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2020年03月17日10:20

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【記事】ボーイングの運命や如何に?

■ボーイング、737 MAXの生産一時停止 来年1月から
(Traicy - 12月17日 08:41)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=157&from=diary&id=5904769



俺は大きい物が好きだ。これは子供の頃から一貫して変わらない。
父親が土建業の社長だったので、幼少期からダンプカーに乗っていた体験も大きく影響しているのだろう。
下界を蠢く小さな乗用車達を、遥か上から見下ろす優越感。
巨大な鉄の塊を自在に操る父の隣に座っていると、自分自身も圧倒的なパワーを手にしている錯覚に襲われた。

程なく俺はミリタリーに興味を持つのだが、大きい物好きは変わらなかった。鋭角で如何にも素早そうな戦闘機等には目もくれず、大型の爆撃機や巨大な戦艦や空母に興味を持ったのだ。
当時(今も多分そうだけど)俺が一番好きな爆撃機がB-17とB-29だ。前者はヨーロッパ戦線でドイツを瓦礫の山にし、後者は言うまでもなく日本全土を灰にして、広島と長崎に原爆を落とした悪名高き機体である。犠牲にならた方々を思うと心が痛むが、それは使う人間に責任がある訳で、兵器自体に罪はあるまい。
ま、そういった話は置いといて…

B-17は、まだ複葉機が飛んでいた時代、排気タービンを備えたエンジンを4発装備し、自動防漏タンクと13丁にも及ぶ防御機銃を持っていた。その重防御から来るニックネーム『空の要塞』はあまりに有名で、この機体を端的に表している。
また、余裕のある飛行性能はパイロット達にも大好評で、『空飛ぶキャデラック』とも呼ばれていた。
あまりに豪華で高額だった為、完成当初はさすがのアメリカも採用には二の足を踏んだが、第二次世界大戦の勃発が追い風となった。『親戚』イギリスを助けるべくヨーロッパに大量投入され、大規模な戦略爆撃を展開した。精鋭揃いのドイツ空軍でさえも、重防御を誇るB-17の侵攻は抑え切れず、ドイツ本土は徹底的に破壊された。
B-17の大編隊による戦略爆撃がドイツを敗戦に導き、第二次世界大戦を終結させたと言っても過言ではあるまい。

B-29は更なる高性能を目指した機体で、エンジンこそレシプロだが機体構造やコンセプトは全く別次元のモノであると言っていい。
成層圏での飛行を見越してキャビンは与圧され、銃塔は遠隔操作方式となった。
4発あるエンジンそれぞれに2個ずつ排気タービンが装備され、成層圏では日本の戦闘機を寄せ付けない飛行性能を見せつけた。
焼夷弾による絨毯爆撃で日本全土を焦土と化し、2発の原子爆弾を投下した事は、我々日本人なら当然知らぬ者はいないだろう。
レシプロエンジンの爆撃機としては究極の性能を誇り、それに相応しく、極めて優美な外見であった。

戦後ジェットエンジンが実用化すると、戦闘機に続いて爆撃機もジェット化の道を辿る。その決定版と言えるのがB-52である。
1952年に初飛行して以来幾度となくアップグレードを繰り返し、なんと2050年までの運用が既に決まっている。実に1世紀もの間最前線で飛び続ける事になり、祖父、父親、自分と、親子三世代でB-52のパイロット、なんて家族がいる程だ。
これだけ寿命の長い軍用機は他に例が無く、それは大きな戦争が無くなり、急激な性能向上競争が無かった事が大きい。また、後継機だったB-1やB-2は高性能ではあったが、もはやその性能を発揮する敵国が存在しなくなってしまった事も原因だ。
しかし、当然ながらB-52の基本設計の優秀さや運用コンセプトに先見性があった事は間違いないだろう。

もう1つオマケでB-747。爆撃機ではない。そうそう、あの『ジャンボジェット』。A-380が飛ぶまで長らく『世界最大の旅客機』として、世界中を飛んでいたあまりに有名な機体。ジャンボの存在が大量輸送を実現させ、我々庶民でも世界を旅できる時代の扉を開いた。俺が世界中を旅できたのも、ジャンボの助けがあったからだ。
当初は輸送機(軍用機)として開発されたが、ライバルに負けて採用されず。しかし苦肉の策で旅客機に転用されて大成功したのだから、どこでどう転ぶか判らないものだ。

さて、B-17、B-29、B-52、B-747の4機種に共通するモノがあるのだが、それは開発、製造した会社が同じ

『 ボ ー イ ン グ 』

という事である。

ボーイングはアメリカを代表する、いや、世界を代表すると言っても過言ではない航空機メーカーだ。
始まりは、自社で開発した水上機で郵便物を運ぶ事業を展開。『世界初の国際航空郵便』だった。
戦争で会社は一気に活性化。しのぎを削ったライバル会社を吸収合併したりして、今や民間航空機製造会社としてはヨーロッパのエアバス社と世界シェアを二分している。
常に時代をリードする先見性と豊かな発想。
前人未到の技術的領域に飛び込むチャレンジ精神。
確実な設計と堅牢な構造。

そのボーイングが倒産の危機に陥ってるんだそうだ。新型の旅客機が相次いで墜落事故を起こして運行停止となり、受注して生産に取り掛かってる400機もの機体も果たして契約通り引き渡されるのか、雲行きが怪しくなってきたのである。
大型機の名門中の名門であるボーイングがもし消滅なんて事になったら、重爆ファンの俺はガックリだな。もっとも、アメリカの基幹産業の1つだから簡単には倒産させないだろう。政府からのテコ入れで再生させる可能性は高いと思う。でも楽観はできない。そこまでしてボーイングを存続させる価値があるか否かが焦点だ。
まず、重爆は戦艦と同じく消え去る運命なのかもしれないって事。B-52の所で書いたけど、70年も前の爆撃機が今だに現役って事は、言葉を変えれば『高性能な新型は必ずしも必要ではない』って事でもある。爆弾の破壊力が小さく、その命中精度も低かった時代では、沢山の爆弾を積んだ大型の爆撃機で大編隊を組み、数多くバラ撒かなければ効果が出なかったけれど、現代は爆弾の破壊力も命中精度も格段に向上し、軍事目標のみピンポイントで破壊する事が可能だ。逆に、周囲の民間施設を巻き添えにしたら世論も黙ってない。
旅客機の部門でも、今のところエアバスのA-380は好調な様だが、大型旅客機による大量輸送の時代がこの先どうなるかは不透明だ。例えば一昔前の日本なら『みんなでハワイに行こう』みたいな空気があったから、ジャンボジェットで一度に運ぶ需要があった。ところが個人の趣向が細分化、オタク化しつつある現代、そうした需要は減少。ジャンボが退役した理由の1つであろう。中〜小型の機体で様々な都市に直接行くスタイルに、旅行の形態も変化するのではあるまいか。
一方で、経済成長著しい中国やインド、東南アジア等の需要は急上昇しているので、その辺は大量輸送の需要があるとは思う。問題は、その天秤がどちらに傾くかだ。
そんなギャンブルに挑んでまでボーイングを再生させるのか、もちろんド素人の俺に判るはずはない。
あの『パンナム』だって倒産しちゃったんだしね。それと大きな事件や事故が元で会社が傾くってのは珍しくない。9.11テロでユナイテッド航空機がハイジャックされたけど、その後同社は経営破綻してるし。
今回のボーイングは新型737型機の墜落事故に加え、コロナウイルスの世界的大流行により全地球規模での旅行自粛ムード。これもいつまで続くか判らない。
さてどうなるか。見守りたい。


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