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2020年05月31日21:34

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今年も生きてます

5月31日は私には特別な日です。
13年前に亡くなった兄の誕生日と私が生死を彷徨った日なんです。
意識を失ったのは31日未明。

2014年5月31日2時20分すぎに意識障害を来たしているご本人を発見、2時27分に119番に電話、電話指示に従い心臓マッサージを開始されました。
救急隊到着、AED(電気ショックの機器のことです)が心室細動を感知、2時27分に速やかに電気的除細動(電気ショックのことです)を行い、以後は心拍動再開しました。
以後は心室細動は認められずに経過をしております。
奥様の最終確認が5月30日22時半、その後どの段階で心室細動を発症、意識障害になったかはわかりません。
心臓マッサージを開始してから電気的除細動が成されるまで13分ですが、当院搬送後に施行の頭部CTでは脳浮腫(心配停止状態となり脳に酸素がいかなくなる時間が長いほど浮腫は強くなります)が著名であり、心室細動発症、意識障害を来たしたのはもしかすると2時27分よりもかなり前である可能性があります。
現在は低体温療法といって、全身の酸素や栄養を極力つかわないように、いわば省エネ状態を意図的に作り出している状態です。
こうすることで、とくに大切な臓器である脳と心臓に栄養を優先的に与えることが出来、場合によっては脳のダメージを最小限度にくいとどめる可能性があります。
ただし、先ほどお話ししたように、脳への酸素がいっていない時間が13分よりはるかに長い時間である可能性が考えられ、低体温治療によりこれ以上の脳ダメージを最小限にくいとどめることが出来たとしても、それまでのダメージが大きければ、意識状態の改善をみとめないままの可能性も十分に考えられます。
今回の意識障害、ひいては心室細動を引き起こした原因は、おそらくBrugada症候群であると考えられます。
Brugada症候群が悪さをする(心室細動を来たす)のは朝就寝中に多く、今回それから7年前の心配停止状態の臨床所見とも合致します。
また今回搬送時に施行した心電図の見上ではBrugada症候群に典型的な心電図波形を認めました。
今後は、意識状態の改善を認めた場合に限りますが、カテーテル検査による不整脈検査、植え込み型除細動器(ペースメーカーみたいな装置を胸の皮下に植込みます。心室細動を感知すると電気除細動を行います)留置を行う予定でございます。
現在行っている低体温治療には合併症があります。
ひとつにはからだが省エネ状態になっていますので、逆に言うと感染症にかかってしまった場合には免疫機能が省エネ状態のためうまく働かず、結果として感染症がさらに重症化してしまうリスクがあります。抗生物質の点滴をあらかじめ行い感染症にかかるリスクを減れしています。
またからだのミネラル分がくずれてしまうことも良く認めれています。
とくにカリウムというミネラル分がくずれてしまうと心室細動という不整脈が誘発されるリスクが高まります。
ただし、低体温治療を行わなかった場合には、現在の脳浮腫の状態は徐々に進行していく一方であり意識状態の改善は認められません。
我々としては、低体温治療のリスクを承知したうえで、それでも意識状態の改善する見込みのある治療であるという利点に期待して、この治療を選択しています。
経過中に心室細動を来たす可能性は十分にあり、その場合には電気的除細動、薬剤投与、ペースメーカーによる頻拍などが選択肢として考えられます。
それらを行ってもコントロールできない場合には、残念ですが蘇生の見込みはありません。
現状は非常に厳しい状態と言わざるを得ません。
急変するリスクも十分にあります。
出来る限りの処置は行いますがそれらの処置により心室細動という致死的な不整脈をコントロールできる保証はありません。

若干の後遺症はありますが元気に暮らしてます。
失ったのはものは多いですが、得たものもあります。
タイミングよく転職もしました。
全てをマイナスにすることなく、好機とできた事に今の自分があります。

完治することのない病気のため、常に不安はありますが上手く付き合ってます。
まだまだチャレンジしたい事があるので簡単には死ねません。
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