ずっと読んでいるシリーズ物の最新刊が出ていました。
鴨志田 一氏著 青春ブタ野郎シリーズ 11作目
「青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない」
12月に出ていたのに気付かず、先日購入。
"思春期症候群"と言う架空の病気をめぐる事件は、
初期は激しく人を傷つけていましたが、
だんだん微妙な心理描写を中心に描くようになって来ました。
主人公は、元々妹の受けた学校でのいじめ事件から発する
"思春期症候群"と言う病気で一連のトラブルが降りかかるのですが、
今回のヒロインはその初端である主人公の中学生時代、
主人公を救おうとしたのに何も出来なかった同級生。
9作目までは高校での人間関係、恋愛から来るものでしたが、
10作目以降、大学生になって以降は仕事なども絡む
幅広さが出てきたので、"思春期症候群"はあまり激しい作用はせず、
人間の心の動きを繊細に描く事で、
ちょっとした事が大きく作用する様を描いているように思います。
大学で再会したヒロインは、正義の人という明確なキャラクターで
同窓会で過去、主人公が間違っていなかった事を証明しようとします。
まあ、平行世界とかが絡んできて、人格のぶれで主人公が気付くのです。
大人になって、思春期から遠ざかると言う事で、症状が軽くなって
行くのかもしれません。でも、繊細な文章で、激しい動きが減っても
読ませる文章はさすがだと思いました。
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