マイクロソフトの製品SQLサーバーは、もともとはサイベース社がUNIX向けに発売
していたDBサーバーである。マイクロソフトは1980年代末にパソコンの次世代OS
であるOS/2向けにデータベース製品を発売しようと考え、サイベースからライセンス
を買い取ってパソコン向けに移植を行った。
その後、OS/2の開発元であるIBMとの関係悪化に伴い、プラットフォームをWindows
NTへと変更した。最初のWindows NT版SQLサーバがリリースされたのは1994年のこ
とだった。Windows NTには、ワークステーション版とサーバー版とがあり、マイクロソフ
トはそれまでUNIXの独壇場だったサーバー分野についても参入を狙ったのだ。
それまでにもパソコンをサーバーとして使うというのはあったし、非常に多くの採用例も
あった。しかしそれはあくまでも、ファイルサーバーやプリントサーバーとしての使われ
方であり、データベースサーバーにパソコンを使うということは多くは無かった。
マイクロソフトはそこについてもパソコンでまかなおうとしたのである。この製品はUN
IXサーバの導入/運用はハードルが高いという企業、つまり専用の技術者を雇う余裕が
無いような中小企業などに支持された。
サーバOSもWindowsであるからパソコンと同じような操作でオペレーションできる。さ
らにSQLサーバはGUIベースの管理ツールなども充実していたから、それほど専門的
知識が無い人でも操作することができた。このへんはオラクルと正反対の思想である。オ
ラクルは世界中に数あるソフトウェア製品の中でも最も管理が難しいものの一つだ。
オラクルとSQLサーバは製品の思想が対照的なものの代表例だと言える。
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