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2018年11月17日15:34

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チェルノブイリの動物の不思議

チェルノブイリ発電所の爆発事故から32年。
当時放出された放射性物質は質量にして10トン、14エクサベクレルにも及ぶと言われました。
これは広島に落とされた原爆の役400倍です。
当然周辺の広大な地域は立ち入り禁止となり、100以上に及ぶホットスポットでは家畜を飼うことも植物を育てることも禁止されました。
では、そんなこた知ったこっちゃない野生の動物たちは、高濃度の汚染物質を浴びた餌やキノコ、小動物を食べ、水を飲み、一体どんな被害を受けどれだけ数を減らしているのかというと。

何と現在、チェルノブイリの高濃度汚染地域を含む範囲は、動物たちの楽園になっている、というのです。その数も増える一方だとか。姿かたちも健康面もほぼ問題なし。
な、なんで?
生殖暴力に影響はないの? 各種のがんは? 奇形は?
それどころか、絶滅しかけていたプシバルスキーウマ(モウコノウマ)は、人間のいない環境で増加し続けているとのこと。
原発事故の現場周辺に設けられた立入禁止区域は、今ではあらゆる種類の動物たちがすむ楽園となっているんです。

調査によると、種類としては、ヘラジカやシカ、ビーバー、フクロウ、ヒグマやオオヤマネコ、バイソン、イノシシ、アナグマ、オオカミ、タヌキなど。高い放射線量をものともせず繁殖し、それよりも逃げ出した人間による狩猟や生息地の破壊に脅かされることがなくなったため、めでたく繁殖してるわけです。人間って、放射能よりも罪作りだったんですね。
というわけで、ウクライナとベラルーシ両国の立入禁止区域を合わせた面積4144平方キロの地域は、今や欧州でも有数の野生生物生息地となっているそうです。

だがしかし、あれほどの大事故で放出された放射線物質による動物たちの体への影響はないのか。当然科学者たちも調べました。
その結果。
ハタネズミに高い確率で白内障が見られる。
鳥の翼にいる有益な細菌の量が減少している。
ツバメに部分的な色素欠乏が発生している。
報告されているのはこれぐらいです。
狼やヘラジカの群れなど、実に皆立派な体格です。

チェルノブイリの事故で最も広範囲に拡大し、最も危険性の高かった放射性核種のひとつであるセシウム137は事故から30年でほぼ半減し、より短命のバリウム137mへ変化したといわれています。
動物たちは、食物を介して放射性物質を体内へ取り込みます。少なくともそのはずです。
ハタネズミの好物であるキノコは、放射性物質を濃縮させてしまいます。汚染されたキノコを食べ、ハタネズミの体内に高濃度の放射性物質がたまり、そのネズミを食べたオオカミがこんどは汚染される。はずなのです。
が。
ひとところにじっとしていない狼は、行動範囲が広く常に移動しているため、たとえ放射能の影響があったとしてもそれは種の存続を妨げるほど個体数を抑制するものではないのではと科学者は言います。それよりもむしろ人間がいなくなったことが、放射能による潜在的影響を相殺してはるかにあまりある効果をもたらしているわけです。つまり狩猟による害のほうが、動物にとっては放射能よりも大きい訳ですね。

翻って人間世界では、いまだに、被災地から逃れてきた子供たちが学校で地域で差別を受け苛めに苦しんでいます。
ことほど左様に、人は罪深く愚かです。「放射性物質による害や差別」を延々と作り出しているのもまた、遠隔地の人間たちの意識なのでしょう。

ああ、嘆かわしや。
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