無言歌は続く

　京都から帰った翌日　今週は針治療に行っていないので行きますか　と母に問へば　温泉に行こう　と云ふことで　いつもの温泉に出かける　車も四日ぶりか　一時間ちょっとで到着　一番風呂　男の客はなんとなく入ってきて4、5人　内風呂外風呂二人くらいなのでのんびりだ 女風呂は　母が出る頃まで誰もいなかったと云っていた　一人風呂もいいなあ

　今宵の音楽は　ヴェルディ：歌劇『椿姫』全曲
　イレアーナ・コトルバシュ（S：ヴィオレッタ）
　プラシド・ドミンゴ（T：アルフレード）
　シェリル・ミルンズ（Br：ジェルモン）
　ステファニア・マラグー（Ms：フローラ）､他
　バイエルン国立歌劇場合唱団
　バイエルン国立管弦楽団
　カルロス・クライバー（指揮） 最後の方からもう一度　そして二枚目に移行　椿姫はフランスの作家デュマの小説が元になるんフランス語の原作を訳すと「椿の花をつけた淑女」　オペラでの題は「ラ・トラヴィアータ」　これを訳すと「道を踏みはずした女」　日本では　小説もオペラも「椿姫」　微妙にニュアンスが・・・あとは自分で調べよう

　温泉の帰りにいつものうどん屋ではなく　最近見つけた若夫婦の営むお店に行く　私はこっちの方が好きだ　優しいお汁の味がする　他の店も美味しいけれど　味がちょっと濃い　ここのは薄味で　私好み　サラダがついて　うどんに紫玉ねぎのスライスが散らばっている　微妙な食感が良し　それに焼きカブが　面白い組み合わせだ　田舎の一軒家　以外に混んでいる　美味しいからな

　そして昨日　寒かったね　仕事をするんじゃ莫迦らしい　といふことで駅前の百貨店にでも行こう　いくつか購入　サンマの一夜干しを購入予定であったが　なし　売れないのでやめたかな　高いからな　でも素晴らしく美味しいのに　残念だ　午後ものんびり　三時半には風呂に入り四時半には夕食だ　買ってきたメンチ一つを温めて半分ずつ　さわらの西京焼きを半分　ご飯けんちん汁　それにタクアン　自分で漬けて美し

　そして今日　暖かいので大根を引っこ抜いて　母は切り干し作り　私は再びのタクアン作り　15キロ　皮を剥いて　適宜に切り揃て　ひとつひとつ塩をまぶし込んで　樽に入れて重石をかける　30キロくらいの重石　なんとなく見ているとミシミシと沈んでいくようにも見える　5分後　明らかに沈んでいる　夕方　15センチくらい沈んだようだ　だいたい七日塩漬け　その後本漬け　我が家は麹漬けである　こんなに簡単なのに　ほとんどの人が漬けないで欲しがる

　　　山村暮鳥　風は草木にささやいた　より　人間に与える詩

　そこに太い根がある
　これをわすれているからいけないのだ
　腕のような枝をひっ裂き
　葉っぱをふきちらし
　頑丈な樹幹をへし曲げるような大風の時ですら
　まっ暗な地べたの下で
　ぐっと踏張っている根があると思えば何でもないのだ
　それでいいのだ
　そこに此の壮麗がある
　樹木をみろ
　大木をみろ
　このどっしりとしたところはどうだ

　京都嵐山　大悲閣千光寺　B5版の紙に　心　と題する一枚　一行目

　心に　物なき時は　心ひろく体やすらかなり