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2020年02月25日05:57

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【アニメ】ダグラム《七》

今までとは違う大陸である『パルミナ』に渡った太陽の牙の面々。モデルは南米の様で、タンゴみたいの踊ったりして喜んでる描写がある。
パルミナは農業がメインで人口は3億人。その80%が農民だが、土地を持ってるのは僅か1割。殆どが小作農で、地球の資本家達に搾取されて恨みも強く、独立の気運も高い。
太陽の牙のメンバーは、『ノキオさん』をリーダーとする現地のゲリラ組織と合流する。
ちなみにノキオさん、眉毛が繋がってるんだよな。やはりラテンの血か。
『ゲートを突破できない』と苦戦する彼等に加勢したものの、蓋を開けてみたら『要塞』並の厳重警戒にぶったまげる。『先に言ってくれよ』状態。
『流石にこれは』と気持ちが揺らぐところだが、新キャラ『リタ』に頼まれると、急に死を覚悟するくらいの固い決意が芽生えるのは少し唐突過ぎるな。あの強固な要塞を、マシンガンだけで突破しようなんて狂気の沙汰にしか思えないのだが、ダグラムの活躍もあって何とかなる。

目の上のタンコブを撃破したゲリラ達は一気呵成に盛り上がり、その数は時間と共に膨れ上がる。が、タイトルの『血気はやる進軍』となり、そのまますんなり行かないのが面白いところ。
ゲリラ達のアジトの作戦会議と、パルミナ行政官となったボイドの作戦会議と重ね合わせた演出がまたヨロシイ。『誰も俺達を止められない』とばかりに燃え上がるゲリラ達とは対照的に、行政府では冷静な戦争のプロ達が、周到にゲリラ殲滅作戦を練っていた。
経験や装備、資金、人材など、圧倒的な戦力の正規軍に対し、ゲリラ達は人数と勢いだけでその気になってはいるが、所詮は素人の集まりであり、この集団を指揮するだけの経験を積んだプロもいないし、明確な指揮系統も確立していない、いわば烏合の衆。サマリン博士はその点を指摘して決起の延期を提案するが、
『ここまで来て今更止められない』
『今日の為に頑張ってきた』
『ここで止めたら死んでいった仲間達に会わす顔が無い』
等と口走り、ノキオさん達は耳を貸さない。
これは、日本が太平洋戦争へ突入した経緯を彷彿とさせるエピソードだ。当時の日本は膨大な犠牲者を出しながら中国大陸に進出したが、アメリカ等の西欧列強から撤退を求められた。その時に同じ様な心境だった訳。
撤退するんだったら、
じゃ〜アイツは一体何の為に死んだのか?
そもそも何の為に大陸に侵攻したんだ?
となり、退くに退けない状況に陥った。結局国内世論を優先し、諸外国には『何とか納得してもらおう』と、自分でも無理なのが判っていながら『誰かが上手くやるだろう』、『どうにかなるんじゃないか?』との希望的観測のみで、臭いものに蓋をするかの様に、問題を先送りしてしまったのだ。そして行き着いた先には『日米開戦』の選択肢しか残されていなかった訳だ。
俺がサマリン博士なら
『無謀な戦いで君が犬死にする為に、君の戦友は命を落としたのではない』と言いたいな。
結局は、決起にはやるゲリラ達を鎮めるには至らず、彼等に加勢する形で全面的攻撃に踏み出してしまう。

この時の戦いでも両軍の指揮官の駆け引きが見応えある。
『部隊の規模が大きくなり過ぎ、もはや「ゲリラ戦」ではない。参謀が必要だ』と説いてドガ市攻撃の中止を呼び掛けたゲリラ側サマリン博士の先見の明。
一方で連邦側のボイド少佐も鋭い。ドガ市と、駐屯する主力部隊の間にダグラムを配備して連絡を遮断するであろうゲリラ側の作戦を読み、虎の子のCBアーマー、ブロックヘッド5機をヘリで移送するのだ。
近距離はトレーラーを使うのがセオリーで、それを見越してのダグラムだったのだが、見事その裏をかき、クリン達の頭上をヘリで空輸されるブロックヘッドが悠然と飛び去って行く。
空振りとなったクリンは慌ててドガ市へ急行するも、5機のCBアーマーによる圧倒的な火力によりゲリラ達は壊滅。リーダーのノキオさんも戦死して大敗を喫する。

一方ドナン達は、デロイア星の周辺に植民や資源採掘の可能な惑星が複数ある事を指摘。
一部からの『デロイアを私物化している』なる批判に対し、
『そんなちっぽけな事に限られた人生を賭けてるのではない』と憤慨する。
以前にもドナンが言った言葉だが、それらの星の開発は地球からよりも、当然ながらデロイア星からの方が容易であり、それらが開発された暁には『デロイア勢力圏』が形成され、もしも地球との国交を断絶されたら、食料や資源の自給率が著しく低下した地球は存続できなくなる。その為にもデロイアの独立は防がねばならない。って考え。
まぁこれは充分に有り得る話だろうね。デロイアは地球の為に食料も資源も増産してるだろうから、地球が無くなれば大きな余裕が生まれ、豊かな暮らしが望める。それでいながら地球は資本を握っているので態度だけはデカく腹が立つ、ってのがデロイア人達の本音だからだ。

この回からラコックが更に動き出す。ドナンに仕える執事みたいな男をスパイとして使い、
『政治的手腕は優れるが、人徳が無い』とのドナンの本音を知ると
『これだけ尽くしているのに単なる秘書扱いされるなら、俺は俺の道を行く』と本性を露わにして行く。
それにしても、自分と同じ空間で働く男をスパイとして使うってのは凄い発想だ。さすが抜け目無い男ラコック。おデコが広いだけの事はある。

地球から武器を買うサマリン博士を疑念の目で見るクリン。
『道具さえ手に入りゃ何でもいい』と気にしないチコ。
新品の武器を、まるで新しいオモチャを与えられた子供の様に喜ぶビリー。
納得行かないけど背に腹はかえられない考えのキャナリー。
各自反応も様々だが、クリンは猛烈な違和感を覚える。この人は徹頭徹尾、理想主義者であり潔癖症なんだな。人としてどうかは人それぞれだが、アニメのキャラとしてはブレてない。そもそも地球のデロイアに対する不公平な扱いに反発してゲリラの仲間となった訳だしな。
サマリンはそんなクリンに『物事を単純に考えてはいけない』と諭す。これは中学生の時にリアルタイムで観たかったな。
ダメ押し的に『サマリンさんが地球から武器を買っていた事は昔から知っていたよ』と意に介さない態度のラルターフと話すに至って、単純で稚拙な正義感を振り回して戦ってる子供だったと悟る。

飛行機でパルミナを訪れたラルターフとデイジーは、空港で早速テロに遭う。空港で勧められた夜戦病院を訪れ、デイジーはそのまま看護婦としてボランティア。そこで偶然クリンと再会する。
いや〜ベタだけど良いねこの流れは。
それまでは、
『何となく気になっていた』程度だったデイジーも、
周囲には目もくれず自分の道を突っ走っていたクリンも、
お互いハッキリと相手を愛している事を自覚する。まさに戦場に咲く恋の花って感じか。
ぎこちない2人の間を取り持つリタがまた良い味を出すんだよなぁ。この声優さん、ボトムズのココナだな。

ボイド行政官が、地球からデロイアに武器が横流しされてる事を知り
『人が火を消そうと水をかけてるのに、油を注ぐ連中がいる』と憤慨。
パルミナの農民と、地主である資本家達の代表を集めるも会議は決裂。そこにサマリン達ゲリラが大量に武器を手に入れたとの報告が入ると
『人が話し合いのテーブルを作っていると言うのに…』
と、どうにも裏目に出るボイド行政官であった。

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