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2019年02月13日22:00

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空母いぶき 後編

 続き。
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 仮組みしてみました。

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 矢印17:搭載機給油用ホースリールを追加してデテールアップ。

 矢印18:スキージャンプ台横のキャットウォーク内の飛行甲板消火設備や航空機給油装置は使えないので「いぶき」では設計変更、救命ボートのコンテナ等レイアウトの見直しをされてると想定しています。

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 矢印19:追加デテールアップした搭載機給油用リール。
 矢印20:ミリオタ100人中100人が興味無いであろう救命環自動投下装置を追加デテールアップ。


 やらなくても良い考証ばかりして工作に手間がかかってしまいましたが、いよいよ塗装に入ります。
 ところが・・・

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 マスキングテープを剥がしたら、艦底色ごとベリベリと剥がれてしまい下塗りのマルーンが見えてしまいました、ガガーリン!


 複合作業艇と11m作業艇。

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 どちらも実物には多数のバリエーションがあります。
 11m作業艇は、艇淵全周にゴムが巻かれ、角にネットのクッションを付けたタイプにしてみました。
 なお11m作業艇はFRP製と言われてますが、防食装置が見える事からハルの材質は実際には鋼製だと思われます。おそらく重量軽減(鋼製よりプラスティック製やアルミ製の方が軽いというのは俗説)策ではないでしょうか。


 矢印21:第二の悲劇発生。

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 艦番号「192」のデカールに軟化剤を塗ろうとしたところ、1の文字が軟化剤含んだ筆にくっ付いてしまい船体から剥がれてしまいました。軟化剤に触れたデカールはグズグズに分解してしまうので再利用は不能です・・・
 これは同じ大きさの番号のデカールを調達するか、描くしかありません(結局、後者に)。


 飛行甲板にデカールを貼りこんで行きます。

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 漫画の「いぶき」は首を傾げたく成るような実用不能な発着甲板のマーキングなので、より有り得る形にキット附属のデカールを切り張りして施しました。


 矢印22:キットに附属していないアンテナはピットロードの「いずも」型より流用。

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 かなりのオーバースケールなので付けなかった方が良かったかも。


 ゲージの一枡は1cmです。

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 漫画のF35JBが米海兵隊の塗装に準拠しているのに対し、ここでは空自支援戦闘機の洋上迷彩としてみました。


 エレベーター板にフリーハンドの手描きで白線を入れました。

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 純白は見た目が浮いてしまうので、ほんの少しグレイを混色して明度を落とします。


 ブラストデフレクターは接着せずに開閉両方を再現する為、閉用の板を切り出しました。

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 エレベーターとは逆に、デフレクターの白マーキングは一度で仕上げようとせずにだいたいで描いて、この後に甲板色で修正します。


 デカールが剥がれた艦番号部分を描き込みます。

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 喫水標のデカールも元々のキットがウォーターラインモデルの為に水面までしか無いので、喫水線から下の分を描きます。
 船首斜めの喫水標がボトム(キール)ラインからの高さ、その後ろの垂直に書いてあるものがソナー下からの高さを表します。


 甲板、各エレベーターのマーキングを施します。

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 実在の護衛艦のエレベーター縁は白の点線ですが、演出として黄色の点線としてみました。


 船体はあらかた塗り終わりました。

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 艦尾付近の喫水標は舵下端からの高さを表します。
 いずも型のフィンスタビライザーはボトムラインから下に突出していないので、フィン用の喫水標はありません。
 また、スターンフラップがある為に、艦尾後端側面にボトムラインからの高さを表す喫水標が書き込まれる筈ですが、作例ではいずも型同様トランサムの中心に入れてあります。


 救難作業車と牽引車は車両の裏側にゲートが有る為、ランナーから切り離さずにパーティングラインだけ消して塗装とデカール貼りをやってしまいます。

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 U字型のヘリ移動用ハンドラーは側面にゲートがあるので、一旦切り離してから元のゲートに裏面を接着して塗装しました。


 船体に艦橋などを接着していきます。

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 矢印23:艦側面に何箇所か有るライトグレイのタイルは、商船ではよく見られるタグボートでプッシュするポイントを示すマーキングです。
 矢印24:艦中心の喫水標。ボトムからの高さで、喫水線下は手描きで足してます。
 矢印25:自作した舷梯。舷門のハッチも「かが」同様の物を追加工作しました。


 搭載機が完成しました。

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 航空自衛隊の支援を受けられない遠隔地で早期警戒を行うオスプレイベースのAEW機。
 補給輸送と空中給油を担当するCMV−22B。
 敵勢力圏下で救出活動任務を行う戦闘救難ヘリ。
 戦闘機の発着艦時に空中待機し緊急事態に備えるSH−60K(哨戒任務には就かず雑用専用。退役前のSH−60Jを転用する方が現実的かも)


 艦本体も完成しました。

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 喫水線黒帯の上側は水面と平行では無く、旧海軍の艦底塗料と軍艦色の塗り分けライン同様に真ん中が低く、前後が高い円弧ラインと成っています。


 艦尾ファランクスとシーRAMは、いずも型と配置を入れ替えました。

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 艦首のファランクスの左舷射界をスキージャンプ台が遮る為、近接戦を優先してファランクスの確実な全周射界を確保する為です。

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 飛行甲板の真ん中が凹んでしまった為、ブリッジが傾いてしまいまいました。

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 「いぶき」は「いずも型」より発着スポットが舷側寄りなので折角の飛行甲板の広さの余裕がスポイルされてしまっています。

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 スタビライザーで揺れないとはいえ、空陸自ヘリの運用や、災害出動で消防警察医療などのヘリが甲板の縁に着艦するのは難儀しそうです。


 アンテナ類は演出的にライトグレイで周囲から引き立つように塗装しました。

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 メンマストのIFFアンテナの円盤ベースは「あきづき型」よりステルスを意識した多角形に変更されているので、「いぶき」も多角形に成る可能性が高いですがキットそのままとしました。


 スポンソンには強いキャンバー(外側に向けての傾き)が付いてるのが「いずも型」の特徴の一つですが、キットでは再現されていません。

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 一方、艦尾のファランクス&RAMの台座は水平で、スポンソンとの角度の違いは肉眼でもハッキリ分かる程に違います。
 作例では面倒なのでスポンソンは水平のまま接着しました。

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 戦闘救難ヘリとAEWが発艦スポットに配置についてます。

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 後部エレベーターには戦闘救難ヘリに後から追い付いて空中給油を行うCMV−22Bが。

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 AEW化したオスプレイは最低地上高をベース機と同じとする為、脚を延長していますがよく分からないですね。

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 着艦したAEWをトラクターが牽引開始、後部エレベーターは発艦するF35が上がってきました。

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 着艦したF35が前部エレベーターで下降中。

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 艦首では、発着艦時の事故に備えて飛行警戒中のSH−60と交代する為の機体が待機中。

 エレベーターはF35に測ったようにピッタリだ(棒読み)

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 F35Bの着艦は米式ではなく英式と想定。

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 艦左舷からアプローチして相対速度をゼロとし見かけ上の垂直着陸をするのではなく、真後ろから艦よりもやや早い速度で接近するあたかも通常の空母への着艦のスタイルに見える形の方が運用し易いと思います。
 着艦のラインは、発艦用の点線ではなく、右の実線を目標とします。苦肉の解釈です。

 着艦して・・

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 行き足があるので甲板上を進み・・

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 止まりました。

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 矢印26:スキージャンプ台の先端付近に引き込み式の着艦誘導装置のハッチが有ると想定。いずも型本来の誘導装置は矢印27の部分です。

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 トラクターが接近します。


 「ほせ・ひめねす、アプローチに入る」(byアラン・シェパード)

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 F35Bが着艦する際に見えるであろう光景。
 勿論、実際は艦尾旗竿は折り畳まれます。


 次はF35Bの発艦風景。

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 お待たせしました、ここからは厨二病的興奮度満点の光景をお楽しみください。

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 そして誰しもがやってみたいで有ろう事をしてみました(笑)

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 実際に「いぶき」が建造されたらという想定で製作しているものの、漫画の特徴であるスキージャンプ台はそのままとしています。
 その結果、見ての通り飛行甲板面積のわりに融通の利かない無駄な部分がある構成と成っていて、デッドスペースが多くていかにも取り回しの辛い配置と成ってしまっています。
 実際スキージャンプ式の空母とするなら、この様な飛行甲板にした方が合理的な筈です。

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 ネット上では「いずも型はバウソナーの重量で艦首にスキージャンプ台は装備出来ない」などという意味不明の話が蔓延っており信じてる人も多いようです。
 しかし、軍艦の艤装重量を吸収するのは船殻剛性と重量バランスで決まるもので、タンカーの様に部分部分の浮力が真上に有る船体や積荷を支えてる訳ではありません。勿論、高速が要求されない米揚陸艦や他類似艦のように肥大船形では「いずも型」は無いので艦首最先端に重量を足す事が不利である事は間違いないのですが。特に「いずも」は剛性不足部分にさらに余計な負荷がかかるので強化分の何らかの代償重量を減らす必要は有りそうです。

 「いぶき」を実際に導入するとして、調達予算は搭載機含めて4000億円、一日当たりの運用維持費8000万円と概算されますが、次々と天災が続く中で玩具をねだる子供のように兵器調達を優先して進めようとする世間の風潮は考え直す必要が有るのではないでしょうか。
 孫子曰く「兵とは国の大事なり」ですよ。

 いずれにせよ、タミヤ「いぶき」は、いずも型としても良い出来で「いずも」「かが」を作る際もタミヤ「いぶき」に手を加えた方が良い模型に成ると思います。

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以上

 フルサイズの画像はブログで。
https://ameblo.jp/digitamin/entry-12437508942.html
https://ameblo.jp/digitamin/entry-12437511247.html

おしまい。
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