自分の名前すら自著できなくなり、精神肉体両面がボロボロになった感覚を抜けた先は空っぽの心だった。
私は私を認識できなくなりつつある。
この世に私を確定する要素要因が限りなくゼロに近づき、また自立した精神を失い、労働意欲どころか生命維持を拒む心境になった。
私は漫画家になりたかった。
漫画家じゃない自分を受け入れることなどできなかった。
漫画家になれないとわかると、逃げるように娯楽に没頭した。
本業あっての娯楽だと思い至る。
本業を捨てて、すべてを諦める決断から二転三転して、小説や童話を書いてみたりしたが、見向きもされないとわかると、それすら私は受け止め切れなくなった。
もう自分がどこの誰なのかよくわからない。
親からもらった肉体も名前も自分で得たものじゃない。
何かの間違いで生まれてきてしまった出来損ないが自分なんだって思うようになった。
お金で買えるものは極力ゲットしてきたが、買えるものは失う時も軽く失われる。
マユっちが死んだ日。
私は死んだのだ。
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