WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ
王者 井岡一翔(日)30歳
26戦24勝(16KO)２敗
身長164cm
リーチ167cm
挑戦者 同級１位ジェイビール・シントロン
(プエルトリコ)24歳
12戦11戦勝(５KO)無敗１無効試合
身長170cm
リーチ179cm
１Ｒ
シントロンはスタンスが広く低い重心。懐が深くてやり難そうな相手に対し、井岡は慎重に細かいボディから。
シントロンは後半にワンツー。
井岡９-10シントロン
２Ｒ
シントロンの速く長い左ストレートが再三ヒットする。アッパーも怖い。
井岡はボディで対抗。
井岡９-10シントロン
３Ｒ
井岡がプレッシャーを増して迫る。左ボディがクリーンヒット。大きな右もフォロー。後半にコンビで左のダブル。
井岡10-９シントロン
４Ｒ
井岡のボディでシントロンが失速。
井岡10-９シントロン
井岡38-38シントロン
５Ｒ
井岡トリッキーな動き。しつこいボディから大きな右クロス。
井岡10-９シントロン
６Ｒ
ネコの様にベタ足で相手に忍び寄り、１発を狙ってる様な井岡。
井岡10-９シントロン
７Ｒ
シントロンはこのままの戦い方では削られる一方と判断したか、徹底的なアウトボクシング。左のクロスカウンターやアッパーが脅威。
井岡９-10シントロン
８Ｒ
このラウンドもシントロンのアウトボクシングが優勢だったか。
井岡９-10シントロン
井岡76-76シントロン
９Ｒ
井岡が一方的にボディ滅多打ち。シントロンのパンチはスピードも遅くシャープさも消えてるが、依然としてリーチは長く威力も残ってる。
井岡10-９シントロン
10Ｒ
依然防戦的ではあるが、反撃する時は開き直った様に力強い連打を繰り出すシントロン。ワンツースリーフォーと、左右ストレートの４連打。
ただ全体的には井岡が圧倒。
井岡10-９シントロン
11Ｒ
シントロンの左アッパーから右フックがカウンターで当たりヒヤッとする。
井岡10-９シントロン
12Ｒ
最後の最後の打ち合いは危なかった。
井岡９-10シントロン
116-112が２人、115-113が１人。
俺の素人ジャッジは115-113。
ジャッジによってかなり評価が割れる試合だった。実際３人の公式ジャッジの採点が割れたラウンドは少なくない。が、大まかに言えば４ラウンドまではシントロン、５ラウンド以降は井岡という流れ。
11ラウンドと12ラウンドにシントロンのグローブのテーピングが剥がれるアクシデントがあり、その度に試合が中断された。
ボクシングの試合はかなり観て来たが、12ラウンド戦ってもテーピングが剥がれるなんてことは滅多に無く、99.9%意図的である事に間違いない。11ラウンドの時は『１回目』でもあるし、(意図的でも)許容範囲としても、12ラウンドで再び剥がれるってのは、わざとやってるとしか思えず擁護のしようも無い。試合中に剥がれたテーピング等は試合を一時中断してセコンドが直すのだが、それも非常にわざとらしく時間をかけていた。
劣勢な側がこうした小細工をするのはボクシングでは珍しい事ではない。だがもし仮にこの小さなアクシデントがきっかけとなって、井岡がカウンターか何かを食らって１発KO負けしたら？
『それもボクシング』
と言ってしまえば確かにその通りだが、しかし観てる人は納得しないだろう。十中八九勝利を手中に収めながら、卑怯な手でKO負け。
大晦日の忙しい中時間を作り、会場まで足を運び、大枚を叩いて、そんな試合を見せられて喜ぶ人はいないだろう。『あんなのがまかり通る競技なんて、もう二度と見ない』とボクシング自体に愛想を尽かす人も少なくないと思う。
レフェリーは２度目となる12ラウンドでテーピングが剥がれた時点で、注意や警告をするべきだった。そしてセコンドの時間稼ぎ的な作業は、意図的に試合を遅らせる遅延行為とみなして減点１とするべきだ。それが厳し過ぎると言うなら最低でも警告し、もう次はやらせないぞと釘を刺すべきだった。
ボクシングはパンチの交換によるダメージの応酬という競技の性格上、時間の経過による体力の回復具合は大きく影響する。こうした反則ギリギリの時間稼ぎ等は起きない(起こさせない)様努めるべきである。それと、ボクシングは結局エンターテインメントだ。観客の喜ぶモノを見せなければならない。観てる人がストレスを感じる展開はできるだけ避けるべきである。
何はともあれ、負けたらオシマイのボクシングにおいて『勝利』は大きな意味を持つ。『次』が保証されるからだ。自分の残りのボクシング人生が長くはない事を知ってる井岡は、ビッグネームとの対戦を希望してる様だ。ニエテスにリベンジとか、復帰したあのロマゴンとか。誰と戦うのか楽しみである。
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