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2019年06月27日05:45

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雪子さん、京都へ! 大阪と神戸へも

映画『雪子さんの足音』 横浜は明日28日まで。
29日(金)からは、京都シネマで上映です。
そのあと、大阪と神戸にも!

京都シネマ  6月29日(土)〜
大阪シネ・ヌーヴォ  7月13日(土)〜
神戸元町映画館  8月3日(土)〜
映画といっしょに、西のほうへ行きたいなあ。💕

京都シネマ、初日の29日は、午前11時20分からの上映後に、吉行和子さんと浜野佐知監督の舞台挨拶がありますexclamation ×2
2日目の30日(日)3日目の7月1日(月)は、浜野佐知監督単独の舞台挨拶を行います。
https://www.kyotocinema.jp/information/2687/


Raise さんというかた、原作者の木村紅美さんのファンらしく、映画の感想ツイートもすごいので、写します。

Raise @Raise_4096

『雪子さんの足音』とにかく木村紅美大感謝祭のような最高の映画なんですが、とりわけ菜葉菜さんの演じるヒロインといったらすごい。内気で奥手で恋人なしで、でも欲望は捨てられない眼鏡の女…『島の夜』の小百合さんから続くヒロインの系譜がそのまま映像になったみたいで、映画館で泣いてしまった

原作で薫が月光荘から引き払うことを決意する場所は電車で渡る江戸川で、木村紅美の世界では水はいつも別れをもたらす。映画は江戸川は登場しないけれど、原作にない金魚の水槽が、薫に女たちとの別れを考えさせる見事な装置となっていて、翻案というより偶然の一致なんだろうけど、感動してしまった

そもそも木村紅美ファンからすれば冒頭の『たそがれ刻はにぎやかに』の引用から泣いてしまう。そうだよね、雪子さんの足音は、あの小説から始まってるんだなと…。最後に黄昏に向けて階段を上がる雪子さんが、屋上で立ち尽くしたくららさんと重なりつつも、でも夢だからこそ、ずっと柔らかな救いがある

映画で面白かったのは魚料理の多さ。餌で肥満する金魚はそのまま原作のごちそう責めで太る薫だけど、カルパッチョ、鯛飯、鰻と連発される魚料理にまな板の鯉そのものの薫が重なっていて感動した。映画の薫は、愛玩される魚であり、同時にまさに「食われ」んとする魚のような立ち位置だろうと思う

いやー、もう、とにかく最高だった。吉行和子さんがすごいのは名女優だから当たり前かもしれないが、原作の雪子さんの底知れなさに、さらに艶かしさが滲むのがすごい。原作で薫が抱かれるのを想像するのは若かりし頃の雪子さんなんだけど、映画は老いた雪子さんで成立してしまうのだ。すごくない?

映画版でとくに新規に書き込まれたのはカフェの店主と息子だろうけど、前者を演じる大方斐紗子さんの、雪子さんとは違う、あの自信満々な高齢者特有の手強いうっとうしさと言ったら!京都旅行を偽る場面の、あの善行をやったと言わんばかりの乾杯の笑顔、本当に素晴らしかった…

ちなみにこの映画が木村紅美オールスター大感謝祭なのは、原作にない借金取りの場面で「霊」に近い描写があるのもそう。『風化する女』のトイレの描写を思い出してしまったけど、木村紅美は意外と霊や魂や異界についてちらっと目配せする作家なのだ。だからここのオカルトな描写は興奮してしまった

そんなわけで、原作や作家が好きなら泣けるぐらい最高の映画化だし、そうでなくとも吉行和子さん、菜葉菜さん、寛一郎さん主役3人の演技が最高だし、原作に書き加えたこと・原作から書き落としたことの塩梅も素晴らしい。とにかく観てください。今週は横浜ジャック&ベティ、たしか金曜まで。

余談ながら、私は木村紅美のほかに10年ぐらい前に読んだ吉行理恵の『小さな貴婦人』が忘れられず、いつかそちらも単行本は全部読みたいんだけど、ふたりとも尾崎翠好きだったのにはびっくりしてしまった。そんなことあるんだね…。とにかく、観れて嬉しい映画だった。みんなも良かったら観てね。

以上、Raiseさんでした。
この感想、木村紅美さんもうれしいだろうなあ。

きょうの写真は、友人の斎藤雨梟(うきょう)さんのイラスト――「雪子さんの足音」を観て、描いてくださったものです。
雨梟さんの映画評もすばらしいので、ぜひご覧ください。

https://hotel-bfu.com/hotel_dayori/gestalt/2019/06/21/yukikosan/



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