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2017年05月07日07:16

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亡国の海軍(39)

三「第一次世界大戦の最中、1916年5月31日から2日間にわたって戦われた大海戦
  がユトランド沖海戦じゃ」
金「この海戦はイギリス海軍とドイツ海軍によって戦われましたが、その参加艦艇数が凄
  いデース。イギリス海軍151隻、ドイツ海軍99隻、合計250隻デース」
比「ここでは両軍の戦艦に的を絞りますが、イギリス側は戦艦28隻、巡洋戦艦9隻、そ
  れと旧式になりますが装甲巡洋艦が8隻という陣容です」
榛「対するドイツ側は戦艦が16隻、巡洋戦艦が5隻、旧式の前弩級戦艦が6隻という陣
  容でした。イギリス45隻、ドイツ27隻。艦数ではイギリスが圧倒しています」
霧「デンマークがある半島、これをユトランド半島と言います。この海戦はバルト海から
  大西洋への出口にあたるユトランド半島沖で、大西洋に進出したいドイツ艦隊と、バ
  ルト海に閉じ込めておきたいイギリス艦隊の激突という形で始まりました」
三「戦闘の詳しい推移は第一次世界大戦テーマの時にやるが、この海戦で明らかになった
  のは『水平防御の重要性』じゃった。そして巡洋戦艦はあまりにもこの水平防御が弱
  すぎることも明らかになってしまったのじゃ」
金「オー、水平防御とはいったいなんですカー?」
比「戦艦の防御装甲は真横方向からの砲弾に対する垂直防御と、上方向からの砲弾に対す
  る水平防御とがあります。近い距離での砲撃戦だと直線弾道で砲弾が飛んでくるので
  垂直防御が重要になります」
榛「ユトランド沖海戦で水平防御の重要性が認識されたということは、従来の海戦に比べ
  て遥かに遠い距離での砲撃戦が行われたということを意味しています」
霧「そうね。例えば日露戦争での日本海海戦では、砲撃戦は彼我の距離8000m付近で
  行われています。それに比べてユトランド沖海戦では1万5千mもの距離で砲撃戦が
  展開されました。距離が遠ければ砲撃時の仰角を大きく取る必要があります。つまり
  直線的弾道ではなく、山なりの弾道になるということ。なので命中時は砲弾は真横か
  らではなく斜め上方から艦に飛び込んでくることになるわけです」

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