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2019年10月02日20:07

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【麺】盛岡冷麺 ぴょんぴょん舎

関東に住んでるとあまり聞き馴染みが無いのだが、『盛岡三大麺』って言葉がある。『わんこそば』、『じゃじゃ麺』、そして『盛岡冷麺』の3つだ。
わんこそばを知らない日本人はいないと思うけど、他の2つはそこまで有名ではないかもしれない。実は俺も、盛岡三大麺って単語は聞いたことはあっても、多分1つはわんこそばであろうけど、他の2つが何かは知らなかった。
時々母から『盛岡冷麺は食べたことある?』とか、『盛岡行ったら冷麺でも食べて来たら?』みたいに言われたことはあったが、それがどんなモノかは知らなかった。俺が盛岡や八戸を頻繁に行き来してたのは中学生までだったから、当時の知識としてはそんな程度だったのだろう。
先の日記にも書いたが、盛岡という街を訪れるのは今回が初めてみたいなモノだから、ご当地グルメとして是非食べてみたいと考えていた。

世間の3連休が終わってK君は今日から仕事となり、俺は昼間は暇である。K君宅には電動自転車があったので、それを駆って盛岡の街を走った。目指すは盛岡冷麺の老舗『ぴょんぴょん舎』。
住宅街に位置する家から大通りに出る。ペダルを漕ぐにつれて高い建物は少なくなり、大型量販店やレンタルビデオ店などが増えてくる。街の中心からやや外れた辺りにぴょんぴょん舎はあった。ゆっくり走っても家から15分程。サイクリングとしては物足りないくらいの近さである。

街外れということもある為か、敷地は広く店舗も大きい。店内は吹き抜けの天井が高く、ちょっと高級な喫茶店の様で良い雰囲気である。
店の裏手は川なのだが、河原に生い茂る豊かな樹々と、その向こうに広がる青空。そして蒼く連なる山脈に、異郷に来たことを実感する。Tシャツで丁度良い気温ではあるが、関東とは明らかに異なる澱みの無い清んだ空気も、その想いを後押ししていた。
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席に通され、大盛りを注文。平日の昼前だがほぼ満席で、嫌が上にも期待は高まる。意外と長く待たされて、噂の『冷麺』が着丼した。
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さて、そのお味は…?
まず麺が強烈だ。『コシがある』なんてもんじゃない。かなり固い。
この料理は1954年、北朝鮮出身で在日の青木(楊)さんが、故郷の麺を思い出して作り出したのが始まりだそうだ。当初は『ゴムの様』として受け入れられなかったが、青木氏は料理に関しては素人ながら、記憶を頼りに試行錯誤を繰り返していくうち、いつしか盛岡の若者達の間で『クセになる』との評判を得る冷麺を作り上げていった。
麺はパスタと同じ押し出し麺だそうだ。圧力をかけて穴からニュルッと押し出すアレね。その過程で麺にコシが出るんだと。時間がかかるのは注文の度に製麺しているからだ。
最初の一口目はちょっとびっくりしたけど、こりゃ確かに噛み応えがある。俺は非常によく噛むタイプなので、コシが強いのは全く苦にならない(アゴは疲れるが)。存分に炭水化物を楽しめる麺だ。

スープは冷たい(もちろん麺も冷たいが)。俺は猫舌ではあるけれど、やはりスープはある程度熱い方が美味いと思っていた。だから当初『冷麺』なる料理にはさほど興味が湧かず、『熱くして食べた方がウマいんじゃないの?どうしてわざわざ冷たくするんだろ』ぐらいにしか考えていなかったのだ。ところが一口麺をすすって『おやっ?』と感じ、そしてスープを飲んで、その疑念が確信へと変わった。
コイツは冷たい方がウマいのかも。
いや、冷たいからこそウマいのだ。
スープは牛骨の出汁で、濃厚ではあるが冷たいが故スーッと喉を流れて行く。何とも不思議な感覚だ。これがもし熱かったら湯気となって口の中に充満し、それが鼻腔から抜ける時に水蒸気となってまとわりつく。強烈な残り香となったそれは、舌から伝わる後味とコラボする。もちろん、それはそれで好きだし、寧ろそれが醍醐味であるのだが、香りが鼻腔にこびりつかず後を引かないが為、二口目でも三口目でも、その度に常に新しい刺激が味わえるのだ。これは今まで全く経験したことの無い感覚だ。

具はカクテキ、キュウリ、牛肉、茹で卵、そして何と梨である。
カクテキやキュウリの辛さと歯応え。下味のしょっぱいタレと牛本来の甘味がコラボした肉。どれも濃い味付けだが、これが存在感の強い麺との相性バッチリだ。茹で卵は普通だが、濃い味に飽きた口の中をまろやかに包んでくれる。そして何とも異質なのが梨だ。世界中を旅して各国の料理を口にして来た俺は、食に関する固定観念はそれほど強くはない。しかしこれはどうなんだ?梨にスープが染み込んでカオスの様相が想像される。ところが、これがまた悪くないんだな。外側は染み込んだスープのしょっぱさだが、噛み砕いた中から梨の甘さが滲み出る。口の中は不思議なグラデーションに彩られる。

麺、スープ、具、全てが異質であり新鮮だ。まるで本当に外国で食べる、初めての料理の様だった。

韓国料理と言えば唐辛子の辛さが強烈だが、この店に限らず大抵の盛岡冷麺屋では注文時に辛さを選べる様だ。俺は辛いのは好きだし普通の人よりかは強い方だとも思うのだが、『味』を味わいたいので大抵は『普通』を選んでる。この店は『無、弱、中、強』の4段階で、俺は『弱』を選んだが、次回は中か強を食べてみたい。カレーなんかも少し辛過ぎるくらいの方が美味しい訳だし、この盛岡冷麺は麺も具も、その辛さを充分に吸収できる個性がある。いや、辛い方が更に皆の個性が引き立つことだろう。



1979年に開業した『焼肉ガーデン ペコ&ペコ』も、同様の冷麺を提供し、宣伝活動に注力。岩手県内に冷麺の存在が定着。
そして1987年にオープンしたこの『ぴょんぴょん舎』が、『盛岡冷麺』なる商品名の発祥地だ。ユニークな店名は、オーナー辺さんの名前の韓国読みである。
創始者は故郷の冷麺の特徴である『ジャガイモのでんぷんを使ったコシの強い麺』や、『キムチのトッピング』、『牛骨ダシ中心の濃厚なスープ』という3つの要素を守りつつ、様々な改良を加えた末現在に至る。



隣のテーブルに親娘連れが来て、ガイドブックを覗いてる。聞こえて来るのは関西弁だ。店の駐車場に停まっていたビンテージバイクのナンバーは足立だった。俺が知らなかっただけで、結構全国区なんだなぁ。
全く期待してなかったことも手伝って、ちょっと驚くくらいに美味しかった。また遠からず盛岡に来ることがあるだろうけど、その時は真っ先に食べに行きたいな。いや、『盛岡冷麺』自体がウマいのか、それともこの『ぴょんぴょん舎』の料理人の腕が特別なのか、次回はこの店とともに、別の店の冷麺も食べてみたいものだ。
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ぴょんぴょん舎 ☆☆
3 0

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