mixiユーザー(id:17119814)

2016年09月01日10:33

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日露戦争(18)

三「前回話題に挙がった駐退復座機やけど、コイツは大砲を撃った時の反動によって砲自
  体が後ろに大きく動いてしまうことを防ぐための仕組みやね」
榴「そやな。艦載砲とか要塞砲なんかだと、すでにこの仕組みは実装されとった。実際に
  は後退を防ぐと言うよりも、後退しても自動的に戻ってくる仕組みという感じやが」
歩「土台をガッチリ固定できる艦載砲や要塞砲なら、レールを使って後ろに下がった砲を
  自動的に戻るようにするのは、割と簡単やった。しかし野戦砲ではそうはいかない」
三「アームストロング社の艦載砲は、現にレールを使った駐退復座機構を備えておった。
  日清戦争での黄海海戦の勝利に大いに貢献したのは、前にも書いた通りや」
榴「せやけど歩兵とともに動き回ることを要求される野戦砲じゃあ、レールを敷いてその
  上に、なんてことは到底無理っちゅうもんや。どないして実装すんねん?」
歩「野戦砲への駐退復座機構実装については、ヨーロッパで研究が続けられておった。主
  にドイツとフランスが競い合っておったんやが、この競争はフランスの勝ちやった。
  1897年にフランスで完成した、M1897・75ミリ野砲。この砲に搭載された
  液気圧式駐退復座機、これが野戦砲における駐退復座機の決定版となったんや。」
三「ライバルのドイツは、バネを使った駐退復座機を開発しとったけど、この方式だと大
  きくて重いものになってしまうし、耐久性も低い。ドイツもバネ式でずっと頑張るん
  やが、最終的にはフランスと同じ液気圧式に切り替えたんや」
榴「野戦砲への駐退復座機構実装は、大砲の歴史上最大クラスの技術革新と言われとる。
  それまでは1分間2発か3発が限界だったのが、M1897は1分間に15発も撃つ
  ことができた。1門の砲で、敵の砲5門分の攻撃力や。これは圧倒的やで」
歩「この差は大きいな。しかし世界初の装甲艦を造ったのはフランス。無煙火薬を作った
  のもフランス。後装式大砲の決定版を作ったのもフランス。もの凄い技術大国やで」
三「現代でも何気に、航空機ではエアバス社とかでアメリカのライバルだし、原子力分野
  でもトップクラスやし、アメリカ・日本・ドイツと肩を並べる技術大国やて」
歩「基本的に農業国やのにな〜」

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