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2020年04月19日22:08

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帝国

私の好きなSF作家、ジェームズ・グレアム・バラードは

2009年の本日4月19日に亡くなりました。

という事で、「太陽の帝国」を見ていました。

もう11年、11回目。毎年見ています。

長期闘病の末逝去されたそうですが、私にとっては結構青天の霹靂。

78歳。

1964年に奥さんを、肺炎で失くして以降、

3人の子供を育てた事辺りまでは知っていましたが

ニュースになったのは随分後でした。

1960年代は「沈んだ世界」「燃える世界」「結晶世界」

の三部作で破滅の美を描き、

1970年代には「クラッシュ」「コンクリート・アイランド」

「ハイ-ライズ」など、科学技術と人間との関係を追求。

有名な作品は多々あるけれど、私の好きなのは「太陽の帝国」。

氏の自伝的小説を映画化したものでSFではありません。


氏は著作の根本として、

「誰も書かなければ、私が書く予定だが、

真のSF小説とは、記憶喪失の男が浜辺に寝ころび、

錆びた自転車の車輪を眺め、

自分とのそれとの関係の絶対的な本質を探る様な話になる。」

と、おっしゃったとか。

抽象的だけど何だか好きな言葉。

その点からすると60年代の破滅三部作は真のSFと言うより、

「太陽の帝国」と同列にある気がします。

原作とちょっと違うけど、映画も案外好きです。

美しき破滅。

バラード氏が見た、日本が辿った敗戦の経緯を描いた感じです。

それ故か、毎年4月19日は日本の運命を描いたような

「太陽の帝国」に見入ってしまいます。
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