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2016年03月07日10:53

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ゲベール銃

江戸時代の日本においては、幕府に許可なく銃を製造するというのも禁止されていたし、
幕府も新しい銃を開発することも無かったので、銃の進歩というのは無かった。しかし時
代が進み、外国船の来航などが多くなってくると、国防というのを意識する人も出た。

その代表が長崎会所に勤務していた、高島秋帆である。旧態依然とした日本の銃砲術に危
機感を持ち、オランダから西洋式銃砲を購入した、日本の軍制近代化の先駆者である。彼
がオランダから購入した銃はゲベール銃と呼ばれた。

ゲベールというのはオランダ語で銃という意味である。オランダ軍で使用されていた銃の
中古品だった、とされている。17世紀末から、オランダ軍が使用する銃は、フランスで
生産されたものだった、というからシャルルヴィル・マスケットとほぼ同じものだったと
思われる。

秋帆がオランダからゲベール銃購入を開始したのが1831年のことと言われている。1
7世紀末に採用された銃であるから、流石にこの頃にはヨーロッパにおいては、旧式の時
代遅れ銃であった。しかし日本においては、充分に先端的な銃であったわけだ。

オランダからすれば、すでに旧式となってお払い箱寸前の銃を、高値で買ってくれるのだ
から、ボロい商売である。しかし日本側には、全く銃に関しての知識が無いのだからどう
しようもない。無知は罪というやつである。

火縄銃と比較すると、大きな差異は着火装置の部分だけだったので、幕府や各藩のお抱え
鉄砲鍛冶は、ゲベール銃のコピーを作るようになったという。そのためゲベール銃は値崩
れを起こし、一挺あたり五両程度にまでなったと言われている。

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