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2020年08月03日10:38

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『論語』為政第二 26、27、28章

                   26
孔子言う、人の善悪を知るには、その人の行為をよく視て、その行為の動機を観察して、その動機に安んじて楽しんでいるか否かを考察すれば、人はどうして己の善悪を隠すことが出来ようか、隠すことが出来ようか。

子曰、視其所以、觀其所由、察其所安、人焉廋哉、人焉廋哉。

子曰く、「其の以す所を視、其の由る所を觀、其の安んずる所を察すれば、人焉くんぞ廋さんや、人焉くんぞ廋さんや。」

<語釈>
○「視其所以」、朱注:「以」は、為すなり、善を為す者は君子為り、惡を為す者は小人為り。行為の善悪を視ること。○「察其所安」、朱注:安んじて樂しむ所なり、由る所善と雖も、心の樂しむ所の者、是に在らざれば、則ち亦た偽るのみ。○「廋」、朱注:「廋」は、匿すなり。

<解説>
人の善悪を見分ける方法を述べている。行為を見、動機を観察し、心のありようを考察する、此の三者のなかで、大事なのは心のありようである。朱注で、「心の樂しむ所の者、是に在らざれば、則ち亦た偽るのみ」と述べられているように、同じ善を為すにしても、それが心からのものか否かが大事である。偽善者には気を付けなっければならない。

                   27
孔子言う、古人の書物を研究し、過去の事柄や学説を謙虚に学び取り、それを以て今日の新しいことに応用していくならば、人の師となるのに十分である。

子曰、温故而知新、可以為師矣。

子曰く、「故きを温ねて新しきを知れば、以て師と為る可し。」

<語釈>
○「温故」、朱注:「温」は、尋繹なり。尋繹とは、尋ねきわめること。“たずねる”と訓ず。「故」は古人の学問。

<解説>
有名な「温故知新」の語句で知られる節である。この語句の解釈については、通釈で示したとおり、古い者を学んで新しい者に応用する、という意味に解釈する以外に、既にに学んだことに習熟して、新たに悟るところがあるようにする、という意味に解釈する説もある。しかし一般的には通釈で示した内容である。しかし大事な事は、故きを温ねるだけではなく、それを今に活用させる能力である。それが無ければ単なる物知りで終わってしまう。

                   28
孔子言う、君子という者は、特定の役割に応じるだけの器物のようであってはならない。広く遍く応じることが出来なければならない。

子曰、君子不器。

子曰く、「君子は器ならず。」

<語釈>
○「君子不器」、朱注:器は各々其の用に適して相通ずる能わず、成徳の士は、體具わざるは無し、故に用周からざるは無し、特に一材一藝のみに非ず。

<解説>
人間一芸に秀でることも大切であるが、君子とは、才能や特技のある人ではなく、偏らずに広く仁愛で包み込むことが出来る人である。

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