子供の時以来，漢字，特に熟語には人一倍苦労しました。私にいわせれば，日本語の訓読みは，非常にいい加減。それで，苦労の連続です。
”素”は，音読み”そ”で，訓読みは”もと”。訓読みの意味は，element and/or origineらしい。”味の素”のおかげで，訓読みはあまり問題がなかった。”味の素”は，どちらの意味にもとれる。
ところが，厄介なのは，音読みする熟語。”素”の音読みは”ソ”とされているが，”ス”と読むものも多い。”ス”と読む例は，素足(スあし)，素平（スッピン)。たぶん，素人（しろうと）も，もともとは，”ス”ではないかと推測。
元素，要素などは，elementで理解できた。それぞれ，もととなるelement，必要なelementとすればよい。素材，素質は，もともとの材料，もともとの性質という意味なので，origineで対応できた。
しかしながら，熟語には，訓読みから連想できない意味が結構ある。混乱したのは，素食，素朴。この混乱に輪をかけたのが，素人（しろうと）と素足(スあし)，素平（スッピン）。音読みまで，ことなる。これらは，rudeまたはnot refineという意味らしい。”もと”という日本語からは，rudeという意味は，どうしても連想できなかった。
これらに，素描が加わる。素描は，もとの絵という意味と誤解していて，絵の具で塗りつぶすものの下書きと思い込んでいました。ところが，塗りつぶすとは限らない。またまた，混乱。
さらに，素と粗が混乱し，漢字の書き取りで，粗食と書いて×を食らった。
ここで，またまた，中国語辞典の登場（私が使っているにものは，「音引き，中国語辞典」。この辞典は，ピンイン（中国語の発音）が分からなくても，日本語の音読みで中国語が引けるので便利）。”素”をひくと以下のとおり。
素 su3
� ’鬚ぁぬ誼呂�
�◆，犬澆任△襦い呂任任覆ぁ�
[語素]
�’鬚じ─き∩納繊い發函き�もともとの，本来の。
これで，私の混乱は，ほぼ収束。日本語の訓読みは，”語素”の�↓�の意味に対応するもの。本来の”素”の意味には，訓読みの”もと”ではなく，上記の�´△琉嫐�。結論は，素足(スあし)，素平（スッピン）素描は，�，紡弍�，素食，素朴は，�△紡弍�する。
訓読みにない意味の熟語は，日本語での訓読みが確定した後に，大陸から輸入した言葉ではないかと推測。はやり，国語辞典にも，英語の辞書のように，語源を提示すべきであろう。
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