ギリシャの雑感・４

ＥＵ：ギリシャ支援合意　改革法制化が条件
http://mainichi.jp/select/news/20150714k0000m020077000c.html

国民に緊縮案否決を煽っておいて、いざ否決の投票結果が出ると、直後からフランスに根回し開始、５日後には自ら緊縮案を提出、ＥＵからの支援をもぎ取る。

これだけの段取りができていたということは、最初からこうするつもりだったのは明らか。空想的理想主義者に思われていたチプラス首相、とんだ食わせ物だったなと。国民投票後に「民主主義の勝利だ」と叫んでいたギリシャ国民、どんな気持ちなのだろうか。

まぁこの変節っぷりには、梯子を外された形のギリシャ国民のみならず、ギリシャがユーロに留まることを一番望んでいるはずのメルケル首相ですら、何度となく「ギリシャは信頼出来ない」とコメントせざるを得ない始末。今回の一件で失われた信頼は大きいだろうと。

もっとも、チプラス首相が交渉のイニシアチブを取って、まとめることが出来たのは、国民投票のおかげなのは間違いないわけで、そこは素直に評価するべきなのだろう。

「全ての人が満足する政治」なんていうのは、おおよそ有りえないわけで、たとえ多くの人から疎まれようとも、一定の成果を挙げたチプラス首相というのは、立派な政治家の部類に入るのだと思う。

無論、今後の調整がうまく行かずに、結果が出ないまま終わることがあれば、「愚者」として歴史に名を残すことになるのだろうけれど。政治の世界は結果が全て。