有河患・無江患

中国の大雨は北の方にも広がってきたようで西安が水浸しで凄いことになっている。こち
らは長江じゃなくて黄河の流域だ。中国の２大大河、黄河と長江。この２つの川は良く比
較される。中国には「有河患・無江患」という言葉がある

中国では「河」という字は黄河のことを指し「江」という字は長江のことを指す。有河患
というのは黄河には患がある、という意味で患とはすなわち洪水のことを指している。つ
まり上記の言葉は、黄河には洪水が多く長江には洪水が少ない、という意味になる

長江だって結構洪水起こしているのだが、黄河のほうがそれとは比べ物にならないくらい
洪水が多いということだな。なぜ黄河がそんなに洪水が多いかというとだ。黄色い河とい
うくらいあって黄河の水には上流の黄土が混ざっている。土を大量に含んでいるのだ

河川の土砂運搬量では黄河は断トツの世界一なんだそうだ。２位はガンジス川だそうだが
かなり引き離している。こうした土砂が流れが緩やかになる下流域に達すると、川底にど
んどん堆積していく。なので黄河は川底が上昇しまくって行ってる状態だ

そこに大雨が来ればもう簡単に氾濫するってわけ。下流域では毎年のように氾濫してその
たびに川の流れ道が変わるから、なかなか人が定住できない。だから古代の黄河文明は下
流域じゃなく中流域に誕生したわけだ。それぐらい黄河は洪水が多い

毛沢東の号令一下三門狭ダムというのが作られた。三峡ダムと一字違いで紛らわしいな。
しかしこのダムも瞬く間に土砂が堆積して使い物にならなくなり２００４年には発電をや
めてしまったいう。長江以上に厄介な川、それが黄河なのである