データベース（６）

前回の続き。そのシステムは、客先に納品した後に「遅すぎて使い物にならん！」という
クレームが来たらしい。そりゃそうだろう。で、その会社では対応できなくなって、オイ
ラが外注として入っていたＳＩ会社にヘルプを求めてきた。

当初、遅すぎるというクレームを受けたその会社のＳＥが現地のサーバを調べてみたとこ
ろ、稼動状態をタスクマネージャで見たところ、ＣＰＵ使用率が１００％に張り付いてい
る、ということからサーバスペックが足りないせいだと思い込み、ウチ等にハードウェア
の増強を依頼してきたのである。

しかしだ。全然インデックスが貼られていない、つまり常にフルスキャンが走っているの
だから、ＤＢサーバのＣＰＵ使用率が１００％に貼りつくなんて至極当然である。ＳＱＬ
サーバのログからＳＱＬの処理が遅くなっている部分をつきとめ、ＳＱＬを変えるか、ま
たはインデックスを貼ることで対処するのが先決だ、と提言した。

もう客先に納品しているアプリだからＳＱＬを直すなんてことはまずありえない。なので
必然的に「インデックスを貼りまくる」という対処でしのぐという方策しかなかった。イ
ンデックスを貼っていけば確かに検索は速くなるけど、インデックス自体がディスク領域
を消費するし、ＩＮＳＥＲＴやＵＰＤＡＴＥの際にインデックスも更新する必要があるか
ら、こういった処理は遅くなる。

なので本来ならばインデックス追加は慎重に行うべきなのだが、このときは背に腹は代え
られないとばかりに、闇雲に追加しまくったのだった。結果的にユーザらのクレーム
は止まったということだ。そのシステムが今どうなっているかは知らない。