mixiユーザー(id:17180778)

2020年09月06日10:39

159 view

『論語』為政第二 29、30、31章

                   29
子貢が君子とはどういう人かと尋ねた。孔子は答えた、「言わんとすることを先づ行うことだ。然る後に言うのが君子である。」

子貢問君子。子曰、先行其言、而後從之。

子貢、君子を問う。子曰く、「先づ其の言を行いて、而る後に之に從う。」

<解説>
安井息軒氏は、「先行。其言而後從之。」と読む。どちらでもよいが、「「先行其言、而後從之。」の方が一般的であるのでこれに従った。意味する所は言行一致の重要性を説いたものである。朱注:范氏曰く、子貢の患いは、之を言うの難きに非ずして、之を行うこと艱きなり、故に之に告ぐるに此を以てす。子貢は口が達者な人物として知られていたので、孔子は言行一致の大切さを教えたのである。

                   30
孔子は言う、君子は広く公平に人と親しみ、お気に入りの者とだけ付き合うようなことはしない。それに対して小人はお気に入りの者とだけ付き合って、広く公平な付き合いはしない。

子曰、君子周而不比、小人比而不周。

子曰く、「君子は周して比せず、小人は比して周せず。」

<語釈>
○「周、比」、朱注:「周」は、普徧なり、「比」は、偏黨なり、皆人と親交の意なり。

<解説>
君子と小人との区別を短い言葉で端的に述べている。朱注に云う、「君子小人の為す所は同じからざること陰陽晝夜の如く、毎毎相反す、然れども其の分かるる所以を究むれば、則ち公私の際、毫釐(ほんのわずか)の差に在るのみ。」君子と小人とはその行動に於いて大きな違いがあるが、それを分ける所以のものは心の些細な違いであり、具体的には王引之の言う義と利である。

                   31
孔子言う。先人の道を学んでも、その意義を考えて理解することをしなければ、学んだことはぼんやりとしていてその道理を掴むことはできない。反対に乏しい知識で思索をしても、先人の教えを学ばなければ、考え方が狭く偏見に陥りやすく、反って危険である。

子曰、學而不思則罔。思而不學則殆。

子曰く、「學びて思わざれば則ち罔し。思いて學ばざれば則ち殆し。」

<語釈>
○「罔」、朱注:諾心を求めず、故に昏くして得る無し。暗いの義。

<解説>
この節の教えは、学問だけでなく、スポーツや芸事や職人芸などすべてに通ずる教えである。何事もまづ学ぶことであり、十分に学んだうえで自説を立て己の技術を確立していくものであって、十分に学びもせずに、自説を述べ己のやり方を吹聴するような半端物にはならないように心掛けることの大切さを教えている。

0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する