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2016年03月14日10:22

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デルヴィーニュ銃

マスケットが主流だったこの頃は、ライフル銃最大の課題は、弾込めが面倒で手間がかか
ることだった。麻布や油紙などのパッチを使って、銃の口径よりもほんの少しだが、直径
が大きい状態の弾を押し入れるわけだ。

こいつをどうにかして改善しようとしたのが、フランス陸軍の士官であるデルヴィーニュ
である。デルヴィーニュは1826年、新設計によるライフル銃を開発した。薬室を銃身
よりも若干口径を小さくした。弾丸にはパッチを使わないため、銃口からはすんなりと入
る。これにより、火薬のみ薬室に入り弾丸は薬室の手前の仕切りの部分で止まる。

この状態で銃口から鉄製の槊杖で球形弾を3回突く。銃弾自体は鉛でできているため、鉄
に比べるととても柔らかい。なので弾丸は変形し、ライフルの溝に食い込むようになる。
この状態で撃発すると、ライフルによって弾丸は回転して飛び出していく。

以上のような仕組みでパッチを失くしても、ライフルによる回転を与えられる銃を作成し
たのである。なんか言われてみれば簡単な話であるが、これもまたコロンブスの卵という
やつか。ただし、この当時はまだ球形弾だったが、弾丸を変形させるために、変形のしか
た次第では、弾道に悪影響が出て命中精度が下がるという欠点はあった。

フランス陸軍はこの工夫に目を付け、いくつかの改良を加えた。特に木製の球形弾の半分
を覆うような装弾筒を薬室と銃身の区切りにつけ、不必要な弾丸の変形を抑えるようにし
たのが大きな改良点である。

このような改良を施した銃は1842年からフランス陸軍に採用された。パッチを使用し
なくて済むこの銃は、ライフル部隊にはおおむね好評だったという。

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