キーレスエントリーで他の車は解除されないのか

車のロックを自動的に掛けたり、解除したりするのがキーレスエントリー、車のリモコンキーのボタンを押すとロック解除の命令の電波が出て、10メートル位は届きます。

キーレスエントリーから出る無線の周波数は、自動車メーカー1社について1つしか割り当てられていません。

では自分の車のロックを解除したつもりでも、隣の車のロックまで解除してしまう事や、同じ車種の車だと間違ってカギが開く心配はないのでしょうか。

そうならないために、周波数は1つでも、それぞれの車には固有の情報が設定されています。ロック解除の命令とは別に、車に割振られた登録番号の情報を電波に乗せて送ります。その組み合わせはなんと1600万通りもあるそうなので、たとえ同じメーカーでも隣の車のドアが開く事はありません。

あるメーカーでは0か1かで32桁分の情報があるそうで、これだと約43億通りにもなり、車がその情報を覚えていて、一致しないとドアは開きません。この辺はメーカーの機密ですが、よく売れる、走っているメーカーは結構な数を用意していそうです。

メーカーは1600万通りが、43億通りが無くなったら次の技術を考えますよ、きっと。

このキーから出る電波は、特殊な機器を使えば車のキーの電波を盗聴する事は出来なくはないので、最近は車に割振られた登録番号の情報とは別にボタンを押す度に変わるパスワードを潜ませてあります。車の方は、どういう法則でパスワードが変わるかを知っているので毎回変わっても大丈夫です。パスワードと車に割振られた登録番号の2重になっている訳です。

ドアに手をかざしただけでカギが開くのもあります。これは手をかざすとまずドアから弱い電波が出る仕組みです。通常は車のキーから出る電波に使われている315メガヘルツとは別の周波数の電波を使います。

これに加えてドアから80センチ位の範囲にキーがあると、その電波を受信したキーから、ドアを開けなさい、という返事の電波が出る仕組みです。

トランクの中にキーを忘れたまま閉めても大丈夫な、閉じ込め防止機能が付いた車もあります。トランクを閉めた瞬間に電波が出て、トランクにキーがあると分かると自動的にロックが解除されます。