mixiユーザー(id:17119814)

2016年03月13日11:32

529 view

ライフルとスムースボア

18世紀末から19世紀前半にかけて、マスケット銃はライフルが切られているタイプと、
切られていない、いわゆるスムースボアタイプが併用されていた。両者の特徴と使われ方
について書いておきたい。

ライフル銃のメリットは何と言っても、有効射程距離の長さだ。有効射程距離とは、照準
をつけて撃った際に、照準通りに弾丸が飛ぶ距離のことだ。これより長い距離だと、落下
する分的を外れる。トーマス・プランケットは、スコープもない時代に、有効射程距離2
00mのベーカー銃で500m以上の目標を仕留めたのだから、神レベルの腕だ。

いっぽうのデメリットだが、一つ目は製造に手間がかかるため、生産性が悪く価格が高い
こと。これは軍隊のように大量配備が必要な組織では大きなデメリットである。次に射撃
の間隔が長くなること。

マスケットは銃口から弾を込める。ライフル銃の場合、抵抗なくすんなり入るようでは発
射時に回転がつかないので意味が無い。そこで麻布や油紙などで弾を包み、それを銃口か
ら押し込んだ。発射時に若干の燃えカスが出るので、発射後銃身内の掃除も念入りにする
必要がある。そういった事情で、次の弾を発射するまでの間隔が長くなってしまう。

このような背景から、スムースボアマスケットは戦列歩兵への装備とされ、ライフル銃は
狙撃などの任務を行う遊撃隊、これを散兵と呼ぶがこういったところに配備された。19
世紀前半ころは、スムースボアマスケットだと1分間に、4発程度撃つことができたらし
い。いっぽうのライフルだと1分間に1〜2発というところだった。

弾を包む麻布や油紙などのことを、パッチと呼んだ。このパッチを不要とすることがライ
フル銃改良のポイントとなっていった。

0 1

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する