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2015年07月03日07:00

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「スマホの時代」

 リタイアして15年、あまり通勤時間帯に電車に乗ることが無くなりました。先日、病院に行くのに、予約時間の関係で久しぶりに朝の通勤電車に乗ったら、新聞を読んでいる人を見かけない。みんな黙ってスマホをこすっている。スマホは確かに便利だ。しかし、スマホは新聞の代わりにはならない。スマホの登場によって、ネット接続ができ、気に入った情報をシェアし、仲間と交流し、どこへでも持ち歩き、切符の購入から代金の決済、搭乗便の変更までできる。音楽だってダウンロードできるし、通販だって購入できる。

 でも先日書いた「日本人に謝りたい」と言うユダヤ人の書いた本をダウンロードして読んだのですが、たった79ページにすぎないのに、ネットで読むとずいぶん分量が多く感じられます。つまり、ネットの記事と言うのはほとんど「週刊誌記事」レベルの分量が限界で、まとまった単行本を読む人はほとんどいないということではないだろうかと思います。ですから、本屋さんはつぶれない。

 そこでフッと考えたのですが、手紙を書かずにメールで済ます。新聞を読まずにスマホでチェックする。一見合理的に見えますが、じっくりものを考えない。その日その場の行動を出たとこ勝負のスマホの答えで決めてしまう。本当はもっと深い事情を知って、いくつかの解決方法を検討し、実際に相手にも会ってみて、現場に足を運んで、解決策を検討すべきなのに、安直にぐるナビの5つ星に目がくらみ、高いお金を払ったのだから、人気店で食べたんだから、最高の選択だったのだと自己満足してしまう。そんなことはないでしょうか?

 日経新聞にこんなことが書いてありました。

(引用開始)

 問題は、技術革新の群発にも関わらず、生産性や経済成長率が低迷し、雇用も増えないのが現実だ。消費者やユーザーの利便性は高まった反面、旅行業者の業務や書籍、CDやDVDの販売が縮小した。つまり技術革新を取り込んだ新しい商品やサービスによって収益や付加価値を高めるのは今後の課題なのだ。

(引用終わり)

 つまり、これは「現在の消費者に対して囲い込みをするために、インターネットを使ってタダで便利性を提供している」からであり、消費者の「知恵」と「工夫」を省略させ、安易に行動させる仕組みにしかITが活用されていないからではないかと思います。もっとハッキリ言えば、消費者をより高次元の世界に連れてゆくような仕組みを作って、その仕組みに加入するには代金を払っても加入する価値がある消費者の満足を生み出す仕組みの開発が出来ていないからではないのか?消費者の「知的好奇心」を満足させるとか、「体調管理」を常時モニターして専門グループが常時フォローするとか、現在開発中の「自動運転車」を作るとか、ネット上に会員にしか楽しめない特別のクラブを構築するなど、付加価値のあるシステムが出来ていないことが問題ではないか思います。

 病院の待合室に置いてあった雑誌に、なぜ「結婚しないのか?」と言う特集がありました。「20代〜30代と自分を磨いて、それなりの自信をつけたのに、それを正しく評価してくれる相手でなければいやだ」と書いてある。人間は年代を重ねるごとに、自分の可能性をドンドン捨てていき、偏った人間になっていくことに気が付きません。小学校ではオールラウンド・プレーヤーでも、中学では苦手科目が出来、高校では理系か文系かを選び、大学ではその中の一つを選んで他を放棄し、就職でいろんな職業の中から一つに絞り、地上70億人の人口ならば、35億人の異性の中からたった一人を選び、他の可能性を捨てます。

 スマホはその「究極の個人」を支える道具です。これにどっぷり捕まると日本人らしさがなくなります。日本人は「敵を作る」ことが苦手です。すぐに誰かの味方をしたがります。先輩後輩や同業者、出身地の県人会、東大阪の町工場などがみんなで力を合わせて何かをまとめることが得意です。機能の細分化や分解の得意な西洋人はもともと個人主義の国です。それ用にスマホを作ってくれましたが、これからは日本人がこれをうまく融合したり組み合わせたりするIOT(インターネット・オブ・シングス)の世界で大きく社会を発展させてゆく時ではないかと思います。そのためにも、子供にスマホなど与えず、シッカリと本を読ませて『じっくりと物を考える』『自分の頭で考え工夫した手紙が書けて他人の気持ちを思いやる』『住んでる社会のグレードアップになる』社会を作ってくれるよう導いて下さい。

 それでこそ日本が世界のリーダーにふさわしいのであって、中国や韓国のいやがらせに付き合って、世界のダニ国家にいつまでも「謝罪と賠償」論争をする国であってはならないと思います。「金持ちケンカせず」になるには、まずグンと相手を引き離すことです。
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