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2020年03月31日20:12

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【映画】ロビンフッド

ロビンフッド

リドリー・スコット監督と主演ラッセル・クロウと言えば『グラディエーター』を思い出す。同作品冒頭のローマ軍とゲルマン軍との決戦は映画史上に輝く名シーンに間違いあるまい。
今回の『ロビンフッド』も悪くはなかったが、やはり心の何処かで期待していたグラディエーターのそれを超える事は無く、無意識ながら落胆を禁じ得なかった。

まず、これは我々だけ(或いは俺だけ?)かもしれないが、『ロビンフッド』と聞けば何と言うか、エルフみたいにシュッとした美青年みたいなイメージがあって、ラッセル・クロウみたいなビヤ樽体型のヒゲオヤジはかなり違和感がある。欧米人にとって『ロビンフッド』ってどんなイメージなのだろう。

ケイト・ブランシェットは相変わらず美しい。戦地に出た夫を10年間待つ寂しさ。夫が戦死したら土地を全て奪われる不安。等から心がささくれ立ち、検のある少しくたびれた中年未亡人を好演。最初の夜のツンケンさから、手の平を返した様に態度が変わるのはご愛嬌か。

ハッキリ言って、あまり、と言うか全然おもしろくなかった。ただの男が簡単に貴族になってしまうなんて、映画とは言え余りにも都合が良過ぎるストーリー。何の不審も抱かず受け入れる領民達の態度も不思議だ。まさか領主の息子の顔を知らないのだろうか。
戦闘シーンは確かに迫力があったが、グラディエーターで見た以上の衝撃や発見は無かったし、何よりも音楽が良くなかったな。緊迫感とか臨場感みたいのが無く。逆に何処か牧歌的でノンビリしたくなる様なリズムだった。
フランス軍の上陸にぴったりタイミング良く着く援軍とか、強引に戦いに乱入するブランシェットの非現実的な行動。流石に改心したかと思わせといて、まだ悪党を続ける王様にウンザリし、最後は取って付けた様な『森での質素な生活』には失笑するしかなかった。
平等で自由な理想郷を実現した、みたいなラストだったけど、これは全くもって子供騙しだ。みんなそういう理想を目指して頑張ってるのよ。ところが人間てのは一定の数集まると派閥を作って分裂し、争い始める。争いが起きるから細かな法律が必要になって来て、利口なやつがその抜け穴を見つけてボロ儲けし…
って、こういう流れは仕方がないのよね。必ずそういうヤツが出て来るから。体制に呑み込まれ、長いモノに巻かれてる人達だって頭では解っているのよ、バカじゃないんだしさ。でも『理想』に対して『現実』ってのがある訳じゃない?こんな青臭い理想主義を突き付けて、それでドヤ顔されてもね。何だかなって感じ。



ロビンフッド ☆☆☆
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