「同じ日の繰り返し」サラリーマンの愚痴としては非常に一般的ですが、
それが比喩的表現で亡くなった場合何が起こるか。
これはタイムパラドックスSFの中の一ジャンルと言っていい程メジャーです。
静月遠火氏著「R&R」はそんなジャンルの1作品です。
調子に乗って連日メディアワークス文庫週間です。
主人公は女子高生、合気道部、ある日、見知らぬ後輩の暴走を止め、
それをきっかけにその後輩に助けを求められます。
後輩が言う事には「無限に5月6日が繰り返されている」、
それから脱して普通の生活を送りたいと。
それ以降、後輩は次に起こる事を次々当てて見せ、主人公を巻き込んでいきます。
主人公と後輩はいろいろ模索するうちに、この騒ぎの原因と疑わしい
後輩の家に夜間登場する女性の謎を解決します。
これで、解決するかと思われたのですが、そうは上手くいかず、
ここで振出しに戻って、原因は自分の中にある、事に気づくのです。
ストーリー自体はオーソドックスなのですが、要因がカギになる話です。
その要因は前半にほとんど伏線が無いので、終盤にしか気づく人はいないでしょう。
謎解きしていた人にはちょっとずるいと感じそうです。
著者の前に読んだ「ボクらのキセキ」みたいに途中で着地点が見えるよりはいいし、
ストーリー構成もきれいにまとまっていると思います。
主人公が女性ながらSF好きで、映画、アニメーションのキャラクターを
並べ立てる所に結構知っているのが出ていたのが面白かった、身近に感じる瞬間ですね。
岡部倫太郎が出てくるなら、涼宮ハルヒも出てきてほしかったな。
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