捕らえたゲリラを裁判にもかけず、上層部への報告も無く、基地司令官の個人的な裁定により銃殺刑を強行しようとするが、隊長が命令を断り営倉へ。後日、部下の３人も脱走する。
地球連邦軍とは言えど、構成する人員の２割程の地球人が幹部としてのさばっており、８割を占める現地雇用のデロイア人達が兵隊としてこき使われているのが現状であった。特に、デロイア人ゲリラを、同じデロイア人の兵士に射殺させる様仕向けたり、差別なども根強く、不満が爆発したのである。
クリン達は、連邦軍に追い掛けられていた脱走兵達を偶然助ける。脱走兵達は、上官から聞いていた話からかけ離れたゲリラ達の真の姿に接し、考えを改める。
アイアンフットタイプのCBアーマーが初登場。頭の無いズングリした体型で、長い両腕の右腕には大型のリニアガン。頭胸部のコクピットは右側にオフセットされ、覗き穴がトーチカの様に不気味な表情を見せる。左側には大型のロケット弾ポッドを背負ってる。マーベリックに吊り下げられた異様な姿はインパクト抜群。
被弾して脚が破壊されると、時間差を置いてオイルが吹き出す描写が細かい。
連邦軍はアンディ鉱山からの撤退を要求し、３日の期限で総攻撃を告げる。
性急に事を運ぶドナンの慌ただしさを疑問に思うレークだが、ドナンに死が迫っている事を勿論彼はまだ知らない。
鉱山からの出口を固めた連邦軍兵士が、無駄口を叩きながらヘルメットでマッチに火をつける描写も良い。
ゲリラ側は和睦を訴えるザルツェフと、徹底交戦を主張して止まないサマリンが対立。と見せかけて、それは時間稼ぎの演技であり、その間にゲリラ達は民間人に紛れて脱出する。最後の最後、連邦軍総攻撃の期限である夜明けになって、サマリン、ザルツェフの２人は手の平を返して共闘を宣言。両者の対立にやきもきしていた３州の代表達が呆気に取られる中、鮮やかな脱出劇を演じた。
『１発の銃弾も撃たずに600人を脱出させるには、あれしかなかった』と、してやったり。
政府軍基地でクーデターが起き、デロイア兵達が一斉蜂起する。サマリン達と反乱軍は共闘を約束。
クーデターを抑えようとレークは部下を送るが、誰も聞く耳を持たずに門前払い。
『行政官のお気持ちが解らんのか？』という捨て台詞が心に響く。デロイア人達と和解し共に歩んで行こうと奮闘したレーク。しかし現実に自分達に降り掛かって来る差別や搾取に業を煮やすデロイア人達。
『精一杯頑張ったつもりだった。彼等にもそれが伝わっていると信じていた』レークはしかし、結局は己の無力さを痛感し、行政官を辞任する。
『頑張った人』、或いは『良い人』が必ずしも報われると限らない現実の無常さ。
デロイア兵達が占拠した基地に対し、連邦軍が攻撃を仕掛ける。援軍に駆けつけるクリン達。血気にはやるジョルジュを諌めるロッキーのセリフ
『奴らが基地内に侵入したら、背後から叩くんだ』も良いな。なるほど基地に侵入する前の、手前の広い場所で攻撃を仕掛けるより、敵に基地内まで攻め込ませてからの方が遥かに効果的だ。基地ってのは性格上外界から隔てられてる構造だから、その内側に入り込んだ時点で袋の鼠だし、戦力で勝る大部隊の連邦軍は、狭い空間に閉じ込められては部隊の展開が制限され、有効な運用ができない。また、『敵基地内に侵入した』という精神的優位性も、直後に挟み撃ちを食らえば大きな挫折感となって士気も低下するだろう。
待ち構える反乱軍達は、開放感からか
『奴らのちっぽけな肝っ玉を縮み上がらせてやれ』等と士気旺盛。
ここでしかし『24(にーよん)部隊』が初登場。
ブリンクは糸の様に細い目とヒゲ。隊長なので比較的セリフは多いが、職人気質の無口な雰囲気。
テニスン軍曹はカイゼル髭の赤ら顔。団扇代わりにキャノピーをパタパタ開閉させるひょうきん者でもある。
ラッドは顔に傷を持つ大柄な黒人。
バレルは金髪の若者。
凄腕パイロットを集結したエリート部隊って設定なんだけど、各部隊から選りすぐった選抜チームでコンビネーション攻撃が得意ってのは凄いな。チームワークも良さそうだし、各隊員同士も仲良さそうな雰囲気。
新たに着任した行政官は好戦的な人物で、ザルツェフ共々、決戦の舞台となるスタンレー高原近くの高台に眼を着ける。連邦軍側は誘導ロケットランチャーを急遽設置。一歩遅れた解放軍側は山岳戦のエキスパートであるレンジャー部隊を編成し、高台の奪回を狙う。
レンジャー部隊の隊長も目の細いヒゲで、こっちはホントに無口。道中ベラベラ喋る部下に『黙ってろ』ってセリフがシブい。
レンジャー隊員の１人が『女なんて足手まといだ』とキャナリーをからかう。ジョルジュが反論するも、こちらはチコが『もう黙んな』と諭す。やはり男は無口であるべきなのかな。
で高台への攻撃でレンジャー部隊が先行するも、待ち受ける連邦軍の迎撃に遭って苦戦。キャナリーをからかった隊員が銃で狙われ絶体絶命… って時にキャナリーが援護射撃。
『今のはアンタに貸しとくよ』と叫ぶキャナリーの啖呵に対し、ニヤリと笑って
『やるじゃね〜か。借りとくぜ』のセリフは痺れるぜ。
その後、手榴弾が上から投げ込まれ、隊長が拾って投げ返そうとするも一瞬遅く爆発。隊長の安否は描写されないが、多分木っ端微塵。隣にいたからかった隊員も瀕死の重傷。
『後は頼んだぜベイビー』と言い残して息を引き取る。
ここはなかなか心に響くシーンだった。『ベイビー』ってのは彼がキャナリーをからかって呼んだ言葉であり、それが最後の言葉となってしまった。
また、戦闘中に飛び出したキャナリーは連邦軍兵士と白兵戦となるが、ナイフを振りかざした相手が『女…？』と一瞬躊躇したお陰で命拾いしている。自分では男に引けは取らないつもりで戦って来たものの、やはり自分は女で、様々な部分で優遇されたり、大目に見て貰ってたりしたんだなと痛感したのかもしれない。
ここで高台防衛に配備されていた24部隊と再び一戦交えるクリン。
『またあったな坊や』
『震え上がらせてやれ』
の上から目線のセリフから一斉攻撃。４機のラウンドフェイサーがピッタリ重なってのシンクロ攻撃は、絵的になかなか面白い。ダグラムパイロットがどうして『坊や』と知ってるのかは謎だが、ダグラムのリニアカノンを余裕でかわし
『そんなデケェのに捕まるほど俺たちは鈍くねーぜ』はシビれる。
でも24って、大分前にザルツェフがラウンドフェイサーを徹底的に軽量化し、猛訓練の末に完成したシンクロ攻撃と丸々被ってるよな。
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