今年最初の日記は恒例通り昨年の防衛省関係です
年末に手術、退院が年の瀬ギリギリだった為に大晦日から三が日は自宅でひきこもり、昨年に続いて「よこすかカウントダウン」へは行けませんでした。
まずは前回の日記で書き漏らした映画の話題
「大人のためのグリム童話〜手をなくした少女〜」
http://newdeer.net/girl/
私好みの作風で凄く良かったものの、人に勧められるかと言えば微妙。
コンセプト的にどうしても「へそまがり昔話」と比較してしまいます。
両者、技術的には180度正反対の作り方だから優劣付け難いものの、私の好みでは手をなくした少女が上ですね。
https://e-telewatching.net/program-guide/revolting_rhymes
「バーフバリ・伝説誕生 完全版」」
http://baahubali-movie.com/theater_densetsu.html
まだまだ観ますよ、バーフバリ(笑)
ティルグ語は分からないけど、ペルシャの使者の剣の名が「シカンダー」だとはっきり聞き取れます(って事はマケドニア全盛期より後の時代ですね)。
あと、生き物が危機的状況のシーンでは画面左下に「CGI」と表示されて、撮影で動物虐待はしていないのが分かる仕組み。
これ、インターナショナル版には無かった気がします。
そして「マガディーラ 勇者転生」【極音】
http://baahubali-movie.com/theater_maga.html
インド映画の歌や踊り、脈略の無い派手な衣装にカットごとに次々と替わるスタイルは何もインド映画オリジナルじゃ無くて、邦画の娯楽作品も総天然色化された60年代は同じコンセプトで製作されてたと私は思います。
映画館で感情移入した観客が賑やかに鑑賞するお祭りスタイルもかつての日本は普通だったそうです。
その後、それらは先進国として「恥ずかしい」と封印されてしまい忘れられてしまって「正しい日本」の映画(と鑑賞スタイル)が完成した印象です。
バーフバリ(ティルグ語版)のCDは紙パッケージ。
しかも伝説誕生と王の凱旋で大きさ形が違うので重ねてみました。
インドには統一規格が無いのでしょうか?
因みに左は世界限定500枚の「ヒトラーに屈しなかった国王」のサントラです。
バーフバリの日本版CD3枚組が昨年暮れに発売されましたが、ティルグ語版(内容はボーカルのみ)のサントラに日本でBGMを足した結果3枚に成ったと予想していたら、全く内容は別物で驚きました。
驚くといえば、「潜水艦ベターソン」(1963伊)のサントラが今更のように発売されたのにもビックリです。
陸上装備研究所(10月6日)
バス亭は宇宙的イメージのデザインですが、地域的にはJAXAを中心に考えられてるからだと思われます。
旧陸軍技術学校跡地に作られた施設で、ちょうど艦艇装備研究所が旧海軍目黒水槽にあるのと似たパターンですね。
「IED走行間探知技術」、今回初公開です
進行方向の目視では見えない部分に存在する脅威(地雷等)を探知する目的のセンサーです。
車両は普通の高機動車で、それに搭載されてる物体が研究名称の本体。
実際に車両前にダミー地雷を埋めた土を入れたパレット置いてデモンストレーションするものの、見た目が地味なせいか全然人気無しで気の毒ですね。
災害派遣にも感度対象を変えれば滅茶役立つし、武器よりも余程大事な研究だと思うのですが・・・
上陸作戦用の水陸両用車「AAV」の車内モックアップ。
車体前方は各車共通で、展示の車体後部はご覧の通り指揮車タイプです。
車長ハッチに見学者が頭をぶつけるので、取り外している様子。
操縦士、車長席。
乗員室を前から。
機動戦闘車試作1号車。
その後の試作車や量産車とはかなり違います
車体横や前方のプレートはバランス取り用のウエイト。
話をした隊員が研究職員の技官じゃなくて実際に運用試験をした制服組。
日記やつぶやきで何度も書いてるマズルブレーキの件を振ったら、「爆炎で上を飛んでたトンボがバラバラに成って落ちてきた(笑)」と。
タイヤは中子タイプだそうです。
砲塔形状が量産車で変更されたのは「レーザーや電波反射対策ですか?」と質問したら、「車両の性質上、装甲厚が取れないので普通に避弾経始です」と。
後の試作車以降と違いレーザー&動体探知機が後方向けにも有ります。
「次の試作車や量産車は予算の関係で前方のみと成りました」と。
「アンダートレイが無いのはデフのオーバーヒート対策ですか?」と質問したら「予算削減で仕方なく」だそうです。何度見てもサスペンションジオメトリーとダンパー&スプリングが理想配置で鼻血が出そうです。
雑談で運用側の要求と上からの予算削減の板挟みで開発現場の人間は大変と滅茶話が盛り上り。
会場でたまたま顔見知りの「詳しい人」に遭遇。
こうした銘板の写真をTwitterなどネット上に公開するのは犯罪なんだそうです
何でダメなの??、正しい知識をお持ちであるところの御方が仰られます意味が私にはサッパリ理解出来ません。
市民が見る事が違法なんだったら、銘板の上にテープ貼って隠せばいいんじゃないの
というか、どのように税金を使ったか示す証明である銘板(財務省の帳簿と物件の合致を確認する為に役所の類にある機材には必ず貼られている)を納税者に見られてはマズイ物なら、そもそもそれが貼られた物体を一般の目に触れるように公開してるのは何故なの
謎は深まるばかりでございます(CV:鈴木健二アナウンサー)
10式試作車。
軽量戦闘車両システム。
後方下。
研究名称がシステムなんで、器の車体よりも重要部分。
インホイールモーターなのでハーフシャフトが有りません。
因みに各車輪に動力が付くインホイールモーター車両の基本型は百年ちょい前にオーストリア・ハンガリー帝国が実用化、1950年代にも米で研究が進みましたが、軍用には制御が難しく(エネルギーロスや冷却の問題も解決しなかったと推測)一旦廃れ、一方スピードを求めない建機では前世期からありふれた技術です。
前方下。
たまたま一緒に見ていた若い男の子達が「配線がオレンジ色なのは特注品だから?」と会話していたので、お節介焼いて説明してあげました。
クイズに答えると運転席にご招待。
軽装甲機動車試作車。
ブルーインパルスグッズをザックに鈴なりにさせたオバチャンが周辺の幼児を弾き飛ばしながら撮影に没頭
。怖いね、入っちゃってる人。
向こうの資料室は撮影禁止。
防弾チョッキ試着体験。
本来の研究所一般公開の趣旨は近隣にお住まいの方々との交流と理解なので、こうした光景が元々の意味の筈。
車両デモンストレーションの開始です。
軽量戦闘車両システム車、その場でグルグル回る超信地旋回
電動なので音も無くダッシュ。
手前に超信地旋回をしたタイヤ跡が丸く地面に付いてます。
百メートル程行ってまた超信地旋回。
戻ってきました、静かです。
10式戦車が「おじぎ」中。
建物上の日の丸が爽やかです。
お次は機動戦闘車、まずは動力を入れる為に運転席に入ります。
車長が配置について準備完了。
砲身仰角。
俯角。
砲塔回転。
後ろを向いて、また元の方向から前に向きます。
トークショーの順番待ち。おそらくこれで満員。
本来、中高校生や近隣の住人向けの企画だと思うのですが、ご覧のように見るからにアレな感じの人達で占められてしまいました。
帰り際に機動戦闘車の開発担当隊員に滅茶挨拶されました。
他のミリオタ達に対してとは態度があからさまに違ってて恥ずかしい(笑)
http://www.mod.go.jp/atla/gsrc_opentech2018/index.html
防衛装備庁技術シンポジウム(11月14日)
講演以外は基本的に撮影公開可
会場に着くといきなり「名人」がまたしても居ました。
会う毎にまともな人間に見えてきます
でもそれは錯覚で、三脚檣や戦車道の方々が自分に都合の良い人同士とだけ付き合って選民的思考に陥ってしまい、実は私や周囲が変わったのであって、対照的に名人は変わらず我が道をブレずに進んでるだけなのかも知れません。
パワードスーツ。
介護等に使われる物との最大の違いは動きの速さ。
軍用なので使用は戦闘や災害救助活動などである為、力は出るけど動きが遅くては小型重機や動力台車の方が便利という事に成ってしまいます。
どこの研究機関でも予算を下ろす人間に決定権が有る訳で、本当に有益な研究や将来性の望める可能性のあるものよりも、人型ロボットとかパワードスーツとか印象が派手な物がバカの一つ覚え的に優先されて認可が降りる点で皆同じ傾向に有ります。
なので日本中の研究機関や大学が一斉に同じ研究テーマをやっているという現象が起きるのです。
昨年まで私が大注目していたロボットへのゼスチャ指令伝達研究は年度を跨いで一旦終了した為に継続出来ず、再申請の関係で同じものは出来ない為に現在は有線の研究に移行したそうです(展示が無いので担当技官に聞きました)。
有線と言ってもリモコンではなく馬の手綱の様に紐を引いてロボットに指令する物。
動物へ指示が出来るなら、機械にも適用出来る筈ってコンセプトは変わりません。
こうした年齢や学歴、言語に縛られないでロボットを操作しようという試みは、軍事を超えて人類社会全体に対する大変有益な研究だと私は思うのですが、決定権を持つ人間にとっては価値の無い下らないものに映るようです。或いは「防衛省以外にも利益をもたらす研究などケシカラン。直ちに中止せよ」と考えてるのでしょうか?
電磁パルスを放射して電子機器の使用を阻害する基礎実験。
それに使われる、マルクス型高圧パルス電源。
IED走行間探知システム、陸上装備研究所で見学した物のパネル展示です。
高感度爆薬採取分析システムとその分析器
爆弾や砲弾は製造時に必ず極々微量の爆薬が表面に付着するので、それを吸引もしくは拭き取り採取で検知特定しようとするシステムです。
IED走行間探知システムなど非接触式は精度に難が有るという弱点が有るので、こうした現物を接触式で調べる物も必要な訳です。
勿論、不審物を分解して構造そのものから人間が判断するより遥かに安全です
私の大好きな「CBRN対応遠隔操縦作業車両システム」は現在複数車両間の情報統合の研究試験中。
ステルスインテークダクトの研究用風洞模型。
タービンに代わるローテティング・デトネーションエンジン開発の為の日米共同研究。
金属3Dプリンタ製エンジンパーツの研究。
展示現物サンプルは撮影禁止でした
3Dプリンタ製のメリットに対してマテリアルの問題や表面仕上げのデメリットなど、さらに今後の展望について私の見解を振ったら技官が滅茶喜んで長話に。
JAXAとは別に、航空装備研究所でも独自のスクラムジェット研究を行っています。
小型航空機搭載用合成開口レーダ。
形状や電波吸収塗料とは別の能動的電波制御によるステルス技術研究。
前からある研究ですが、昨年まで特にコメントしなかった物です。
プラズマステルスアンテナ。
レーダアンテナなど未使用時は電波透過する点がミソ。
ご覧の様にアンテナ自体が金属では有りません。
右が既製の金属アンテナ。
プラズマアンテナは使用時には電波を反射しますが、金属製よりは遥かに少ないとの事。
光波自己防御システム
その追尾照準レーザ発振器。
現在のシステムは熱追尾ミサイルをセンサが感知するとフレアを撒いて欺瞞防御しますが、ミサイルが利口でフレアに騙されなかったり、フレアの投射数に限りが有るのが弱点です。
そこでセンサがミサイルを感知すると同時にミサイルにレーザを照射してシーカーを無効化してしまおうというアクティブキルのアイディア
フォークランド紛争のおり、英艦に対して超低空で真っ直ぐ突っ込んで来るアルゼンチン空軍攻撃機に対して英艦がレーザ照射をパイロット目がけて行っていますが、考え方としてその延長線上にあるもの。という話を担当技官にしたら「人間の目を狙ったレーザ使用は禁止されましたからねぇ」と苦笑い。
将来軽量橋梁技術基礎研究
その材料試験片。
例によって何故これが必要なのか、将来スピンオフとして何が考えられるのか、実現の為の私のアイディアとかの話で始まって担当技官と話が合い、さらに技官が海技研も行った事有るという話の時点でパネルから離れて長話に突入。
脱線していって「世間で防衛技術の開発に興味と理解が深まってるのは嬉しいけど、過剰に同調するミリオタは困る」「あいつら軽く『空母は2隻は欲しいですよね』って、まるで自分が調達維持に必要な予算1兆円を負担してやっているんだって上から目線の態度ですからね」って話まで(笑)
レールガンは飛翔体の形状がより合理的に進化してますが、あくまで基礎研究の実験内の事です。
それ以外にも沢山の基礎研究が行われています。
艦艇装備研究所では、キャビテーション振動(護衛艦では騒音源)対策のアダクティブ翼は変形基礎実験が終了し、今後は実際にプロペラ作って実証試験に移行します(写真は昨年の日記に)
潜水艦から発生する水中電界を探知するUEPPセンサの研究。
30FFMのパネルには取材が居て、制服に搭載兵器の事のみを質問していたのでイカルス出版の記者だと思われます
私はバルバスバウが過剰に突出してるのは波浪がフレア叩いて抵抗に成るのを嫌ったから?と質問したら「パネルの絵がそう見えるだけで普通にバルバスバウです」と解答が。
艦艇装備研究所が誇る30FFMスタンプ
マストが判子に成っている点がミソで思わず押しちゃうじゃないですか。
奥は樹脂プリンタ製の30FFM模型。
ここから民間の展示ブース。
デュアルハルバッハ発電機。
パネルと画像で従来の鋼板より延びて割け難い新製品の紹介。
防衛装備庁との共同研究が民間企業や大学、他省庁所属の研究所で行われるように成りましたが、防衛省と組むと予算が潤沢に降ってくるのでどの組織も必死です。
あれ?、澤先生って東大生研(昔の東大第二工学部)からいつのまにかJAMSTECに移籍してたんだ・・・
パネル展示だけですが、他にも多数あり。
講演は造船関係だけ聴講しました。
http://www.mod.go.jp/atla/research/ats2018/index.html
昨年の陸上装備研究所と防衛装備庁シンポジウム
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1964693693&owner_id=1602714
最後は新宿樽一「東魁盛とニューオリンズジャズの会」(5月20日)
http://www.sinjyuku-taruichi.co.jp
お酒の蔵元は東魁盛」の小泉酒造です。
http://www.sommelier.co.jp
いつもの樽一イベントは、催しが終った後に乾杯ですが、今回は素面でジャズでも無いだろうと一曲終った後に夏酒で飲みながらってスタイルに成りました。
ところで私の中でジャズ映画と言えば「ジャズ大名」です↓
http://jazzdownbeat.com/2015/03/14/post-146/
アンコールは御約束の聖者の行進
お客さんも唄う、手拍子する。
そして本物の乾杯
こちらは仕込み水。
例によって鯨と刺身の盛り合わせでスタート
私の向かいの初老ご夫婦が米国まで通って演奏するレベルのジャズ通でした。
冷やし鉢。
豚ロースの西京漬け。
かんぱちの燻製。
冷や汁。
空豆ごはん。
汁をかけても超美味い。
店主(左)の音頭で三本〆です。
かっぱ先生を誘ったのですが、案の定待ち合わせ時間に30分遅刻。
こんな事も有ろうかと一時間余裕を見ていたので大丈夫。
でも空気読めないかっぱ先生は「築城業務技術必携」など持ち込む
幸い二次会で個室が空いていたので運良く問題なく見れましたけど。
内容は工兵用の土木関係ポケットブックの合本で、ついでに要塞技術マニュアル付きな美味し過ぎる内容。
これが有れば明日からあなたも要塞築城出来ますって感じ。
おしまい。
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