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2021年01月21日10:45

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【拳闘】比嘉×小林

WBOアジア・パシフィック、バンタム級タイトルマッチ

同級王者、ストロング小林佑樹(29歳)
24戦16勝(9KO)8敗
IBF世界9位、WBO同13位

比嘉大吾(25歳)
18戦16勝(全KO)1敗1分
WBA10位、WBC15位
身長161cm
リーチ163cm

1R
開始と同時に激しい接近戦をしかける比嘉は、インサイドからフックやアッパーをからめた連打を振るう。何かに追い詰められているかの様にKOを狙ってる様子。第1ラウンドからエンジン全開。
小林は打たれても打たれても前進を続ける。中盤に比嘉の左ボディがクリーンヒットするが、2階級下の比嘉のパンチでは止まらないのか。
終盤に比嘉の左の連打。

小林9-10比嘉



2R
前半、比嘉の右アッパーがクリーンヒット。小林はガードが高く、ストレートやフックなどに対しての守りは堅いが、アッパーには弱い。比嘉は踏み込んでから瞬時に半身をズラし、サイドからガードの隙間をアッパーで打ち抜く。インファイターのボディワークテクニックが光る。直後の連打で大振りの右スウィングが小林の鼻先をかすめ、足元がフラつく。
打たれても前進する小林は中盤盛り返し、大振りの比嘉にカウンターを合わせてヒヤリとさせる。
終盤に比嘉の右アッパーが綺麗に入り、小林の顎が跳ね上がる。

小林9-10比嘉



3R
比嘉の左フックが小林のガードの隙間にヒットすると、一瞬小林の身体が浮く。それを含めてアッパーやフックを織り交ぜた左の4連打。直後の右がヒットしてグラついた所に右アッパーもヒット。
終盤に左ボディがヒットして小林がやや後退。
解説陣からも再三比嘉のオーバーペースが指摘されたが、俺から見ても焦ってる様に見える。また調整失敗だろうか?

小林9-10比嘉



4R
比嘉のコンビネーションが面白い様に当たる。しかし全てのパンチが強打なので、強弱をつけないと相手がパンチに慣れちゃうとか、12ラウンドまでは保たないペースとの解説陣からの指摘。
右クロスを打ち抜き、小林が前のめりに倒れそうなところで踏ん張る。バンタム級でも比嘉のパンチは通用する様だ。比嘉のガス欠が先か、小林の耐久力の尽きるのが先か。
後半にも比嘉は右クロスから右アッパーをフォローし、思わず小林がクリンチ。ややダメージが蓄積してきたか。
比嘉は、左はフックとボディ。右はオーバーハンドとアッパーを次々と突き刺し、さすがの小林も動きが鈍る。それでも前進し続ける小林の根性は素晴らしい。

小林9-10比嘉

小林36-40比嘉



5R
比嘉の右アッパーのダブルがクリーンヒットする。
最初の1発目は顔面に直撃し、多分これで鼻が折れたんじゃないかな。全身の力が抜けたところに、2発目のアッパーは顎の先端に直撃。被弾した瞬間に小林は腰砕けとなり、垂直に落ちて女座りの様にダウン。
『倒れる』ダウンってのは横からの衝撃によってバランスを崩して倒れる訳だが、真下に『落ちる』ダウンってのは、脳震盪で脚への命令が途切れて崩れ落ちる訳で、こういう倒れ方はダメージが大きい。10カウント以内に立ち上がれないか、立ち上がったとしても意識は朦朧とし、身体の反応も鈍い。
こりゃ無理かもな… 果たして小林のダメージは俺が見た感じ以上に深刻で、10カウントが終わってもしばらくリングに大の字。比嘉の勝利インタビューの頃にようやく半身を起こした状態であった。考えてみれば、最初から最後まで一方的に打たれまくってた訳だから、蓄積したダメージが深刻なのも当然か。



減量失敗でフライ級王座を剥奪された比嘉は、一気に2つ階級を上げバンタム級で再起を図った。リミットは50.8kgから53.52kgとなり、2.72kgの余裕ができた。
たかが3kg弱だが、体重50kgの人間にとっては5%以上の違い。ダラダラと生活してる我々と違い、極限まで無駄を削ぎ落とした中での5%だから全然違う。逆に言えば、以前50.8kgでリングに上がってた時より、3kg近く余計に武器を装備できるって事だ。
比嘉はパンチ力のある選手なので、弾切れとなる前に相手を倒し切るタイプだが、それはフライ級での話。2階級上のバンタム級では相手を倒し切る前にガス欠となる危険があり、解説の内山も内藤も再三指摘していた。調整失敗でスタミナが無く、短期決戦で勝負をつけようとしてたかの様で観ててヒヤヒヤしたが、5ラウンドまであのハイペースを保って打ち続けたのだから、逆に、かなりのスタミナをつけていたのかもしれない。ただ、今回は打つパンチがことごとくヒットしてたので良かったが、相手がディフェンスに長けた選手だったら、空振りでスタミナを大きくロスしたはずだ。或いは相手がカウンターの名手なら、比嘉の大振りにカウンターをコツコツ合わされた危険がある。
あのペースで12ラウンドまで動けるのか?
カウンターを貰い続けても耐え切れるのか?
『黄金のバンタム』と呼ばれ世界中から強豪が集まる階級だけに、ここから上に行った場合、今日の比嘉の戦い方が通用するかは未知数である。今回の内容を観た限り個人的には不安が残るが、それを払拭するパフォーマンスを比嘉が見せてくれるのか期待したい。

一方で負けた小林。元々粘りやメンタルを武器にしぶとく食い下がり、相手のミスや根負けを待つタイプの様だ。本来ならインファイターの比嘉にはアウトボクシングで対抗するのがセオリーだが、付け焼き刃の戦法よりも、ガードを固め、打たれても打たれても前進して消耗戦を仕掛ける自分本来のスタイルを貫いた姿勢は素晴らしい。ただ、あまりにも策が無さ過ぎた。高いガードはストレートやフックには有効だったが、アッパーには脆い。アッパーの使い手である比嘉に対しては相性が悪かった。こういう時に戦法を変えて有効な手を探ったり、心理的に揺さぶりをかけるだけの引き出しの数が無かった。ただ愚直に突進し、滅多打ちされ、耐え続けるだけの展開となり、最後はそのまま力尽きる結果となってしまった。

さて、東洋太平洋王者となった比嘉。この勝利で再び世界戦も見えて来た事だろう。だが舞台は群雄割拠のバンタム級。あの井上尚弥もいる黄金の階級だ。ボクシングに対する情熱を失いかけていた比嘉だが、再び頂点を狙う程の覚悟があるのか?次の試合も注目だ。
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