私の好きなSF作家、ジェームズ・グレアム・バラードは
2009年の本日4月19日に亡くなりました。
という事で、「太陽の帝国」を見ていました。
もう11年、11回目。毎年見ています。
長期闘病の末逝去されたそうですが、私にとっては結構青天の霹靂。
78歳。
1964年に奥さんを、肺炎で失くして以降、
3人の子供を育てた事辺りまでは知っていましたが
ニュースになったのは随分後でした。
1960年代は「沈んだ世界」「燃える世界」「結晶世界」
の三部作で破滅の美を描き、
1970年代には「クラッシュ」「コンクリート・アイランド」
「ハイ-ライズ」など、科学技術と人間との関係を追求。
有名な作品は多々あるけれど、私の好きなのは「太陽の帝国」。
氏の自伝的小説を映画化したものでSFではありません。
氏は著作の根本として、
「誰も書かなければ、私が書く予定だが、
真のSF小説とは、記憶喪失の男が浜辺に寝ころび、
錆びた自転車の車輪を眺め、
自分とのそれとの関係の絶対的な本質を探る様な話になる。」
と、おっしゃったとか。
抽象的だけど何だか好きな言葉。
その点からすると60年代の破滅三部作は真のSFと言うより、
「太陽の帝国」と同列にある気がします。
原作とちょっと違うけど、映画も案外好きです。
美しき破滅。
バラード氏が見た、日本が辿った敗戦の経緯を描いた感じです。
それ故か、毎年4月19日は日本の運命を描いたような
「太陽の帝国」に見入ってしまいます。
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