーン展開をさせるのが自身の夢だったのである。今年3月に8年間勤めたブルームを辞めて、夢に向かって歩き出した。

 一口に飲食店と言っても、さまざまな業態がある。当初は前出の「うま屋」のような「チャーハンがおいしいラーメン店」を考えていたという。

 「ラーメンは、従来のしょうゆやみそ、塩、とんこつのほか、つけ麺やまぜそばなど細分化されすぎています。そんな状況では勝てるわけがありません。そんなとき、知り合いが何気なく放った、『チャーハン専門店でいいのでは?』という一言がきっかけとなって、気持ちはチャーハン専門店にシフトしていきました」

 まず、清水さんは、FC展開しているチャーハン専門店がどれくらいあるのかを調べた。すると、東京・渋谷や立川、横浜などに展開する「かにチャーハンの店」や東京・吉祥寺に本店がある「肉あんかけチャーハン炒王」、地元の名古屋を拠点とする「ロンフーダイニング」などが見つかった。

 ほかの業態と比べると、その数は極端に少なく、競合相手のいないことがわかった。清水さんの中で、チャーハン専門店の開業は現実味を帯びてきた。

 「ネットを中心にさまざまなメディアで『好きな中華料理のメニュー』ランキングが発表されています。どれを見てもチャーハンはベスト4に入っているんです。上位にランクインしている餃子やマーボー豆腐、小籠包は専門店があるのに、なぜかチャーハンの専門店は少ない。これもチャンスと捉えました」

■セントラルキッチンでは出せない本物の味

 なぜ、チャーハン専門店のチェーンは少ないのか。まず、考えられるのは味の均一化だ。味が辛すぎたり、薄すぎたりと、町中華のチャーハンでさえも味のバラツキがある。チェーン店であれば、どの店で食べても同じ味でなければならない。

 さらには、料理を提供するスピードも求められる。「大阪王将」や「リンガーハット」などのチェーンが自動調理器を使っているのはそのためだろう。

 しかし、清水さんの店では使っていない。食材はレシピに基づいてすべて計量していて、タレと具材を1人前ずつ小分けにしている。注文ごとにご飯と卵を合わせれば、味がバラつくことはないのだ。

 とはいえ、誰でも清水さんのように業務用ガスコンロの強力な火力を自在に操り、重たい中華鍋を振ることができるわけではない。アルバイトだけでも店を任せられるのがFCビジネスではないのか。

 「昔ながらの町中華のように、お客さんの目の前で豪快に中華鍋を振る姿を見せるのも、チャーハン専門店としては不可欠なんです。おっしゃるとおり、調理はアルバイトにはできません。研修時に最低でも1カ月は毎日チャーハンを作って、炒める技術を身に付けてもらいます。本気でチャーハン専門店をやってみたい方とFC契約ができればと考えています」

 確かに、消費者はセントラルキッチンで調理したものを温めただけの味には辟易している。隆盛を極めたファミリーレストランが時代とともに衰退していったのも、そんな理由からだろう。そう考えると、ここでしか味わえない手作りのチャーハン専門店のFC展開は十分に可能性があるような気がしてきた。

 そこで気になるのは、FC契約の中身である。飲食店におけるFC契約は、契約料300万円にロイヤルティーとして売り上げの5%を本部に収める、というのが相場である。しかし、新型コロナウイルスで飲食のFC店も打撃を受け、閉店を余儀なくされた店も少なくはない。清水さんは従来のFC契約のあり方にも疑問を呈する。

 「ロイヤルティーを売り上げに対して課せられると、本部はFC店がコロナで打撃を受けても痛くもかゆくもないんです。だから、私は粗利益に対して課すシステムを考えています。不測の事態が起こったとき、本部はFC店と痛み分けするのが本来の姿であり、そのほうがお互いに緊張感を持って仕事ができますから」

 現在、清水さんは第2号店として、30〜40席のファミレス型店舗のオープンの準備を進めているという。長い間、脇役だったチャーハンが主役になる日も近い?



そう!コレメモなのだよトモヨリくん(笑)
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