久々に医療ものの物語。
京本 喬介氏著 「僕たちはドクターじゃない」
ドラマ等ではメジャー分野ですが、メディアワークス文庫では
結構少ない気がします。
医療が責任ばかり大きく、恵まれない仕事となったおかげで
崩壊に至った近未来、それを補完する意味で特殊な医療学生制度が
施かれます。主人公はそんな医療学生グループの一人。
診断や判断は一流ながら、手先は不器用。
仲間で補完しあって医療絡みの事件を解決していきます。
仲間は気の強いわがままな女性や腕は一流なのに真性のロリコン等々
個性豊かです。物語自体は医療ドラマ的展開で医療を利用した格闘など
アクション要素も入っています。
読み進むと、医療学生制度は主人公を低年齢化させるためだけにしか役に
たっておらず、キャラクターを増やして物語に
バリエーションを付けるのは有効な手法ですが、
この作品の場合は個性がありすぎるキャラクターが複数存在するので、
リレー形式に物語を進めているものの、焦点がぼけてしまい、
個々のシーンはともかく、全体としてみれば印象に残らない物語に
なってしまっているように思います。
普通に医者の物語にした方が筋道もはっきりしそうに思うのは
私が単純なせいでしょうかねえ。
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