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2020年03月22日13:11

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【アニメ】ダグラム《拾》

カーディナルに呼び出されたレークは、ラコックと一緒にパルミナに戻れとドナンに命じられる。それは、話し合いによるゲリラ達との和解を目指した政策を推し進めていたレークに対する、事実上のクビ宣告。『君には他にやってもらう仕事がある』というドナンのフォローにも、ショックを隠し切れない。

パルミナで3州の代表とテーブルに着くと、早速話し合いをリードするラコック。彼は3州の既得権益を保障する代わりに、形だけ軍を介入させる事を認めさせてしまう。そして『形だけ』という名目の下、過激なゲリラ狩りを行う。
フォンシュタインもレークも、如何にも融通の利かない『叩き上げの軍人』が、ラコックの謀略に翻弄されまくり。
軍属目線だとラコックが『小賢しい』く見えるし、ラコック目線だと軍人共の小回りの利かなさが『イライラ』感じる。
ラコックはデロイア人に対して情けをかけ過ぎると主張するが、それは人間として当たり前のことだと反論するレーク。2人の主張は平行線。これは解らなくもない。やはり文化や歴史、民族が違うと考え方や常識が全然変わってくるものだ。

ゲリラ側にはザルツェフが作戦参謀として着任し、ロリー鉱山でダグラムを暴れさせる陽動作戦を立案。これでアンディ鉱山にゲリラはいないという名目を作って対抗する。
狐と狸の化かし合いだ。
鉱山での戦闘で、ラウンド・フェイサーに射出座席が備わってるシーンがあって興味深い。

ラルターフがサマリンを訪れ『カミューザの120年モノ』なるワインを持参。デスタンと出くわした報告からリタの死の話となる。
『戻って来ない者をいつまでも待つよりも、早く事実を知った方がいい』と知らされたジョルジュはヤケになる。
生前のリタの姿が回想シーンとなって悲しい演出。
『疑ってすまなかった。今お前のところに行くけんな』とバイクで突っ込むジョルジュも男だなぁ。
が、死に切れなかったジョルジュはチコに八つ当たり。殴られたチコは頬をさすり
『冗談のパンチじゃね〜な』と口をあんぐり。
本気のパンチ喰らっといて、それで済ましちゃうチコはホント心が広い。
ラコックが勝手に閉鎖してしまった野戦病院からデイジー達は脱出し、クリンと束の間の再会を果たす。
話がドラマチックに絡んでるよな。それでいてわざとらしさやムリが無い。

3州が態度を変えた結果、ドナンは直接交渉すべく地球に帰る。
各州の代表が集まった会議で、ドナンは
『国家と国家の戦いを経て地球連邦政府を作り上げた。デロイアの独立は先人の成果に逆行し、国と国の戦いを再現させる。各州はそれぞれの権益を追求してデロイアの独立を支持する様な事をしてはならない』と演説。
いやぁ〜全くその通りだな。まぁそれも別の見方をすれば違ってくるのかもしれんけど。
デロイア代表であるフォン大佐は会議の前に、ドナンから釘を刺されていたにも関わらず、別の州の代表であるRシルバとデロイア独立への密約を交わす。しかしドナンの演説によって会議の流れは独立拒否に染まり、反撃の機会を失する。
フォン大佐ドナンを『1枚も2枚も上手。反抗するより恭順した方が利口』と、またもや考えを変える。この人、本作品中で一番優柔不断だな。

カシム家は久し振りに一家揃っての食事となるが、ラビンやロイルはクリンに対して文句ブーブー。2人共社会的な地位が高い故、『弟が反政府ゲリラ』では立場が無い。
しかしドナンの
『クリンはどうあれ、お前達がしっかりしていればそれでいい』は正論だ。が、
『母さんは血が繋がってるからクリンの気持ちが解るんでしょう』と捨て台詞。あの偉大な親父に真っ向から言い返すラビンってなかなか骨があるよな。久し振りに帰って来たのに途中で席を立っちゃうし。

『私の血が流れているのがいけないんです』と責任を感じる妻フィナ。彼女は後妻でクリンの産みの親だが、長男ラビン、長女サラ、次男ロイルは先妻の子供という、これまた設定が凝っている。フィナは子供達を分け隔てなく育てて来たつもりだが、ラビンとロイルは協調性の無いクリンを疎ましく思っており、今回その不満が爆発した形。その事で心を痛めるフィナに対し、
『クリンは兄弟の中で私の血を一番引いてるのかもしれない。道は違うが、あいつはあいつなりに自分の道に賭けている。他人の目ばかり気にするラビンやロイルとは違う。あいつはワシの血を引いているんだ』とフォローするドナン。納得させる正論を的確に言える能力と、何よりも相手を気遣う優しさ。あらゆる面で傑出した人物。これぞ大物。

地球で学生時代からの親友である医者に頼み込んで、自分の余命を問いただすドナン。
『残された時間によって取るべき道も変わってくる。地球の未来の為に自分ができる事を完遂したい』との強い言葉から真実を告げる。ドナンの余命は何と半年という衝撃の告白。
いやぁ〜ここはショッキングだったなぁ。

そして、その事実はやはり妻に告げなければならないんだけれど、ここはもう名シーン中の名シーンだ。
『あまり無理をすると半年も保たんと言いおった。脅かされてる間はまだ大丈夫』
と、『半年』と言う具体的なワードをハッキリと言いつつも、最大限オブラートに包む。
その一言で彼の運命を知った妻フィナ。悲しさを表に出さず気丈に振る舞う。
デロイアに一緒について行きたいと言うフィナは、夫の面倒を最後まで見てやりたい。最後を看取ってやりたいと思ったのか。しかしドナンは、これ以上妻に悲しい思いをさせたくないと思ったのか、わざとらしい言い訳をつけてその申し出を断る。お互いがお互いにかける限りない愛情。思いやり。そしてドナンの、妻に対する感謝の言葉。
『短い間だったが世話になった。いや、今度の帰国の事だ』
涙を堪え切れないフィナは『ここでお見送りします』と立ち尽くす。愛する夫の広い背中を目に焼き付けたかったのか。そんな妻の様子に気付いたドナンの
『バカなヤツだな、お前にはそんな顔は似合わんぞ。さ、リナ笑顔を見せておくれ』
には、もはや今これ書いてても涙腺崩壊だ。アニメ観て泣いた事が無い訳じゃないけれど、まさかロボットアニメでこんなにも泣けるとは思わなかった。
わざと、少しおどけた様に、さも何でも無いかの様に口調のドナン。ここで『お前』って呼び方が響く。最後の最後まで『お前は綺麗なんだ』と声をかける。そして、もう二度と会えないだろうからこそ、愛する妻の笑顔を目に焼き付けたかったのだ。
いや〜この作品は40歳くらいを越えないと、その魅力の殆どが理解できないだろう。
合間に、葉巻に手をかけて躊躇するシーンもたまらない。愛するフィナの為、葉巻を我慢したんだろうなぁ。

太陽の牙のメンバーはロッキーをリーダーに、司令部直属の遊撃隊となる。『組織の歯車』ってセリフが乱発され、メンバーの中にも不安な空気が漂う。
イケイケドンドンの少年マンガ的だった今までから、突然会社員になった様な感じかな。それまでは自由気ままにやってたのが、『オマエ1人の服装の乱れで、会社全体が信用を失うぞ』みたいな責任感と言うかね。
それにしてもにジョルジュの不満が酷い。これ週1?毎日?ならまだしも、今の俺はレンタルで一気に観たりしてる訳だから尚更。『またかよ』って感じでもうウンザリ。
キャラ的に、その場の状況の辛さやメンバー達の不満を代表し、我々視聴者に伝える為に口や態度で表す役割だから、どうしてもそうなっちゃうのは仕方ないんだけどさ。でも元々最初は太陽の牙の面々が嫌がっていたのに無理矢理ついて来て、半ば強引に仲間に入って来た訳じゃない。なのにブーブーブーブー不満ばっかり言って、なら出て行きゃいいのにって話だよね。流石にここまで酷いと、彼のワガママを黙認しているメンバー達の人間性まで疑わざるを得ないレベル。

電波中継塔の破壊命令に従い攻撃するが、クラブガンナーが懐かしい。こういう2線級の基地に旧式の機体が配備されてるってのもリアリティがある。この時はジャンプから着地した時、砲塔上の2本のアンテナが揺れてる描写に注目だ。
結局手強いと思われてた基地は大した守備兵力も無く、簡単に壊滅させてしまう。ダグラムが現れた時点で勝ち目が無いのは解ってたはずなのに、なぜ投降しなかったのかと疑問が湧くが、敵の生き残りが『死守せよとの命令は絶対』と言い残して息絶え、改めて組織の中に組み込まれた非情さを痛感する。

次は別のゲリラグループである『デロイア解放隊』と共同作戦となるが、合流早々に
『デロイアのシンボルであるダグラムのパイロットが地球人ってのが気に入らない』とクレームが入り、チコやジョルジュ達と小競り合い。
解放隊のリーダー『クローニー』はプロレスラーみたいな体格の強面で
『アンタの価値はダグラムを操縦できるって事だけ』とクリンに意味深な言葉を投げ掛ける。何が言いたいのかイマイチ解らなかったが、良く思ってないであろう事だけは確かだ。
クリンもクリンで急に組織戦に目覚めたのか『メンバー内のわだかまりは大きな問題。それを取り除くのが組織戦に重要』とダグラムを降りてしまう。
ところが新パイロットのデービスがからっきしのヘタレで敵前逃亡。主力のダグラムの撤退によりゲリラ側は敗走。
怒り心頭の太陽の牙に対し、しかし『いや、お前はよく頑張った。次は上手くやれるさ』と、まるで我が子をベタ褒めの金持ちママみたいな雰囲気。半ば強引に主力兵器を奪っておいて、敵前逃亡して危機に陥れておきながら、それは無いでしょ。
結局デービスは戦闘が怖くて連邦軍を抜け出して来た男であり、最強のダグラムなら戦えると考えていた。が、やはり自分はヘタレで、自らダグラムから降りる決心をする。
『お前(デービス)の気持ちも考えず、勝手に話を進めた俺が悪かった』と謝るクローニーの真意がイマイチ解らない。

武器弾薬の輸送ルートに関する情報を掴んだゲリラ側は、太陽の牙に待ち伏せ攻撃を命じる。しかし目の前に飛び出した仲間を助ける為クリンが攻撃を仕掛けてしまい、ダグラムの存在を知った連邦軍の補給部隊はルートを変更。大量の武器弾薬は迂回して送り届けられてしまう。この情報を掴む為に払った犠牲も水の泡となった。
『大勢を助ける為には少数の犠牲はやむを得ない』とのドナンの言葉が頭をよぎる。
そうそう、そう言う事なんだよクリン君。
彼本人も今回の件でようやく解ったかな?と思って観てたら『僕は違うと思う。父さん』と叫んでガクッと来た。
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