mixiユーザー(id:17119814)

2016年03月27日09:20

347 view

ドライゼ ツュントナーデルゲヴェーア(2)

撃針を使った撃発機構と、ボルトアクションによる後装式、という2つの新機軸を取り入
れた画期的なドライゼの銃はしかし、他の欧米列強からは評価されなかった。理由はいろ
いろある。まず一つ目はヨーロッパの片田舎である、東欧の新興国家プロイセンというこ
とで注目度が低かったことがある。ドライゼがイギリスかフランスの人であれば違ったは
ずである。

次に、あまりにも画期的過ぎたことだ。軍隊というのは基本的に保守的である。しかも銃
は、兵個人にしてみると自分の身を守る命綱のようなものである。そういうものに、今ま
で見たことも聞いたこともない仕組みでできたものを、そうそう簡単に使う気にはなれな
い、ということである。

さらにいうと、史上初の撃針式かつボルトアクション式のこの銃には、色々と改善される
べき問題点があった。まず一つ目は撃針が火薬燃焼時の高温にさらされるため、徐々に劣
化していきそのうち折れてしまう、という点である。これは頻繁に撃針交換を行うことで
対処できたが、最初の頃は由々しき問題とされた。

最大の欠点は後装式の宿命であるが、薬室後部が完全一体構造では無いため、どうしても
前装式に比べると、頑丈さという点で劣ると言う点である。そのため、ドライゼ銃で使用
するカートリッジは、マスケットで使用するものよりも、火薬の量が少なくなっていた。

火薬の量は、弾丸の速度、威力に直結するため、ライフルドマスケットに比べると、有効
射程距離、弾丸の威力ともに劣っていたのである。以上に挙げた点から、プロイセン以外
の国は、この銃を採用しようとはしなかったのだ。

その評価が一変したのが、プロイセンがドイツに対して仕掛けた戦争であった。

0 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する