mixiユーザー(id:15425768)

2021年01月09日18:35

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声の色

 声の色といっても声色ではなく、小説の中に出てくる能力。

で、メディアワークス文庫週間にて、

小川晴央氏著の快作

「君の声に耳をすまして」

です。

声の色が見えて、その相手の本音が見えてくるが故、

人間恐怖症に近くなった主人公、

映像や録音ならばその色は見えないので、大学は映像関係の学科、

下品な先輩位しかいない限られた人間関係の中に突如現れ、

映像作品に参加を申し込んで割り込んできた失声症のヒロイン

声の色が見える事自体は、人の顔色を伺う能力を分かり易くした感じで、

そんなに無理が無いので案外自然に読む事ができます。

 それに対して、そんな主人公にとって声を失ったヒロインの存在は

心の本音が見えず、逆に精神的に楽な存在でした。

しかし、ヒロインが彼に近づいた動機が隠されていて見えなくなり、

物語は意外な方向へ向かいます。

 結末も、軟着陸が上手いハッピーエンド。

300ページ程度の装丁ですが、一気に読めました。 
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