原発って・・・（325)

天然ガスは早い話がメタンガスである。化学式でいうとＣＨ４だ。炭素が１個に水素が４
つくっついた、最もシンプルな有機化合物、炭化水素である。石油とか石炭とか、他の化
石燃料も基本はこの炭化水素なんである。

化石燃料の中でも天然ガスは最も環境負荷が低い。石油、石炭には硫黄だとか窒素だとか
炭化水素以外の成分も含まれていて、これがいわゆる公害をもたらす。ドイツなんかは現
在、窒素酸化物による公害で大変なことになっている。これはドイツの石炭火力や自動車
の技術力が低いせいである。まあ中国はもっとひどいが。

ドイツや中国は石炭が豊富だ。そのため石炭への依存率が非常に高い。そのうえ技術力が
低いために環境にやさしい石炭火力発電ができない。だからひどいことになっている。さ
すがに中国ほどバカではないドイツは、天然ガスにシフトし始めているものの、天然ガス
供給元としてはロシアがほぼ全てであるから、ここんところのウクライナ問題でその供給
も怪しいことになってきている。

天然ガスを運搬する方法は２通りあって、気体のままパイプラインで送る方法と、液化し
てタンカーで運ぶ方法とがある。液化には相当のコストがかかる。パイプラインの建設も
もっとコストがかかる。一般には陸上なら４０００キロメートル以内、海越えなら１００
０キロメートル以内であれば、パイプラインのほうが液化方式よりも低コストになる、と
されている。

大陸国家であるドイツは、そのため陸続きであるロシアからのパイプライン輸送の天然ガ
スに頼り切ってしまっていて、ガス液化の技術もロクに持っていない状態なのだ。