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2020年01月24日07:34

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【アニメ】ダグラム《参》

再び父の元を訪れたクリンは、彼を心配してデロイアまでやって来たデイジーと再会するも、飛び出して行ってしまう。デイジーは、自分がクリンを愛してる事を自覚し、クリンは独立派として戦う覚悟を決めた瞬間だった。
前回も書いたけど、相変わらずセキュリティーが甘々。ドナンの執務室や軍事基地へ、部外者であるクリンの侵入を簡単に許してしまう。まぁこれは仕方がない面もあるね。実の父子の対立やら葛藤が1つの重大なテーマだから、それを描くのに直接対面しなきゃ絵にならない。その為にも2人を頻繁に会わせる必要が出て来るからねぇ。
クリンが走り去る時にバイクでジャンプしてバリケードを飛び越えて行くんだけど、車両のバンパーにタイヤを乗り上げてジャンプ。乗り上げられた車両は一瞬車体が沈み込む丁寧な作画。これは映画なんかでよくある描写を疑問視してたとか、それに関して自分なりの解釈をしていたスタッフのアイディアなんだろうな。

1つの星で一緒に暮らしていた連中が敵味方に分かれて戦う事になってるのだから、
『敵が自分の知り合いだとしても、引き金を引けるのか?』てな話になる。ロッキーは既に知ってる人を何人か、この手で殺しちまったと告白する。
一方連邦側でも、ダーク曹長がラルターフに同じ事を訊かれる。
それにしてもこの時のコーヒーの件には笑った。
ラルターフの姿を見たダーク曹長。
『ブン屋がまた何か嗅ぎつけて来たな』と少々迷惑顔。『まぁ1杯どうだ?』とコーヒーを渡し『アンタはクリンを撃てるのか?』と尋ねるラルターフ。
『それが俺の任務だ』と複雑な表情を浮かべる所までは良い雰囲気だったのに、渋い顔でコーヒーを一口すすると
『苦いな。ブラックか』としかめっ面。
ここは思わずテレビの前でズッコケた。今の自分の心境をコーヒーの苦さに重ねた描写なんだろうけど、いい歳した大人が言う台詞じゃ〜ないよな。

結局ダーク曹長のソルティック部隊と交戦し、クリンは何度も躊躇しつつも、最後はダーク曹長を撃ってしまう。
整備兵達のナワバリに踏み込むなとアドバイスをくれた先輩であり、ハングライダーでカーディナルの夜空を飛んだ戦友。彼を撃ち殺してしまったのだ。大破した機体からは、彼が肌身離さず持ち歩いていた家族の写真が舞って地面に落ちた。それを踏み付けてダグラムは進む。
戦場のやるせなさを浮き彫りにした回だ。
この回でのダグラムとソルティックの一騎打は両者が互いに相手に飛びかかる空中戦の様相を呈していたが、今回に限らずCBアーマーの運動性能は非常に高く描かれている。鈍重そうな四つ脚のクラブ・ガンナーでさえ屈んだり、ピョンとジャンプしてリニアガンを避ける程である。
CBアーマーには『空は飛べない』ってコンセプトがある様だ。それはガンダム以上の兵器っぽさを表現する為、より『陸戦兵器』らしさを表したかったのだろう。でもそれじゃアクションがしょぼくなりそうと危惧したのか、その分ジャンプはできるって設定したものと思われる。しかしそれによってピョンピョン飛び跳ねる描写が多用され、『重々しい陸戦兵器』ってイメージからは逆に遠去かる結果となっているのはいささか皮肉だ。『マンガ』から『リアル』への過渡期におけるスタッフの模索が見て取れる。

ガルシア大佐率いる傭兵部隊が登場したのだが、これがテキーラ・ガンナーなる武装強化型。両サイドに張り出しがあって、その下と胴体下面に合計4基のミサイルポッドを装備する重武装。
それにしても、クラブ・ガンナーのデザインは微妙だ。この少し前にスターウォーズEp5『帝国の逆襲』で、『甲羅型全天候装甲歩行機』といういかちい和訳名のAT-ATスノーウォーカーなる4本脚の機械が登場しているのだ。牛の様な外観のAT-ATに比べ、クラブ・ガンナーは戦車に4本の脚を付けた様な形なのでデザイン的には結構違うのだが、コンセプトは丸々パクリとしか思えない。
デザイン自体にも色々問題がある。胴体と砲塔の間に謎の構造物が挟まっているのだが、上面には丸いハッチがあり、サイズ的にも人間用と思えるのだが、その謎の構造物には人間が入れるだけのスペースが無いのだ。
実際に描いてみた訳ではないので完全な憶測ではあるが、多分、戦車の様な平べったい車体と砲塔を、長い脚の上に載っけただけではデザイン的にアンバランスだったんじゃなかろうか。本体の方も少しカサ上げしてボリュームを増す為に、間に変な構造物を挟んだのではあるまいか?
デザインとしては好きだけどね。大河原邦雄のメカは外見的にはカッコ良い。ただトンチンカンなミリタリー話をもっともらしく語ったりしなければいいのになと思う。『兵器の事は詳しくはないけれど、カッコ良いデザインにしました』と素直に言ってればいいのに。
クラブ・ガンナーにしたってミサイルポッドの射線上にサーチライトが鎮座してるって有り得ないだろw これ、現場でアニメーターが気付いて、ミサイル発射の時はライトがリトラクタブル式に沈み込む描写にしたそうで、絵的にはカッコ良いけどね。しかしライトを取り付ける場所なんて他に幾らでもあるだろうに、わざわざミサイルの射線上なんて有り得ない。
兵器ってのはまず第1に火力。どんな相手と戦うのかによって、どんな火器を搭載するかが決まり、相手からの攻撃を防ぐ為の装甲と、それらを引っくるめて、移動する為の駆動系を考える。つまり、どんな火器を、何処にどれだけ装備するか?が、最も重要な要素と言って過言ではなく、それは当然射界をも含んでいる。そういう事を全く考慮せずにデザインしてるって事が、よぉ〜く解っちゃうんだよな。

ガルシア隊は最新鋭のデザート・ガンナーを補充して砂漠戦に臨む。
フォト

このCBアーマーも素晴らしくカッコ良い。6本脚でクモの様な不気味な形。重量が6つの足に分散する為接地圧が低く、砂漠等の不整地において高い運動性能を誇る。足部分が高速で回転し、砂の上を滑る様に移動する不思議な描写もあったが、どういう意図だろう。回転したら砂に埋まって行くだけだと思うんだけどな。多分あれだろうな。どうにかして『滑走』させたかったんだろうな。これはドムがあまりにもカッコ良過ぎたあまり、以降のサンライズ作品でも毎回の様に、どうにか『あのカッコ良さをまた再現したい』って野望が見え隠れしている。

成り行き上リーダーに収まったデスタンのヘタレっぷりが酷い。故障したジープを食事も摂らずに修理するチコに対して『いつまでかかってるんだ?早くやれ』と急かし、歩いて行軍してる皆を尻目に、ジープに乗って呑気に世間話。それでいて戦闘が始まるとアタフタして役に立たない。運搬してるダグラムを厄介物扱いしておきながら、合流した別のゲリラグループのリーダーとは調子良く話を合わせる。次第にロッキー達の心は離れて行き、結局7人はゲリラ本隊と離反。ダグラムを積んだトレーラーを中心に、砂漠の逃避行となる。
この辺が第1話に繋がるのね。
遂に食料や燃料が底を尽きるが、こうしたトラブルを様々なアイディアで切り抜けて行く辺り、脚本が素晴らしい。
曰く、CBアーマーを運用するには、後方に補給部隊の随伴が必須であり、その距離は10km以内と定められている。クリンは2つの無線機を使って嘘のやり取りをし、様々な周波数を試すうち、ガルシア隊に傍受させる事に成功。嘘の情報を流してCBアーマー隊を誘い出し、その後方に布陣した補給部隊を狙って食料燃料をくすねる。
無線機によるトリックが実際そう上手く行くかどうかは知らないが、要は視聴者を『それらしい気分』にさせてくれるかどうかだ。少なくとも『どうにか切り抜けた』では観てる側としても納得しかねるし、そもそも面白くない。
ここでの攻防によりハックルなる連邦軍の整備兵を捕まえて捕虜にし、逃避行を共にする。憎めないヤツなのだが、あまりに小賢しくて腹の立つキャラだが。
因みにダグラム(CBアーマー)は整備や補給が不充分だと稼働せず、ただの厄介なお荷物に成り下がってしまう事や、燃料棒、冷却材、安定剤が必要な事。更には、それらがワンパッケージにまとめられたタイプの存在や、給油ノズルが旧型で合わないとか、そうした細かな裏話が興味深い。

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