まあ、人間生きていると恋愛感情の一つや二つ発生する訳ですが、
ふと立ち返って人の好意って、なんだろう?なんて思った事はあるものの
その解決に至る正答があいまいなまま来ている自分がいるのです。
そんな感覚にぴったりくる作品を読みました。
入間人間氏著「彼女を好きになる12の方法」です。
ちょっと間が空いた、メディアワークス文庫週間です。
主人公は、付き合ってはいないけれど、いつも一緒にいて暇あらば
主人公の部屋に入り浸ったり、遊びに出かけたりするヒロインに対して、
好きにならなくてはいけないような感情が起こり、
ヒロインを「好きな理由」を求めて日々を過ごしだします。
それに対してヒロインに一目ぼれしたものの、
ヒロインの事を何も知らない第三の人物が登場します。
基本的に主人公と、この第三の人物の「好意」の対比になる訳ですが、
主人公とヒロインの関係がゆっくり進んで行き、
最終的にはヒロインの「好意」が主人公の「好意」を凌駕してしまう事になります。
その過程で、第三の人物の「好意」がヒロインの本質を理解していなかった事を
ヒロインの絵を見た主人公が知る事になって終わります。
実際、「好意」の形態って、いろいろあるのだと思います。
この作品に登場するキャラクターは双極に近いですが、一般の範疇です。
そう言った心理をヒロインが残酷なまでの単純な「好意」を示す事で
起伏の無いストーリーに強いコントラストをつけているように思います。
非常に魅力的で面白いけれど、ちょっと切ない感じ。
しかし「彼女を好きになる12の方法」と言うタイトルの12の部分の要素は
どこに行っちゃったんですかねえ。
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