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2016年03月06日12:04

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ブラウン・ベス

フランスがシャルルヴィル・マスケットなら、そのライバルであるイギリスは、このブラ
ウン・ベスである。この銃は1722年にイギリス軍の標準銃となった。フランスがシャ
ルルヴィル・マスケットを標準としたのが1717年だから、遅れること5年だ。

フランスのシャルルヴィル・マスケットも、1840年まで生産された息の長い銃であっ
たが、こちらのブラウン・ベスも1850年くらいまで生産された銃である。逆に言えば
19世紀中盤くらいまでは、銃器において革命的な進歩は無かったということにもなる。

この銃もやはり長い。銃剣をつけて槍代わりに使うためで、第二次大戦までは歩兵用小銃
はこんな感じだった。ブラウン・ベスの口径は75口径。シャルルヴィル・マスケットが
69口径だったから、それよりも大きいことになる。そのぶん弾丸重量は重くなる。

ということで、射程距離としてはシャルルヴィル・マスケットが有利。命中時の殺傷力は
ブラウン・ベス有利であった。この銃はイギリス本国のみならず、インド、アメリカをは
じめとするイギリスの植民地にも広く普及した。

インディアンへの対策から、アメリカでは成人男性は銃の所有を法的に義務付けられてい
たので、在住民はブラウン・ベスを相当数所有していた。その後アメリカ独立戦争では、
イギリス軍も独立戦線軍も両者ブラウン・ベスを主力として戦った。

フリントロックのマスケット銃としては、おそらく最大の生産数だった銃である。中古の
銃は色々なところに横流しされ、インドでの原住民の反乱とか、メキシコが対アメリカ戦
争で使用したりと、歴史上至る所で登場する銃である。

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