[難易度:2、時間:12分]
1992年、創元推理社から「ななつのこ」という短編連作ミステリーが出版されました。加納朋子のデビュー作。後にヒット作をいくつも世に放った彼女ですが、匂い立つような初々しさのある作品でしたね。
本筋とは全く関係ないのですが作中のエピソードでヒロインが友人とスーパーで買物をするシーンがありました。その友人がお肉のコーナーでパックに入った豚肉を指差して「豚」と言います。その後、ヒロインを指差して「こま」と言います。
「ふたつ合わせて豚こま」
と言って笑う──そう、ヒロインの名前は川端康成の雪国のヒロインと同じ名前、駒子だったんですね。
って、だからなんなんだという話なのですがこの料理を作っていたら、そんな懐かしい記憶がふと蘇ってきました。
[材料](2人分)
・豚こま:200g
・オリーブオイル:8g(小匙2)
・人参:半本
・しめじ:半株
[肉の下味パート]
・薄力粉:少々
・塩、ブラックペッパー:少々
[ソースパート]
・水:60g(60ml)
・トマトケチャップ:30g(大匙2)
・ウスターソース:12g(小匙2)
・濃口醤油:3g(小匙1/2)
・酒:15g
・ブラックペッパー:少々
・バター:5g
[付け合せの煮込みパート]
・コンソメの素(顆粒):3g
・水:200g(1カップ)
・クミン:少々
・ブラックペッパー:少々
[作り方]
1.[付け合せの煮込みパート]を小鍋に合わせてひと煮立ちさせます。それをやっている間に人参は3cm幅に切り更に6つに切ります。しめじは小房に分けます。
2.1.の鍋が煮立ったら人参を投入し弱火で10分煮込みます。ラスト2分になったらしめじを加えます。煮上がったら人参、しめじはザルに揚げて粗熱を取ります。
※煮た汁はスープにして戴きましょう。
3.1〜2.をやっている間に豚肉は食べ易い大きさに切って[肉の下味パート]をまぶします。フライパンか中華鍋にオリーブオイルを入れて中火にかけ肉を投入して色が変わるまで炒めます。
※肉が鍋肌にこびり付きやすいのでレードル(お玉)でこそげながら炒めて下さい。
4.3.の肉を一旦取り出し、フライパンを洗わずに[ソースパート]を加えてひと煮立ちさせます。肉を再び戻して水気がほぼなくなるまで炒めればできあがり。付け合せともどもお皿に盛って戴きます。
[備考]
・ケチャップにウスターソースというチープな調味料なのに本格的な洋食風のスパイシーな仕上がりになります。材料費は2人分で200円そこそこなのにレストラン気分が味わえますよ。
・付け合せの味付けの要はクミン。このスパイスが人参独特の野菜臭さを和らげてくれます。
・このレシピの段取りポイントは工程1〜2.調理の流れを止めずに付け合せを仕上げること。その間に肉の調理を済ませると手早くできます。
・ポークチョップとポークチャップの違いは何かというのをネットで調べたのですが、人によってまちまちで確たる答えが見つけられませんでした。少なくともポークチョップは骨付き豚肉を指す言葉でポークチャップはケチャップを主体にした味付けの料理という説が優勢のようです。
ということで、よければ一度お試しください。
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