〜京都新聞2020.4.22〜
ギンメッキゴミグモという小さなクモの話です。
この種のメスの交尾器には、小さな突起がついています。
このクモは視力があまり良くないので、求愛を受け入れてもらったオスは、触肢(しょくし)という器官でこの突起をつかみます。
これが手がかりとなって、オスメスは正しい姿勢をとることができるのです。
こうして交尾に成功したオスは、あろうことか、突起をねじり切って交尾器を破壊し、さっさとメスのもとを立ち去ります。
これではメスを独り占めできなさそうに見えますが、そうではありません。
残されたメスにはもう手がかりとなる突起がないので、他のオスが言い寄って来ても、そこから先に進めないのです。
つまり、メスは2度と交尾できなくなり、後に産卵するときも、すべて最初のオスの子を産むことになります。
これはオスから見れば、完璧な独り占めです。動物にとって、どのくらい自分の子を残せるかはとても大事で、パートナーの産む卵を独り占めできるオスは有利になります。
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/224081
【遺伝子はわがまま!】
ログインしてコメントを確認・投稿する