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2019年08月14日10:17

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はるか信州より  夏休み、福島へ! その2

 ちなみに、だが。信州に移住する前に長崎に旅行に行ったことがあったが、あれも実は取材旅行だった。あの時は、長崎の小児科医だったという、楊心流柔術の開祖・秋山四郎兵衛を主人公にした話を書くためであった。現地に行って判ることとか、話しを思いついたりすることがある。こんかいも、ある程度のところまできてピタリと止まっているのだった。

 そんな事もあって霊山に行くことになったが、いざ、宿をとろうとすると「ペットOK」の宿が福島周辺で全然空いてない。ちょっと動き出すのが遅かったか。結果、猪苗代湖の辺りでペットも泊まれるところを見つけたので、宿はそちらにとる。で、いざ出発!

 ……渋滞だよ、案の定(爆)。信州を出て群馬、栃木を通過して東北道を北上し福島に向かうのだけど、この東北道に入った段階で渋滞である。しかも目的地付近の福島西ICの一つ手前のIC辺りで、「事故、通行止」とかの電光表示。なにぃ!? 通行止めだと!

 しょうがないので郡山JCで方向転換して、下道で霊山に向かう。ネットの高速道路検索では渋滞に40分巻き込まれても、福島西にお昼ぐらいには到着している予定だった。まあ、途中休憩を取ることからそうはいかないのは判っていたが、とにかく目的地にたどり着かない!

 結局、霊山にたどり着いたのは、ほぼ午後3時近くだった。ちなみに、この霊山城の麓には「霊山こども村」という施設があるのを知っていたので、娘はそこで遊んでもらう予定だった。長い長いドライブにすっかりグデグデになった娘も、やっと遊ぶ時間が来る。

 しかし! 猪苗代のホテルのチェックイン予定は5時。福島ICまで一時間くらいかかり、そこから猪苗代まで30分くらいかかるとしても、最低でも3時30分くらいには此処を出なければならない。

 が、目の間に聳える高い岩壁!!

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 これを登って、上の方にある霊山城跡までたどり着くのに、往復何分かかる? いや、けど行かなければ、此処まで来た意味がない。ホテルの方は遅らせても構わないから、とにかく急いで山を登ろう。

 そう決めた僕は娘と奥さんを子どもの村に残し、ロックも車に留守番させ(山に連れて行くつもりだったが、『環境保護のため、ペット同伴を禁ず』とあったのだ)、独りで山に登った。正直、単独行で登山というのは、できたら避けたいところだったが、そうも言ってられないし、まあ登山道は整備されてそうなので大丈夫だろうと思った。

 で、山道を軽く駆け足で登る。息が切れる。暑くて汗がダラダラ出てくる。けど、少し登りやすそうなところを駆け足で上がる。そんな事をやってるうちに、ふと、苦しくても息を大きく肺に入れると登りやすくなることが判った。苦しいので前かがみになり、呼吸を小刻みにしていると、かえって息が苦しくなる。

 そこで姿勢をよくし、大きく目いっぱいに肺に息を吸う事を意識して登ると、少し苦しさが軽減して来た。そうやって登っていると、どういうわけか小説のアイデアが次々と沸いてきた。いや、今まで見落としていたことに気付き、そこの行き着く必然性を合理的に推測していった結果、必要な流れが見えてきた、というような感じが正確だが。

 で、死ぬほどしんどかったが、霊山城跡までなんとかたどり着き、無事に下山した。それから取って返すように猪苗代湖へ向かった。猪苗代湖の傍に姿の小ぶりの山、磐梯山が見えて、とても美しい景観だった。

 とったホテルが、なんかとてつもなくバカでかいホテルで、ちょっとビビった。まさか、こんなところとは。しかも案内されたのは10階の部屋。窓から猪苗代湖が一望できた。

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 下の写真の右に、ちらっと磐梯山が入ってるか。けど、実はロック君は一緒の部屋ではなく、別室のペットホテルに泊まるのだった。

 そこへ行くと鉄格子の大小さまざまなケージがあり、既に入れられた色んなワンコたちが入っている。で、こちらの顔を見た途端に、ワンギャンとうるさく鳴く子もいれば、デカい図体でウワォン! と吠えるのもいる。…いや、ロック、こんなところにいて大丈夫なのか? けど、仕方ないのでそこの一室に入れる。

 翌朝迎えに行くと、すっかり疲れ切ったロックがそこにいた。外へ出してやると、「やったぜ! オレはやっと自由になった!」とはしゃぎまわる。いや、リードついてますけど。けど、よその犬との同室がよほど緊張したらしく、後から車に乗ると死んだように眠っていた。ぶっちゃけ、僕たちもホテルがベッドの洋間だったのでちょっと疲れた。

「今度泊まる時は、小さい和室の旅館がいいわね」と奥さんが言う。いや、まったくそうだと僕も思った。去年、一昨年はそれでいけたので、なおさらだ。デカいホテルは人も多いし、食事はバイキングでイマイチだし、やっぱり小さい旅館で布団引いて寝る方がいいわ。

 猪苗代湖を後にして、当初の予定だと高速で帰るつもりだったが、前日の渋滞ですっかりうんざりしてしまっていた。しかも初日はETCも休日割引だけど、帰る日は平日扱いである。ざっと3000円くらい高い。

 どうしよう、と思った挙句、会津若松へ観光に行って、そのまま下道を南下して新潟経由で長野に帰ろうと思った。で、会津若松の鶴ヶ城に立ち寄った。鶴ヶ城では、幕末のコーナーに人が集中しているのを、足早に通り過ぎて上に上がった。
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 で、下道の山道と延々と走っている最中、途中の魚沼付近の道の駅に寄った。そこでふと一枚のパンフレットを目にする。何か、凄い彫刻や欄干が目に入る。なんだこれは? 誰の作品だ?

 これが魚沼市に多数の作品を残した幕末の彫刻家、石川雲蝶という人物の作品だということを知る。そのパンフレットに載っていた作品があまりに凄いので眼を奪われていたが、ふと見ると通り道付近にある寺に作品があるらしい。

「ね、ちょっと寄ってみて行こうか?」「いいんじゃない」

 といいうことで、急きょ、石川雲蝶の作品を見るために、魚沼市の西福寺というお寺に寄ることになった。ここは禅寺らしいのだが、本尊が阿弥陀如来という実に何でもありな感じの寺であった。ここに開山堂という藁ぶきの建物があった。
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 その中にあった天井一面の彫刻、欄間、襖絵や仁王像など、雲蝶の作品はどれも素晴らしいものだった。が、残念ながら寺の中は撮影禁止だったので、写真はない。ちょっと紹介ページがあるくらいだが、その素晴らしい造形と迫力をお伝えできないのが残念である。
https://niigata-kankou.or.jp/spot/8332

 最後にそんな思わぬ拾い物をして帰ってきた福島旅行だった。福島は遠かった。というか、あまり福島見てないね。今日はみんな疲れたらしく、家でのんびりとしているが、娘の腕のワイヤーを抜きに、午後から病院である。


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