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2016年03月12日07:11

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ベイカー銃(2)

エゼキエル・ベイカーの設計案は、ブラウン・ベスと同じく75口径で、銃身長は32イ
ンチ。そこの8条のライフリングが彫られているものだった。しかしながら、生産開始ま
でに何点か修正が施されている。最終的に1800年生産開始モデルは、口径が65口径
と小さく変更された。

ライフルは8条から7条へ減り、銃身長も32インチから30インチになった。イギリス
軍制式の24インチ長の銃剣を装着できるようになった。弾丸は当時イギリス軍が騎兵用
に採用していた、マスケット・カービン用の62口径弾を使用した。

この弾丸を、グリース油を染み込ませた麻布で包み、銃口から押し込んで装填した。この
ベイカー銃は1838年まで生産され、その間何度もマイナーチェンジを繰り返した。結
果的に、約2万2千挺ほどが生産されたとされている。

ベイカー銃はナポレオン率いるフランス軍に対抗する上で大いに役立った。ライフリング
されていないフランスのマスケットは、有効射程距離が約100m。いっぽうのベイカー
銃は200mの有効射程距離を持っていた。

ナポレオンを倒したことで知られる、ウェリントン公配下のライフル部隊は特に有名で、
スペイン独立戦争の際、ライフル兵トーマス・プランケットがフランス軍のコルベール将
軍と、その副将をともに狙撃で仕留めている。このときの狙撃は500m以上離れていた
と言われているから、神クラスの射撃の名手だったと言える。

この銃はワーテルローの戦いでも威力を発揮し、軍事の天才ナポレオンを倒した。天才に
勝つのは技術、いつの時代でもこれが真理ではないだろうか。

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