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2018年10月12日06:56

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「終わった人」

 一昨年「内館牧子さん」が「終わった人」と言う本を出されて、自分の身に重ねてとても興味深く読みました。サラリーマン人生を周囲の気迫に押されて、落ちこぼれまいと必死に頑張ったけれど、結局トップへのゴールは出来ずに『不完全燃焼』のままリタイアして、「このまま人生を終わりたくない」と「残りの人生」をかけて「小さいながらトップの座を引き受けて社長業に再チャレンジするけれども、結果はうまくいかなかった男」の話です。この本を読んで、「ほんの一握りの幸運者」以外、「圧倒的多数のサラリーマン」はみんな「不完全燃焼」で終わるのが現実ではないかと思いました。それなのに、今年も多くの「終わった人予備軍」が就職活動に血眼になっています。

 こんなことを言うと、皆さんにバカにされると思うのですが、「高度成長期を引っ張った団塊の世代」は今のように「高学歴社会」ではなかった。戦前の流れを受けて「農業高校」「工業高校」「商業高校」「普通科」「家政科」など、高卒が圧倒的に多かった。しかし、その当時戦争で多くの家庭の大黒柱が亡くなったリ、大けがをしたりして、社会の中核を担う人材が不足したり、経験不足を補うために俄仕立てで管理職を補充するために「大学卒」を雇ったため、その後「学歴社会」へとシフトしていきました。同時に「年功序列」「終身雇用」体制が強化され、「吹けば飛ぶような会社」を「盤石な大企業」にするため、従業員は我慢、我慢、我慢でひたすら「会社のため身を挺して働く」と言う時代でした。「そんなことはない。お前の会社だけだ。うちは違う」と言うでしょう。でも「ボーナス」は「賃金の後払い」。「退職金も賃金の後払い」「社内預金は運転資金を銀行から借りるよりも低利」「福利厚生は社員の引き留め策」でしかなかったのです。

 従業員は「企業の歯車」と言われ、「ゼネラリスト」よりも「スペシャリスト」が重用されました。脆弱なにわか作りの企業には、ローテーションを組んで人材を育てる余裕もなく、それぞれが野球やラグビーのようにそれぞれのポジションで技を磨き、スクラムを組んでチームワークで切磋琢磨しました。時に「プロジェクトチーム」で、時には「特命事項」でその「スペシャリスト」が駆り出されましたが、「本業を守りながら」の兼業で組織を超えて「目標」に邁進しました。その結果、他の組織とぶつかったリ、納期遅れのために後工程の部署と喧嘩になったりしながら、限界に挑戦して、目標を達成しては、一部の人に成果を独り占めされながら、「プロジェクト参加メンバー」だったことで社業に貢献できたと「自己満足」に浸って、居酒屋でとぐろを巻く毎日でした。

 そのうち「新人類」と言う言葉が流行ってきました。「団塊ジュニア」の登場です。生まれた時からカラーテレビや自動車が家に有った世代で、親父が油にまみれて働いた世代なのに、それを軽蔑してスキルを磨かない。歯車にもならない。スペシャリストにもならない。ただ「大学卒=社長候補者」みたいに、現場、現鬱、現実を見ずに、意見を主張する。トラブルが起きると「評論家」になり切って批判する。「マニュアルに書いてなかった」と言い訳をする。団塊の世代が「知恵と工夫」ならば、「団塊ジュニアは知識と個性」で立ち向かう。こうして日本社会の「現場力」が減退していったという訳です。

 ドイツでは今でも日本の戦前と同じ教育制度を守っています。つまり、小学4年生で進路が分かれて、大学に行く人は「ジムナジューム=中等学校」、技術者になる人は「職業学校」に進みます。職業学校のルートでも資格」を取れば、「マイスター」の称号を与えられ尊敬されます。ちなみに大学出は「プロコリスト」と名刺に書かれます。何故、「職業学校」制度なのかと聞くと、「専門技術をマスターするには、青年期でなければ伸びない」と言います。なるほど日本でも料理人の修行など若い時に叩き込むのを見れば理解できます。プロ野球でもラグビーでも青年期に技を磨くのであって、「大学を出てから鍛えるのでは遅い」わけです。なのに日本では今や散髪屋さんも電車の運転手も大学出になっています。

 日本社会が「後出しじゃんけん」の社会になって、「一寸先が読めない」のは、この「状況を読んで先手を打つ」と言う「団塊の世代」の「創意と工夫」が磨かれずに、「頭でっかちの知識を振りかざし」その場しのぎの対応でお茶を濁す時代。「マニュアルと言う「最低限の行動規範」で、「最高の品質を目指さない」社会になり果てて、今日本の「現場力」が堕落してはいないか?と思うのです。例えば、アメリカは「異次元緩和」を一生懸命元に戻して「正常化」しようとしている。なのに日本は5年目の「アベノミクス~異次元緩和」に酔いしれて、過去最高益を更新した企業が溢れているのにやめようとしない。では、昨日の「株価大暴落」をきっかけに「ナントカ・ショック」が起きたら、「アメリカは金融緩和できる」のですが、「日本には金融緩和のカード」がありません。こうして、現場力を失った日本はふるい落とされていくのです。
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