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2016年08月21日16:53

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ラブライブ・サンシャイン!第8話感想メモ

第7話の感想を書けてない内に8話を迎えてしまいました……。
実は……

<em><strong>■東京でのスクールアイドルイベントへの招聘
</strong>前回、町の人達の協力を得て作成したPVが5万回以上の再生数を記録し、スクールアイドルランキングも一気に99位へ上昇。
更にランキング上昇率は1位となり、突如注目を集めることとなったAqours。
「ランタンが綺麗だ」と評判になったように今回はPV演出の勝利であった模様。
きっと歌やパフォーマンスにも評価はあったものかと思いますが、あのPVのインパクトは十分以上だったのでしょう。
そこに『東京スクールアイドルワールド運営委員会』なる団体からメールが届きます。

<strong>■ダイヤ、鞠莉、果南が越えられなかった壁
</strong>Aqoursを東京へ行かせることに懸念するダイヤ。
壁にぶつかることを前提に交わされるのは、過去にダイヤ達もその壁に阻まれたからのよう。
そこには最大の味方となってくれていた町の人達はおらず、ほぼ孤立無援でステージに立たねばなりません。
それどころか鎬を削るライバル達だっている筈です。
ステージ上で自分達の力で輝き惹きつけられなければ、その先に待っているのは─
</em>
……とここまで書きかけてて手が止まってたんです。
Saint Snowの清冽なハーモニーと度肝を抜かれたパフォーマンスに次回は叩きのめされるのかな、と予告の「くやしくないの?」の文字を見つつやきもきしていました。
そして、その「くやしくないの?」は誰が誰に言うセリフなのか……。

期待よりも不安が勝るそんな面持で放送開始を待っていました。
第8話……始まると、そこにはこれまで散りばめられていた伏線を拾いまくる展開が待ち受けていました。


<strong>★第8話「くやしくないの?」

■目の当たりにする『スクールアイドル/ラブライブ!』のリアル</strong>
アバンまるまる使って1コーラスを披露したSaint Snow。
そのステージは、スクールアイドルをある意味“μ'sの見様見真似”でやって来ていたAqoursの面々にとっては、現実を思い知るのに十分すぎるインパクトを備えていました。
それ以上に、Saint Snowの気迫に飲まれたと言っても過言ではないでしょう。
その気迫は二人が歌う「Self Control」の歌詞にもこれでもかとダイレクトにぶつけられていました。
<blockquote>最高だと言われたいよ 真剣だよ!</blockquote>
フォト


全てのステージが終わった後の東京タワーで、一年生達は割合動揺少ないようにふるまっていましたが、二年生組はかなり表面的にもダメージが大きく見受けられる状態。
特に『言いだしっぺ』の千歌に至っては、痛々しい程のカラ元気で弱音や泣き言を自分の内に封じ込めていました。
いや、自分達を慰める『言い訳』を並べて、その先を見据える言葉が出てこない。

そこに大会スタッフだったはっちゃけアナウンサーのお姉さんから電話が……
彼女から手渡された封筒の中身は、Aqoursの面々に更なる追い討ちをかけるものでした。

<strong>30組中30位、それも得票数『0』</strong>

完膚なきまでに打ちのめされるAqoursのメンバー達。
そこへダメ押しとばかりにSaint Snow…鹿角姉妹が現れ、ささやかな社交辞令の後に、キツい本音を叩き付けられます。
<blockquote>聖良「もし、μ'sの様にラブライブ!を目指しているのだとしたら……
   諦めた方がいいかもしれません」
理亞「馬鹿にしないで……。ラブライブ!は……遊びじゃない!!」</blockquote>
鹿角姉妹はAqoursのPVを見たと言っていましたが、5話での堕天使アイドルの時のPVも見たのかもしれません。
「Self Control」のような歌詞を意識を高く持って紡ぎ唄う彼女達にとっては“真似事”や“お遊び”をしているグループと映ってしまったんじゃないでしょうか。
スカイランタンの演出は私自身も感嘆の声を上げてしまいましたし、このアニメの視聴者としてこれまでのAqoursの経緯と思いを知っているからこそ、千歌達は決して遊びのつもりでなんかいないというのもわかります。
しかしながら、事実、千歌はμ'sをバイブルとし、μ'sの軌跡を追いかけることでここまで来ています。
だからこそ、メンバーが集まってくれたし、ファーストライブもなんとか成功できたわけですが、一方で“学校統合(=廃校)”で「μ'sの音の木坂と同じ」とはしゃぎ、「廃校阻止の為に活動します!」という宣言もどちらかと言うと目的(廃校阻止)よりも手段(μ'sと同じ道を往くこと)が千歌の中では重要視されているきらいがあります。
『側』を見られているだけでは、単なる後追い、一過性のインパクト頼み、たまたまPVがよかった…なんて口さがない意見もあったのかもしれません。
6話で千歌が「この場所から始めよう!できるんだ!」と思い至った事も、まだまだ伝わる段階ではありません。
この構図はまたメタ的にこの「ラブライブ!サンシャイン!!」に対して向けられる、リアルな声を反映させているようにも見えます。


<strong>■歴史は繰り返すのか</strong>
帰りの電車の中も通夜のように沈んだ状態の中でも「胸張っていいと思う。今の私たちの“精一杯”ができたんだから」と、千歌は重ねて“精一杯”という本音の一端を口にします。
それに対し、曜は千歌に向け今回のサブタイトルである「くやしくないの?」を突きつけます。

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無論他のメンバーも気になっていたことでしたが、やはり、高飛び込みの競技という勝負事に接していた曜であり、誰よりも長く一緒にいた幼馴染の曜だからこそ、はっきりと口に出して質せたのだと思います。
しかし、ここに来ても「でも、満足だよ」と千歌は強がります。

沼津に帰り着き、クラスメート達の出迎えを受け、期待に満ちた声を掛けられるごとに“傷”が膿んでいく。
そこへ「お帰りなさい」と現れたのは、傷ついて帰ってくると身を以て知っていたダイヤ。
優しい姉の顔を見つけ、とうとうルビィの心は喫水線を超えてしまいました。
ルビィの嗚咽だけが響く沼津駅前。
そんな風に泣かせてしまったと項垂れる千歌。

時同じくして果南に呼び出される鞠莉。
千歌達のことをダイヤから聞いた果南は「どうするつもり?」と鞠莉に詰め寄ります。

場所を移して、東京のイベントでの顛末を聞いたダイヤは「やっぱり」と言いました。
A-RISEとμ'sによるスクールアイドルの隆盛はラブライブ!への参加グループ数を大きく跳ね上げると共に質の向上を生み、より狭き門となってしまっている故─Aqoursが支持されなかったのも、3年ズが“歌えなかった”のも仕方ないこと─と教えます。
そして、二年前から未だに癒えぬ“傷”のことをようやく語って聞かせてくれます。
ダイヤの膝枕で横になっていたルビィの表情を見るに、さすがに少なからず事情を知っていたのでしょう。

それは今のAqoursが─千歌達が辿ってきた道そのもの。
けれども、一年生三人だけだった二年前のステージで彼女達は完全に場に呑まれ、歌うことすらできなかったという。
夢物語に酔って現実を知らずに、地元のぬるま湯で勘違いして思い上がって……
挙句の果てが学校を救うどころではないほどの大失態。
心折られたダイヤと果南はスクールアイドルでの学校統合阻止を諦めてしまう。
そんな自分達が心折られた道を、鞠莉が“敢えて”千歌達にも歩ませている事に対して「どうするつもり?」と問い質す果南。

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<blockquote>果南「ラブライブ!に優勝して学校を救うとか、そんなのは絶対に無理なんだよ!」
鞠莉「だから、諦めろって言うの?」
果南「私はそうすべきだと思う」</blockquote>
強引に誘われたはずの鞠莉は逆に今もスクールアイドルでの活路と、傷ついた果南とダイヤとの古き善き日の絆を取り戻すことを諦めていなかった。いや、諦められなかったのでしょう。

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頑なな果南を前に、鞠莉は両手を広げ誘おうとしますが、果南はその腕に収まろうとせずにその横を通り過ぎてしまいます。
涙ながらに“宝物だったあの時を取り戻す”と訴える鞠莉。
鞠莉が千歌達に『敢えて』自分達と同じ道を歩ませるのは、同じく穿たれた穴を今度こそ一緒に乗り越えて“宝物”を取り戻したいからに他ないからでしょう。
しかし、すれ違う親友二人。

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すれ違う親友の図はここだけでなく、千歌と曜の間にも。


<strong>■同じ月の光の下で〜千歌の慟哭</strong>
小学校の頃から思い描いていた“千歌ちゃんと一緒に夢中で何かやりたい”という想いを確かめるように、小学校時代と思われる写真を見つめる曜。
梨子が「どうしてそんな言い方するの?」と言っていた、曜からの「やめる?」というカンフル剤が、今回は空振りに。
千歌は何も答えてくれず、もし本当に「やめる」と言い出したらどうしよう─と想い悩み、唸る。
この前後にAqoursのメンバー+果南が同じ月の光の下で案じています。

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想いはそれぞれにあるのやもしれませんが、気持ちは繋がっている─ということを表しているように見えます。
そして、当の千歌はμ'sのポスターを見詰めながら、なおも苛まれる。

翌朝早く、海へと向かう千歌の後ろ姿を見つける梨子。
よもや……と慌てて追いかけるも千歌の姿は見えず、大声で何度も呼びかける。
海の中から現れた千歌は、以前梨子が「海の音を聴きたい」と潜った時のように何か見えないかと潜ってみたが何も見えなかったという。
しかし……

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<blockquote>千歌「だから思った。“続けなきゃ”…って。
   私、まだ何も見えていないんだって。
   先にあるものが何なのか。
   このまま続けても、『0』なのか、
   それとも『1』になるのか、『10』になるのか。
   ここで止めたら全部わからないままだって」</blockquote>
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<blockquote>千歌「だから私は続けるよ、スクールアイドル!
   だってまだ『0』だもん!
   …ゼロだもん…ぜろなんだよ……
   あれだけみんなで練習して、みんなで歌を作って
   衣装も作ってPVも作って
   がんばってがんばって
   みんなにいい歌聴いて欲しいって
   スクールアイドルとして輝きたいって」</blockquote>
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<blockquote>千歌「なのに『0』だったんだよ!
   悔しいじゃん!!
   差がすごいあるとか、昔とは違うとか
   そんなのどうでもいい!!
   悔しい……
   やっぱり私、悔しいんだよ……」</blockquote>
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<blockquote>梨子「よかった……
   やっと素直になれたね」</blockquote>
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ようやく解き放たれた千歌の“悔しい”という想い。
梨子も内浦に来た前後、同じように泥沼に嵌っていたからこそ、今度は自分がその手を伸ばして千歌を抱き締める。

この千歌の慟哭のシーン……
感想を書くのに何度も見直していましたが、その度に泣けてしまって全然進まず。
かなり時間を空けてから再度挑んだ次第。

5話の夕方のバス停で「一応言い出しっぺだから、責任があるし」と言っていた千歌。
自分が心折れてしまっては、「折角スクールアイドルやってくれたのに、悲しくなっちゃうでしょう」と何もかもを背負込もうとしていた。
なんだかんだで自分が言い出した夢≒無茶を一番気にしていたのは、いつも梨子だけに弱気の虫を垣間見せていた千歌自身でした。
そんな千歌に梨子は優しく「ばかね」と返します。

<blockquote>梨子「みんな、千歌ちゃんの為にスクールアイドルやってるんじゃないの。
   自分で決めたのよ。
   私も、曜ちゃんも、ルビィちゃんも、花丸ちゃんも、もちろん善子ちゃんも」</blockquote>
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誰ともなくいつの間にか千歌の下に集まるAqoursのメンバー達。
「でも」とまだ愚図る千歌に「だからいいの」と諭す梨子。
自分に「諦めなくてもいいんだよ」と許しをくれた友に、今度は「感じたことを素直にぶつけて、声に出して」と梨子が許しを与えます。

<blockquote>梨子「みんなで一緒に歩こう」</blockquote>
とうとう涙腺が決壊し、大泣きする千歌。
さぁ、雨上がりの陽光が差し込む中、“『0』から『1』の扉を開けよう”とするAqoursの再出発の時です。


<strong>■『0』を『1』にしよう</strong>
Twitter上でも9話は「君ここ」ではなく、「Step! ZERO to ONE」じゃないかとのツィートを見かけました。
正直、どちらでもいいと思っています。
どちらでも話にマッチするし、きっと鳥肌モノなんじゃないかと思っているわけです。

前作では第1期3話で見事な挫折が描かれていましたが、それを本当に受けたのは穂乃果達二年生組の3人だけです。
それがなかったAqoursにはこの中盤にて6人、更に3年ズは2年前に経験済みです。
(なんとなくいやらしく読めるが、気にしては負け)

全員が味わった挫折を糧に、千歌達が本気で夢を目指して立ち上がることになるのでしょう。
果南とダイヤは、千歌達にこれ以上傷ついてもらいたくないと今回自分達の過去を明かしたのですが、それでもなお、Aqoursは諦めずに続けるという道を選び取りました。
その時、果南は、ダイヤは、鞠莉は、如何なる道を進むのか。
逆に、過去を知った千歌達が3年生達にどうアプローチするのか。
果たして果南を口説き落とすのは、鞠莉か、千歌か、はたまたダイヤか。

第9話『未熟 Dreamer』は、レース模様となってきましたw
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