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2020年03月03日14:46

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【アニメ】ダグラム《八》

行く手を地雷原に阻まれた一行。チコが地表スレスレでビッグEガンを水平射撃し、弾道の衝撃波で地雷の信管を作動させようと試みる。
その弾道に沿ってバイクで地雷原を突破し、連邦軍の地雷敷設部隊を捕捉。探知機を奪って地雷を処理し、無事突破する。

お次は切り立った断崖に掛かる吊り橋を巡る攻防。橋には爆薬がセットしてあり、向こう側には連邦軍部隊が待ち構えている。
どうしようか考えてる最中、実は10km程上流にも橋がある事が判り、ジョルジュとハックルの2人が斥候に向かう。
ここの話もなかなか面白い。連邦軍側は上流の橋の防備は断念し、ここに戦力を集中する作戦を立てる。ゲリラ側のダグラムに対し、戦力を分散させると各個撃破される可能性が高いからだ。大胆で思い切りの良い作戦だ。
ジョルジュとハックルを斥候に向かわせた時、心配したロッキーが『俺とチコで行って来ます』と具申するも、サマリン博士が返した蘊蓄が素晴らしい。
『あの2人は性格や考え方がまるで違う。1人の見方でまとまるより、それぞれが違った
見方をしてくれた方が状況を判断する良い材料になる』
果たして、上流の橋には人の気配がせず、誰もいないと楽観したジョルジュが橋を渡ろうとするが、途端に銃撃に遭って逃げて来る。ビビったジョルジュは『大軍が待ち構えていた。敵の罠だ』的な報告をするが、冷静なハックルは『今のが全兵力だったんじゃないのか?』つまり、配備されてる兵力は少なく、それを多く見せる為派手に撃ちまくったハッタリじゃないのか?的なニュアンスの報告をする。充分な兵力があれば銃撃で追い払うのではなく、捕獲を試みるはずだろうと。
両者の言葉を聞いたサマリンは多角的な判断により、取り敢えず上流の橋の方が敵兵力が少ない可能性があると見て、そちらに向かうってな話。

そこでの攻防で『待つのも戦術』ってサマリンの言葉があったのも聞き逃せない。
『戦略』と『戦術』って言葉があるが、よく解らないで使ってるケースがよくある。響きが良いからか、大抵『戦略』って単語の方が乱発されてる節があるが、この場合『戦術』が正しい。このアニメの脚本家は本当に軍事に精通している人だ。

サマリンのアイディアにより、一行は『アンディ鉱山』へと逃げ込む。ここは地球の3州が資本提供しており、利権が複雑に絡み合ってる空白地帯。ここに入り込めば連邦軍もおいそれとは手出しできない安全地帯である。しかも3州の方としてはデロイアの独立を願っていると聞いて、驚きを新たにするメンバー達。デロイアが独立したら、他の地球資本が参入する前に、3州は自分達に有利な条件で取引を独占できる可能性があるからだ。
それまで『地球対デロイア』、『地球は敵』と信じ込んで戦っていただけに、皆は複雑な表情を浮かべる。
いやぁ〜、これが資本主義って言うのかね。民族の誇りとか、自立とか独立、主義、主張… そんな事はどうでもよくて、
『どちらが儲かるか?』或いは
『どちらの側についた方が得か?』で動く。
3州の代表と会談するサマリンを見て、
『笑顔を浮かべながら腹の探り合いをしてる』と驚くやら呆れるロッキー。当時の主な視聴者層である小中学生なんかが観たら、まさに同様の感想を抱いたであろう。俺がリアルタイムで観ていたら、一体何を感じただろうか。
う〜んダグラム。予想以上に面白いな。

レイク義兄さんに就く副官ハンズ・ドリップとロイ・ゲイダの両大尉もなかなか良いキャラだ。ゲリラ達に甘過ぎると周りからバカにされ、前線の兵士達からも『何も解ってない』と相手にされない新任行政官に対し、最初こそ戸惑いを隠せなかった2人だが、しかし同時に、ボイドの的確な指揮ぶりには一目置いていた。そしてゲリラ達との和解を目指し愚直に邁進する姿を見るうち、次第に見る目が変わっていく。
『サマリンと直接会って話してみる』と言い出したボイドに対し、流石に
『失礼ですがサマリンを買い被り過ぎてる』と進言するも、ボイドは
『そうかもしれん。しかしそうでないかもしれん』と譲らない。その信念に心を動かされた2人は
『私も一緒に行きます』と行動を共にする。
いやぁー漢だな。シビれるよ。
サマリンと会ったボイドは短い立ち話をするが、結局話は物別れに終わる。
『貴方の様な人がもっと大勢いたら、こんな悲しい戦いは起きなかっただろうと思ってる』と言ったサマリンに対し
『私は最後まで戦いを避ける努力を続ける』と返すボイド。ここも名シーンだ。
そして別れ際、クリンには父親ドナンからの言葉を伝える。
『自分の道を進め。後悔するな』と。
これ、ボイドがパルミナに赴任する前『クリン君に何か伝言は?』と訊いた時、ドナンは
『そうだな「もう一度ゆっくり話し合ってみたかった」とだけ伝えてくれ』と言ってるんだよな。『曲解』って言うより、完全に違う言葉になってるんだけど、この辺のボイドの思惑ってのが気になる。後々の布石になるのだろうか。
クリンとボイドと言えば、短い回想シーンがある。カシム家の長女サラと結婚するにあたり挨拶に来たボイドに対し、ロイルは出身大学の格の話をする。困惑するボイドに対しクリンは
『(レイク義兄さんの出身大学の方が)野生的で良いよ。ラグビー部の主将だったんでしょ?僕にラグビーを教えて下さい』と屈託無く話に割り込む。
『今大事な話をしてるんだぞ』と注意するラビンの言葉など意に介さず
『もう結婚の挨拶は終わったでしょ?さぁ早くレイク義兄さん』と外へ連れ出そうとする。
呆気に取られる一堂を見回したドイルは
『ご覧の通り我が家は無作法揃いだが、一つ宜しく頼むよ』と高らかに笑う。
ここも素晴らしいな。
上から目線のラビン。狡猾なロイル。天真爛漫なクリン。そして全てを呑み込む様な器量を見せるドイル。そして生真面目なレイク。
カシム家の4人と、今からカシム家の一員になるレイクを加えた5人の男達の性格が端的に表現されている。

Xネブラ対応型のブロックヘッドが実戦配備される。カーキ色で『如何にもミリタリー』な雰囲気。
『2ヶ月間寝食を共にして訓練に励んできた仲間』ってセリフから、しっかりと新型兵器に対する慣熟訓練も行なって来てからの実戦配備である事が伺える。
アンディ鉱山でダグラムとの戦闘になるが、ここはちょっといただけないシーンがあった。坑道跡に腰までハマってピンチに陥るダグラム。頭上の崖の上を見回るブロックヘッド。身動きできない今、発見されたら頭上から狙い撃ちだ。額に汗が浮かぶ緊迫の場面。
ところが、リニアカノンで1機を撃破したダグラムは、直後に大ジャ〜ンプexclamation ×2 一気に地上に躍り出る。その勢いそのままに残る2機も撃破。
あらら… さっきのピンチのシーンって一体何だったの?なら最初からジャンプして脱出したら良かったジャン。

その後、残った1機のブロックヘッドのパイロット2人は、撤退命令を無視して戦闘を続ける。
因みに2人の名前は『ハンク』と『アーロン』。俺達世代では有名な野球選手。王貞治が756本目のホームランを打って『ハンク・アーロンの持つ世界記録を塗り替えた』からね。
戦死した仲間『ヒース』・『エバンス』はフットボール選手。興味の無い俺でも耳にした記憶はあるので、やはり有名な選手だろう。
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